かならずよんで ね!

松島泰勝・木村朗編『大学による盗骨:研究利用され続ける琉球人・アイヌ遺骨』耕文社、2019 年;研究ノート

Violence of Colonial Academy vs. Postcolonial Academy of Resistance

池田光穂

今日における日本の先住民研究は、そのフィールドの 場所いかんにかかわらず、学問の植民地的性格に根ざしている。そのような知の枠組みを、さまざまな文化的収奪をうけてきた先住民研究者の立場から厳しく批 判するのが松島泰勝(Yasukatsu MATSUHIMA, 1963- )氏である。彼の『琉球 奪われた骨』(2018)に焦点を当てて、その批判的言説の可能性について検証しよう。

序言 東アジアにおける琉球人・アイヌ遺骨問題 鳩山友紀夫

はじめに 松島泰勝

I 琉球の遺骨返還問題

第1章 琉球人遺骨問題と自己決定権 宮城隆尋
コラム 琉球人の骨神と霊魂観、生死観 高良 勉
第2章 形質人類学と植民地主義との歴史的関係と今日的課題――金関丈夫「人種学」を中心にして 松島泰勝
コラム 百按司墓と植民地主義 与那嶺義雄
第3章 研究のおぞましさについて 冨山一郎
コラム 源氏系統と百按司系統――日琉同祖論と英雄シャクシャイン 与那嶺功

II アイヌの遺骨返還問題

第4章 アイヌ遺骨返還運動とDNA研究 植木哲也
コラム 私たちのご先祖様のお墓、盗掘遺骨を返してください 浦川早苗
第5章 問われる日本人の歴史認識と先住民族アイヌの権利回復――アイヌ新法に先住権の明記を! 出原昌志
コラム 土地を奪われ、遺骨を奪われて一五〇年 木村二三夫
第6章 ドイツから「移管」されたあるアイヌの遺骨と脱植民地化 小田博志
コラム アイヌ遺骨返還の闘い 小川隆吉

III 植民地主義と学問の暴力

第7章 連載「帝国の骨」の取材から――京都帝国大の系譜 岡本晃明
コラム 植民地主義未清算の不作為 白鳥龍也
第8章 植民地主義と学知の調査暴力――「オキナワ」を返せ、琉球人遺骨を帰せ! 佐藤幸男
コラム 琉球・沖縄人から日本人へ 当真嗣清
第9章 学問という名の暴力――遺骨返還問題に見る植民地主義 前田 朗
コラム 旧帝国大学による琉球人遺骨の未返還問題についての私見 具志堅隆松
第10章 日本の植民地主義とアイヌ・琉球(沖縄)・奄美の遺骨問題 木村 朗
第11章 京都大学に対する奄美人遺骨返還運動 大津幸夫
コラム 「知と骨」のソナタ 原井一郎
第12章 なお遠い「知」の植民地清算―現在の朝鮮人の遺骨奉還の取り組みにもふれて 川瀬俊治

III 京都大学を訴える

第13章 ウヤファーフジ(先祖)の遺骨を返せ 照屋寛徳
第14章 問題解決のための今後の展望 松島泰勝
第15章 原告の訴え ご先祖のマブイに平安を 子孫としての切なる願い 亀谷正子
第16章 百按司墓の盗掘と植民地主義 丹羽雅雄

琉球人・アイヌ遺骨返還問題にみる植民地主義に抗議する声明文
おわりに 松島泰勝

琉球民族遺骨返還請求訴訟支援全国連絡会のご案内
関連年表

◎章立て

序言 東アジアにおける琉球人・アイヌ遺骨問題 鳩山友紀夫

はじめに 松島泰勝

I 琉球の遺骨返還問題

第1章 琉球人遺骨問題と自己決定権 宮城隆尋

コラム 琉球人の骨神と霊魂観、生死観 高良 勉

第2章 形質人類学と植民地主義との歴史的関係と今日的課題――金関丈夫「人種学」を中心にして 松島泰勝

コラム 百按司墓と植民地主義 与那嶺義雄

第3章 研究のおぞましさについて 冨山一郎

コラム 源氏系統と百按司系統――日琉同祖論と英雄シャクシャイン 与那嶺功

II アイヌの遺骨返還問題

第4章 アイヌ遺骨返還運動とDNA研究 植木哲也

コラム 私たちのご先祖様のお墓、盗掘遺骨を返してください 浦川早苗

第5章 問われる日本人の歴史認識と先住民族アイヌの権利回復――アイヌ新法に先住権の明記を! 出原昌志

コラム 土地を奪われ、遺骨を奪われて一五〇年 木村二三夫

第6章 ドイツから「移管」されたあるアイヌの遺骨と脱植民地化 小田博志

コラム アイヌ遺骨返還の闘い 小川隆吉

III 植民地主義と学問の暴力

第7章 連載「帝国の骨」の取材から――京都帝国大の系譜 岡本晃明

コラム 植民地主義未清算の不作為 白鳥龍也

第8章 植民地主義と学知の調査暴力――「オキナワ」を返せ、琉球人遺骨を帰せ! 佐藤幸男

コラム 琉球・沖縄人から日本人へ 当真嗣清

第9章 学問という名の暴力――遺骨返還問題に見る植民地主義 前田 朗

コラム 旧帝国大学による琉球人遺骨の未返還問題についての私見 具志堅隆松

第10章 日本の植民地主義とアイヌ・琉球(沖縄)・奄美の遺骨問題 木村 朗

第11章 京都大学に対する奄美人遺骨返還運動 大津幸夫

コラム 「知と骨」のソナタ 原井一郎

第12章 なお遠い「知」の植民地清算―現在の朝鮮人の遺骨奉還の取り組みにもふれて 川瀬俊治

III 京都大学を訴える

第13章 ウヤファーフジ(先祖)の遺骨を返せ 照屋寛徳

第14章 問題解決のための今後の展望 松島泰勝

第15章 原告の訴え ご先祖のマブイに平安を 子孫としての切なる願い 亀谷正子

第16章 百按司墓の盗掘と植民地主義 丹羽雅雄

琉球人・アイヌ遺骨返還問題にみる植民地主義に抗議する声明文

おわりに 松島泰勝

琉球民族遺骨返還請求訴訟支援全国連絡会のご案内

関連年表

■本源的紐帯の歴史的起源

「これまで那覇市山下洞窟で発見された最古の人骨は 32,000年前のものだといわれているが、本州で発掘された最古の人骨は18,000年前のものだといわれ、前者は後者より14,000年も古い。琉球 では貝器文化が発達した。貝や貝製品が「貝ロ-ド」を通って九州、四国、本州、北海道まで運ばれた。琉球は、1429年に巴志によって統一されたが、徳川 家康によって日本が統一されたのは1603年で、琉球より174年も後のことであった。1478年には尚真王の刀狩りによって文民統治が実施され、琉球 は、独立国として国内政治、経済政策、外交、海外貿易などにおいて自己決定権を自由に行使し、平和、繁栄、長寿を満喫していた」—仲村芳信「琉球国独立を取り戻そう」『琉球独立 学研究』2号

リンク(琉球独立関係)

リンク(遺骨返還関連:サイト内)

リンク(サイト外)

リンク(文化人類学批判)

文献

その他の情報

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