カリエラ四分制
Kariera marriage
system
解説:池田光穂
カリエラ四分制とは、社会全体が四つの四分族に分かれている組織のとその婚姻を通した世代の再生産の様式のことである。カリエリ(カリエラ)の 人々とは、
"The Karieri people were an Indigenous Australian people of the
Pilbara, who once lived around the coastal and inland area around and
east of Port Hedland" - Kariera people (Wiki)
垂直線は母子、対角は父子、=婚姻 である。Banakaに属しているとBurungのグループの異性としか婚姻できない。同様に
Karimeraに属している男女はPalyeriの異性としか婚姻できない。母親がBanaka の子どもは男女に関係なくKarimera
で、母親がBurung
の場合は、男女に関係なくPalyeriとなります。Karimeraに属している男女はPalyeriの異性としか婚姻できないと書きましたが、母が
Karimeraの子どもは男女にかかわりなくBanakaで、父がKarimera の子どもはBurung
になりますので、この四分制の体系は、親族関係の紐帯を続けていくためにはきわめて「合理的」です。
具体的には、母がBanakaで父がBurungの場合の子どもはKarimera に属する。父がBanakaで母は
※オーストラリア・アボリジニーでは、ほかに二分制・八分制にわかれるものもある。
この図はエゴ(自分)をカリメラとしたものですが、自分のキョウダイも同じで、父はブルングに属し、母はバナカであったがゆえに決まりま
す。この原理で、自分の婚姻相手を男女の区別なく相手の親族から相互に結婚させることが可能になります。これをレヴィ=ストロースの用語では「限定交換」
と呼んでいます。つまり、カリメラに妻や夫を供給するのはパリエリであり、バナカの婚姻相手はつねにブルンから決まります。
【カリエラ族】
大陸西北部に住む採集狩猟民[当時:人口は今世紀初頭750人程度]
外婚と夫方居住を特徴とする20以上の地域集団・ホルドを形成していた。
各ホルドには、父系の関係にある男とその妻子である。
カリエラ族は、4つの分族(セクション)のいづれかに属している
例a.
カリメラの男の父はおなじホルドに属しているがブルンのセクションに属している
カリメラの男はパリエリの女と結婚し、その男の子供はブルンに属する
例b.
バナカの男はブルンの女と結婚し、その男の子供はパリエリに属することになる
・婚姻が可能になるのは、親族名称でニュバ[nyuba]で、男性からみれば、母の兄弟の娘と父の姉妹の娘[ともに第一交叉イトコ]のほか に、母の母の兄弟の娘の娘[マタイトコ]がそこにふくまれる。
・カリメラの男性にとって、同世代のパリエリの女性たちはすべてニュバであり、婚姻の対象はそれらの女性たちに限られる。
[★セクション・婚姻規則・親族名称の間に相互に一貫した整合性がみられる]系譜図による 手法(下の●や▲意味がわかります)
【四分制による限定交換】
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文献
猿にわかる文化人類学(親) 小猿のリスト
Copyleft, CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1996-2099