はじめによんでね
マイクロスリップ
micro-slip of human conduct
実践共同体ノート07:垂水源之介
マイクロスリップ
我々のルーティンの身体の所作には、一度動き出すと、その動作のプログラムを遂行させるようなかたちで、身体所作が連続性をもってある点ま で自動的に進んでしまう。マイクロスリップは、身体所作をある目的をもっておこなったにもかかわらず、他の身体所作にスリップしてしまう誤操作のことであ る。
マイクロスリップが常態化すると、それは病理だが、マイクロスリップ現象そのものは、人間(動物?)の身体(認知現象も当然それに随伴して いる)がもつ、行動をなめらかに遂行する際に出てくる必要悪のようなものであるとも考えられる。
マイクロスリップ現象を知覚現象の生産的側面として解釈することも可能だ。コンピュータは、人間の病理や誤作動であるマイクロスリップとコ ネクト=サイボーグすることで、人間あるいはコンピュータのもっているそれぞれの能力をさらに引き上げることが可能である(ゲームマシンは、現在のところ マイクロスリップを減点の対象のみにしている)。
【関連用語】
【関連する研究者】
【文献】
鈴木健太郎・三嶋博之・佐々木正人 1997 アフォーダンスと行為の多様性—マイクロスリップをめぐって— 日本ファジィ学会誌,9 (6): 826-837.
シリーズ:じっせんきょうどうたい
附 録 用語集
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