On Qualitative Study and Ethnography:04
学習の意義: 1)【前回の復習】非構造化質問・半構造化質問・構造化質問の3つの質問(インタビュー)の違いを説明してみよう 2)フォーカスグループインタビューでの、フォーカスとは、何が焦点化されるのか考えてみよう 3)さまざまな口頭データの収集法についてルーブリックを埋めて整理してみよう。 |
第4回 2017.05.08 (→訪問術A(質的研究のデザイン A):2017)(資料:with password: 170508-Qualitative_2002-2017-4.pdf )
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10.フォーカスグループインタビューとディスカッション
11.口頭データ収集法の概観
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●レクチャー:https://www.youtube.com/watch?v=LYZ1_zblxD0
10.フォーカスグループインタビューとディスカッション
フォーカスグループインタビュー(FGI)の定義(p.144)
グループインタビューというなかにFGIが入るらしい。
グループ・ディスカッションの語義の説明は古く、ハーバード・ブルーマ(1969)に遡れるらしい。象徴的相互作用論者の名前にちょっと びっくり。p.145
グループ・インタビューの正当化について論じられ、そして、GIがもつ問題が語れる。p.146
グループは顔見知りをあつめる(リア充)か、それとも知らないどうしをあつめるのかについての議論(p.147)
ドロップアウトする学生の調査の実例があるが、これは、ようやく、学生にとって重要な事例になるだろう。みんな関心がある上に、どのように してGIのグループわけをやるべきなのかについて考えることができるので。
「同質グループ」という命題が、ある人にとって強迫的になると、グループインタビューもストレスがたまろう。
グループではないが、NHKのEテレでむかし放映していた『ねほりんぱほりん』のように匿名化をぬいぐるみのブタに仮託する方法で、インタ ビュイーの匿名がばれることを軽減するやり方に関心した(もちろん、スタッフが事前に「見本」を見せてラポールをとるというやり方が不可欠だろう が……)。
149ページに、GDのプロセスと要素とあるが、偶発的な状況にどのように介入すべきなのかという議論の系列に属する話だ。次の三ステップ は重要だ。
1)手順の説明
2)ウォーミングアップ
3)「ディスカッションの刺激剤」の投入。刺激剤とは言いえて妙だ(p.150)。
また、GDの展開に関する次の6つのプロセスも重要。1)なじみのなさ、2)方向性の発見、3)適応、4)親しさの誕生、5)意見の一致 (コンコーダンス)、そして、6)議論の種が尽きる、という進行(p.151)。
GIの別のポイントは、各人のすべてをコントロールできないし、また、仮にコントロールしても、つまらなくなる。かといって、お通夜の直会 のようなものも寂しい。あるいは言い方を変えると、1)もしかりに期待外れの展開になっても研究者はあせらないこと、2)議論が低迷したり、違う方向に いっても、楽観的によい方向に刺激剤を投入しつつ、談論風発なものに促すと同時に、3)うまくいくこともあるし、そうでないこともあり、大切なのは、それ らの理由を自分なりに分析して、次回以降にその経験知を使うべきだということだ。
フォーカス・グループ(FG)pp.153-
FGは、操作的なインタビューのための仮構的グループであると同時に、フィールドでもそれが生じることがある——たとえばフィールドワー カーが一家団欒の話の中に割り込むこと。だから、FGでの経験は、実際のフィールドワークでも役立つことにつながるということだ(p.153-)
FGをはじめる時の挨拶の文例があるが、これは笑止とは言いたくなることもある。こんなことより、謝金はどうするのだ、あるいはFGのメン バーのなかで議論や人間関係がこじれたりしたら、インタビュアーは、どの程度リスクを負うのか?あるいは研究倫理上の問題にどう関わるべきかのかという (裏の?)事情が語れていない。p.154
Lunt and Livingstone のFGの二重の強みなど、書いても、だからどうなの?という気持ちである。p.155
FGは、グループの中のダイナミズムでいかようにかわるだろうという感じもする。p.155
共同ナラティブの理論的含意。p.156
共同ナラティブの限界(p.157)——特に深い感慨など感じられない
11.口頭データ収集法の概観 pp.160-
表11.1 pp.162-163 が圧巻かな。これはみんなで考えてもいい課題だろう。——ただし、みんなでこのルーブリックを埋めたら筆者がまとめたのとは全く違うものが生じるか もしれ ない。そもそも、こんなセルのなかにキレイに入るのだというのはイデオロギーにすぎないよ。
2度目の会合でどのように運営するのかについての議論は重要。p.164
インタビュー・タイプの選択とその適用評価のチェックリストというのがあるが、これは参考程度でいいだろう。
ほころび(ブレイクス)のチェックは、つまるところ、議論の展開を弁証法で何らかの結論をもっていくのか?それとも、それ以外の拡散でいい のか?は、調査計画者の最終的そのグループとのコミントメントの問題に関連すると思う。p.165
《課題1》下記の口頭データ収集法の比較(表11.1)をみて、赤字で記してある質問に答えてみよう。
【質問】「問題中心インタ ビューは、その方法論の限界に「問題志向であり、部分的要素の非体形系組み合わせ、と記載してありますが、それを克服するにはどうしたらよいのでしょう か?」(162ページ)
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【回答】「問題中心インタビューの【利点】 は、問題志向で直接その問題にストレートに聞くことができるので、方法の限界ではありません。インタビューアは、自分が今おこなっているインタビューが、 問題を取り囲む全体の中でどのような位置を占めることになるのかについて【自覚的になる】ことで、このような、【限界】は【方法論上の利点】となります。 したがって、このフリックのルーブリックの記載そのものが【このルーブリック手法の問題点/限界】でもあります」(池田)
《課題2》これまでの授業とテキストを参照にして、このルーブリックをすべて埋めてみよう(所要時間30分)
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復習しましょう!
半構造化インタビュー:︎1.フォーカスインタビュー▶︎2.半標準化インタビュー▶︎︎3.問題中心インタビュー▶︎4.専門家インタビュー▶︎︎5.エスノグラフィックインタビュー▶︎
ナラティブ法:︎6.ナラティブ・インタビュー▶︎7.エピソード・インタビュー▶︎︎
フォーカスグループインタビュー/ディスカッション:︎8.グループ・ディスカッション▶︎9.フォーカス・グループ▶︎︎10.共同ナラティブ▶︎
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リスト
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1.質的研究とはなにか
2.理論的立場
3.テクストの構築と理解
4.プロセスと理論
5.研究設問
6.フィールドへの参入
7.サンプリング戦略
8.半構造インタビュー
9.データとしてのナラティブ
10.フォーカスグループインタビューとディスカッション
11.口頭データ収集法の概観
12.観察、エスノグラフィー、視覚データ法
13.視覚データ収集法の概観
14.データの文書化
15.コード化とカテゴリー化
16.シークエンス分析
17.テキスト解釈法の概観
18.質的研究の基礎づけと価値基準
19.質的研究の執筆
20.質的研究におけるコンピュータ
21.質的研究と量的研究
22.質的研究の質
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