はじめに読んでください

体験型ジャーナリズム入 門:2016

Introduction to A kind of Hands-on Qualitative Mehtod: An analysis of a Journalist approarch

池田光穂

授業担当者/Professor in charge
池田光穂(Mitsuho Ikeda)
履修対象/Eligibility
COデザイン科目(学部3年以上、大学 院生)
開講時期/Schedule
夏学期:月曜6-7限(18時00分 〜21時10分)
講義室/Room
豊中キャンパス:スチューデントコモン ズ(2階)【予定】
講義題目/Course Name
訪問術B (体験型ジャーナリズム入門)
授業の目的と概要/Course Objective
本 講義では、体験型・ルポルタージュ・ジャーナリズムの基礎の修得を目指し、メアリー・ローチ、オリバー・サックス、山崎朋子など複数の作品の精読を通し て、体験型ジャーナリズム取材にもと づく情報をどのように正確に伝えるのという課題や問題点について考える。また、課題レポートの作成を通して、ゴンゾ—・ライティングの意味についても考え る。途中で、ドキュメンタリー映像作家のマイケル・ムーアの作品の観賞も加え て体験型ジャーナリズムがもつ独特のエートスについても学ぶ。
学習目標/Learning Goals
1.同じ授業担当者が講じる「訪問術A (質的研究のデザインA)」などの方法を無視して、いきなり対象者に肉薄するゴンゾー調査法(Gonzo method)の意味を理解し、その方法論の可能性と限界について考えることができる——すくなくとも君の友人や家族などの親しい人たちに、君自身の言葉 でこの調査法について「熱く」語ることができるようになる。
2.「体験的科学ジャーナリズムの魅力」を遺憾なく発揮している当代きってのジャーナリストであるメアリー・ローチの著作などの読解を通して、彼女の方法 について分析し、それを我々も会得できるかどうかについて検証する(→「リヴァース・エンジニアリング・リーディング(逆行工学的読書)」)。
3.ゴンゾー・ライティングの魅力は誰にでもその方法の可能性が開かれていることである。分析できたゴンゾー・メソッドを通して、実際にミニ・レポートを 書いてみよう!(必ずしもフィールドワークインタビューが必須ではなく[想像の/サイバー上のフィールドワークという言葉が あるように]文献やサイバー探検だけでも可能)
履修条件・受講条件 /Requirement; Prerequisite
履修対象に該当する者であればどなたで も受講できます。経験者や学位論文作成のために社会調査研究に携わったことのある学生・院生は、未経験の受講者と共に学ぶことで、個人的知恵を伝授し共有 することができるために多いに推奨します。
特記事項/Special Note
シラバスをみていただき、事前にテーマ を想像されたり、情報を入手しておくと、学習意欲向上のインセンティブになると思います。
授業計画/Special Plan (回)題目/Title:内容/Content
回数(日程等)
内容・目的・教材
1.体験型ジャーナリズム、 ゴンゾーライティングとはなにか? 体験型ジャーナリズムとは何 か?フォーマルな質的調査法にもとづく報告と何が共通で、何がことなるのかを明らかにする。ゴンゾー・ジャーナリズムは、方法論のない粗雑な方法としばし ば批判されてきたが、本当にそうか?などの点を明らかにする。
2.フォーマルな質的調査法 について
ゴンゾー・ジャーナリズムへ の理解は、フォーマルな質的調査法との対比のなかの考察からうまれ る。そのためにフォーマルな質的調査法のエッセンスを紹介する。
3.山崎朋子のケース研究 (I)
山崎朋子『サンダカン八番娼 館 : 底辺女性史序章』より
4.山崎朋子のケース研究 (II) Yamazaki Tomoko ; translated by Karen R. Colligan-Taylor
5.メアリー・ローチのケー ス研究(I) ローチ『死体はみんな生きて いる』より
6.メアリー・ローチのケース研究(II) ローチ『兵士を救え!◎珍軍事研究』より
7.メアリー・ローチのケース研究(III) ローチ『霊魂だけが知っている』より
8.ジェリー・サラモンのケース研究 サラモン『大病院』より
9.オリバー・サックスのケース研究(I) サックス『火星の人類学者』より
10.オリバー・サックスのケース研究(II) サックス『見てしまう人びと』より
11.オリバー・サックスのケース研究(III) サックス『音楽嗜好症』より
12.成果発表会 討論参加者による個別発表と意見交換
13.成果発表会
討論参加者による個別発表と意見交換
14.成果発表会
討論参加者による個別発表と意見交換
15.まとめ
総合討論
授業形態/Type of Class:
レクチャー、質疑応答、討論、問題提示 とそれにもとづく議論
授業外における学習 /Independent Study Outside of Class
資料の事前読解にもとづく予習と、電子 メールあるいはSNSによるヴァーチャルな討論。
教科書・教材/Textbooks
インターネット情報(体験型ジャーナリ ズム入門(訪問術B)2018→[https://goo.gl/v5w8Hp]) 他、配布資料など。
参考文献/Reference
体験型ジャーナリズム入門(訪問術B) 2018→[https://goo.gl/v5w8Hp]他
成績評価/Grading Policy
学習者の各回の自己評価(ポートフォリ オ分析)の積算(50%)と教師による観察評価(平常点を含む50%)
コメント/Other Remarks

キーワード/Keywords
体験型ジャーナリズム、ルポルター ジュ、ドキュメンタリー、突撃取材、ライター、民族誌(エスノグラフィー)
受講生へのメッセージ/Messages to Prospective Students
皆さんの先生方が、克己して辞書(電子 辞書)に齧りつき禁欲的に勉強する時代は終わりました。今日の大学院の勉強は、スマートに楽しく学ぶことが、もっとも重要な課題になりました。知識と情報 収集に使う労力がインターネットによって節約された分、皆さんの知的情熱は、領域を超えた同学の士どうしによる楽しく深い議論を生み出すほうに投入しま しょう!

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