はじめによんでください

訪問術A(質的研究のデザインA): 2017

Qualitative Study and Ethnography: An introduction

池田光穂

1.履修対象/Eligibility
COデザイン科目(学部3年以上、大学院生)>質的研究のデザ イン:2020
2.開講時期/Schedule
4学期セメスター春学期・月曜日6〜7限(2017年度)2017 年4月10日・17日・24日:5月8日・15日・22日・29日:6月5日
新しい「訪問術A(質的研究のデザインA):2018」にリンク
3.講義室/Room
全学教育推進機構セミナー室C(→ス チューデントコモンズ2F:マップ参照http://bit.ly/banPOM
4.講義題目/Course Name
エスノグラフィをつくる/【開講科目名】訪問術A(質的研究のデザ イ ンA)=CSCD新自由学芸科目(新しいリベラルアーツ)
5.授業の目的と概要/Course Objective
この授業は、質的研究のデザイン(計画立案)と実践、また最終的な 成果物であるエスノグラフィー(民族誌)について考えます。研究のデザインを立案することは、その研究方法についての具体的な戦略を考えることにつながり ます。そのため、それぞれの方法についてのミニ実習とアウトカム発表をおこなうことも、この授業の目的になります
6.学習目標/Learning Goals
1.質的方法の特性について理解し、量的方法との違いや、それぞれ の利点と弱点を、他者(同僚の学生)に説明することができる。
2.さまざまなタイプの質的方法について、簡潔な定義を与えることができ、その方法を駆使すれば、どのようなアウトカムを得られるか、他者に説明すること ができる。
3.質的な方法論とそれにもとづくエスノグラフィーの記法を学び、日常生活におけるさまざまなコラボレーションのあり方(=コラボレーション・デザイン) を発見し、各人の立場から具体的な解決方法を提言することができる。
7.履修条件・受講条件/Requirement; Prerequisite
参加型の授業のために、毎回出席し、また相互に見知らぬ受講生と積 極的にコラボレーションすることが受講の条件になります。
8.特記事項/Special Note
 特記事項/Special Note     シラバスをみていただき、事前にテーマを想像されたり、情報を入手しておくと、学習意欲向上のインセンティブになると思います。復習用の資料のダウンロー ドや、スケジュールの変更などは、以下のウェブページからリンクする訪問術B【質的研究のデザインB】のページなどでお伝えします。
9.授業計画/Special Plan;(毎回)題目/Title;(毎回)内容/Conten

※資料は pdfファイルで提供されてパスワードがかけられています。
----4月10日----170410-Qualitative_2002-2017.pdf
1.質的研究とはなにか?:意味・歴史・特性・理論
2.テキストを通した解釈と理解:エスノグラフィーとエスノメソドロジー
※イントロダクション
※この授業期間を通して、皆さんが何を学びたいのか?全員でプレゼンをして、出席者の気分を高め合いました!
----4月17日----170417-Qualitative_2002-2017-2.pdf
3.研究デザイン:プロセスのデザイン、アウトカムのデザイン
4.フィールドワークとサンプリングの考え方:
----4月24日----170424-Qualitative_2002-2017-3.pdf
5.インタビューとはなにか?:構造化/半構造化/非構造化インタビュー
※前半のレクチャーにつづき、後半では「石牟礼道子における対位法表現の可能性を考えました」
石牟礼道子『苦海浄土』
※「対位法的読解」から想像する「対位法表現」の問題系です。何が対位法かというと、 石牟礼が『苦海浄土』の中で使う、患者当事者のオーラルヒストリーと医学論文の併置です。それぞれの異なったテキストを読んで、同じ研究対象(=水俣病患 者当事者)を想起することができるのか?もしできないとなれば、どのようなことがこれらの両者のあいだに横たわっているのか?について検討しました。
6.ナラティブとデータ化の課題と問題:
※東京の國學院大学経済学部から野村一夫教授が起こしになり、学生・院生と共通の課題に取り組みました。
※前半は盛りだくさんで「アイヌの勇者イソンクル」のテーマ を朗読しました。
ひきつづき水俣病のテキストを使いました。各人で朗読して、方言がもつ遡及力についてなどの検証をおこないました。
----5月8日----170508-Qualitative_2002-2017-4.pdf
7.フォーカス・グループ・インタビューとディスカッション:
8.オーラル・データの収集と解析:
※前半の冒頭には、2週間前の「アイヌの物語」を想起する実験をおこないました。これは単なる遊び以上に、フレデリック・バートレットの想起実験を(現代 の「質的調査研究」の中で)思いだす=再検証するという意義も持たしていました。
W.H.R.リヴァーズ
構築主義
実践共同体関連用語集
----5月15日----170515-Qualitative_2002-2017-5.pdf
9.参与観察、エスノグラフィー(民族誌)、視聴覚資料、フィールドでの心理調査技法:
10.データのテキスト化とコーディング:
※前半は、ちょっとかったるいフィスクの形式的(すぎる)議論を検討しました。
※社会福祉の教科書の「障害」という単語を全部「能力」という文字に変換するとどのような事態(=障害者を見る眼)が起こるのかについて思考実験しまし た。
※なんでアーサー・クラインマンの文章をグラウンディッド理論で解体しコーディングして「暗黙の仮定」をあぶりださないのかヴァーチャルな学生に説諭しま した@聖典化を禁ずる!
※そして、実習では、グラウンディッド・セオリーに逆アセンブリは可能というテーマで課題しました。インフォームド・コンセント(IC)で終わったと言わ れる死のアウェアネス理論にまだ潜在可能性を発見!
----5月22日----170522-Qualitative_2002-2017-6.pdf
11.発語のシークエンスの分析法:
12.質的研究の評価と公刊に関する問題、および研究倫理
----5月29日----170529-Qualitative_2002-2017-7.pdf
13.質的研究史からみる、その意味の変貌:電子化・インターネット化・量的研究との関係・研究経営化の弊害
14.まとめ:質的研究のデザインとはなにか?
----6月5日----170605-Qualitative_2002-2017-8.pdf
15.まとめ:エスノグラフィーと私たち
10.授業形態/Type of Class
講義とワークショップ
11.授業外における学習/Independent Study Outside of Class
復習用の資料のダウンロードや、スケジュールの変更などは、以下の ウェブページからリンクする【質的研究のデザインとエスノグラフィー】のページなどでお伝えします。
12.教科書・教材/Textbooks;著者名/Author; 教科書名/Title;出版社名/Publisher;ISBNコード/ISBN;
フリック,ウヴェ『(新版)質的研究入門』小田博志ほか訳、春秋社、 2011年.ISBN 9784393499108
これには旧版『質的研究入門』小田博志ほか訳、春秋社、 2002年があります。授業資料は、後者に準拠しています。
1.質的研究とはなにか→「質的研究で論文を書くこと
2.理論的立場
3.テクストの構築と理解
4.プロセスと理論
5.研究設問
6.フィールドへの参入
7.サンプリング戦略
8.半構造インタビュー
9.データとしてのナラティブ
10.フォーカスグループインタビューディスカッション
11.口頭データ収集法の概観
12.観察エスノグラフィー視覚データ
13.視覚データ収集法の概観
14.データの文書化
15.コード化カテゴリー化
16.シークエンス分析
17.テキスト解釈法の概観
18.質的研究の基礎づけと価値基準
19.質的研究の執筆
20.質的研究におけるコンピュータ
21.質的研究と量的研究→「質的研究と量的研究のちがい
22.質的研究の質
13.参考文献/Reference
・パーカー、イアン『ラディカル質的心理学』八ッ塚一郎訳、ナカニ シ ヤ書店、2008年、ISBN 9784779502972
・データ対話型理論の発見 : 調査からいかに理論をうみだすか / B・G・グレイザー, A・L・ストラウス著 ; 後藤隆, 大出春江, 水野節夫訳,東京 : 新曜社 , 1996
14.成績評価/Grading Policy
平常点(60%)とレポート(40%)を基礎にして平常点(=発言 を通した授業への貢献)を加味して総合的に判断します。
15.コメント/Other Remarks
関連する授業にエスノグラフィーの読解を目標にした「質的研究のデザインB」があります。あわせて受講するとより効果的に 学べます。
16.キーワード/Keywords
質的研究、フィールドワーク、インタビュー、ナラティブ、エスノグ ラフィー(民族誌)、研究倫理
17.受講生へのメッセージ/Messages to Prospective Students
関連授業として、質的研究を通して制作されたエスノグラフィーを読 んでゆく「質的研究のデザインB」という授業があり、また質的研 究のあり方について、批判的にとらえなおす「アクションリサーチの理論と実践」 がありま す。君の授業参加を通して、君の質的調査能力を君と君の新しい仲間との交わりを通してそれをやり遂げるであろうということは次のページにヒントになること が記載されています。
最近接発達領域(ZPD)
実践共同体・コミュニティ
スマート・オフィス とスマート・ユニヴァーシティ
18.  受講者からの応答
「協働術A(アクションリサーチ の理論と実践)」2018、に参加して(鎌本直也さん)