On Smart office, Smart University
and Smart City: Concepts and Plans
■ご破算で願いましては……
スマートシティは「ITゼネコン」の発想である(若林恵)——「IT ゼネコンとは、建設業界のゼネコン(総合工事業者)と同じように、情報処理産業において官公需を寡占する大手のシステムインテグレーター—個別の サブシステムを集めて1つにまとめ上げ、それぞれの機能が正しく働くように完成させるシステムインテグレーション事業を行う企業—のこと。また はそれらが形成する多重の下請け構造のこと」ITゼネコン)
■要約
■解説
いきなり私企業のホームページからの引用で心苦しいが、スマート・オフィスの思想に洒脱な表現なので引用させてもらおう:(かなり意訳していま す)
「あるスマート・オフィスは、心のなかにひとつのことをデザインするだけで生まれます:つまりあなたの仕事の現場の可能性を最大限に引き出 すということですね。それは高度に複雑奇怪な科学(rocket-science)というものではありません。要するに(just)、あなたの職場の人た ちの必要性にフィットするためにあつらえた、イノベーティブな発想と新しいテクノロジーのことなのです。さあ、スマートになりましょう!」原文:"A Smart Office is designed with one thing in mind: To release the full potential of your workforce. It’s not rocket-science - just innovative thinking and new technology tailored to fit your people’s needs. Get smart."- Source: http://www.smartoffice.coor.com/
以上のことから、もしスマート・オフィスに哲学や思想があるとすれば、それはおよそ次のようなことからなりたつでしょう。
1.仕事の場をよくしたい(効率良く運営する、高い生産性、ストレスがない、愉しい、など)という思いや気持ちがある。
2.「私たちが考えるかのように」("As we may think")職場が改善されたいという志向性にもとづいた具体的アイディアがある:"As we may think"はVannevar Bushの言葉です。
3.それらの発想や具体的アイディアを支える/支えようとするテクノロジーがあり、それらに支えられている:このテクノロジーとは手順やプ ログラムなどのソフト・テクノロジー(柔らかい技術)とICT端末などに代表されるハード・テクノロジー(固めの技術)の両方があります。
4.1〜3.の手順を包括し、スマート(手早くという意味のほかにかっこいいという意味がある)にするための「美学」がある。つまり、ス マート・オフィスには、効率性を追求しながらも、かっこよさを失わない、いわゆる「情熱の美学(estetics of your own passion)」が満ちあふれている。
スマート・ビジネスと言う言葉が、スマート・フォン(smartphone)と関連づけられた 使われるように、スマート・オフィスに携帯型のICT端末は欠かせません。それは、その現場(クルト・レヴィンの用語では「場=フィールド」)にいない人 とのコミュニケーション、あるいはインターネットあるいはアクセス可能なクラウドデータベースなどの情報資源などが、有機的に繋がって、 旧来のファクト リー(工場)型のオフィスとは水と油ほど異なる、開放的で自由なオフィスのこと指します(→「クラウド・コンピューティングの9つのイメージ」)。まと めますと、スマート・オフィスとは、ICT技術を最大限に使い、創造的な仕事や開発 (研究も含まれます) をストレスなく、自由に愉しく、かつ有意義に過ごせる場所、と言っても差し支えないでしょう。
私は、スマート・オフィスをこのようにまとめてみました。では、スマートな大学、つまりスマート・キャンパスとはなんでしょうか? それ はスマート・オフィスの大学版のことです。しかし、大学は、通常のオフィスに加えて、教育研究の場であることが同時に要求されます。つまり、つぎの3つの ことに留意しなければなりません。
1.大学は学生と大学院生の教育の現場である。教育の方法は、講義、ゼミナール、実習、実験、アクティブラーニング、問題に基づく学習 (PBL)などからなりますが、通常は教える側と教えられる側には、形式的に社会的役割が異なり、それぞれに倫理的要綱や規約が定められています。
2.大学は、学生、研究員、事務職員を巻き込んだ研究の現場である。研究の目的は、論文の生産にありますが、それに必要な調査や実験あるい は計算などの膨大な予算が必要な大学ならではの学術活動があります。
3.大学は、大学を支えてくれる市民社会の人びと(近隣住民、納税者、あるいは卒業生など=ステイクホルダーと言います)に支えられている ために、研究と教育あるいはそれ以外の活動をとおして、市民社会にさまざま知識やサービスの提供をおこなう責任があります。社学連携であるとか、産官学協 働などの用語もあります。
つまりスマート・キャンパスとは、ICT技術を最大限に使い、大学 がおこなう教育・研究・社会貢献などを実現している新しい大学キャンパスとキャンパスの中での学び方・働き方のことです。
Learning Commons inside the library of
Tec de Monterrey, Mexico
City
スマート・キャンパスの類似語は、スマート・カレッジ、スマート・ユニヴァーシティです。私のページでそれらの言葉が出てきたら、【スマート・
キャンパス】の総称と思っていただいてかまいません。コ
ワーキングとラーニング・コモンズの思想も大切だと思います。
このような、スマート・キャンパスをつくりあげてゆく主体は、従来の大学の教職員や経営者だけでありません。それに加えて学生生活の重要 な主人公である学生・大学院生・研究員そして、大学を支えてくれる市民をも巻き込んだものでなければなりません。
韓国・延世大学(YONSEI
University)のスマート大学構想。学生の生活に時間にあわせてスマート化を促進させる上手な手法です!
しかし、批判力や反省にもとづく判断力は重要です。例えば、ク ラウドリ ソースを前にした社会学者の教師は、学生に対して、そのソースの信頼性の担保をどこに求めよと教育するのでしょうか。クラウド技術のインターネットアーキ テクチャーを教えるべきでしょうか、あるいはグーテンベルグ以来の書物という情報の蓄積の歴史とデジタル化について一コマを割いて教育すべきでしょうか。 さらには、文献批判・資料批判によってテキストの確からしさの方法をきちんと身に付けるべきでしょうか。最大の問題は、クラウド・コンピューティングの時 代を空気のように吸っている学生の世代と、それを若いときに経験したことがない教師のICT理解の方法が根本的に変わっているかもしれません。
スマート・オフィスやスマート・キャンパスという定義を、市井の人々の生活の場に展開すれば、子供でも猿でも自明になりますが、スマート・シティの定義とは、ICT技術を最大限に使い、創造的な仕事や生活をストレスなく、自由に愉しく、かつ有意義 に過ごせる市民の居場所としての街のことになります。
■スマート・キャンパスについて
教室 |
ラボラトリー |
図書館 |
コモンズ |
キャンパス |
|
コンテンツ |
規制 |
規制 |
規制 |
フリー |
フリー(クラウド) |
コード |
規制 |
規制 |
規制 |
規制(一部) |
フリー |
物理空間 |
規制 |
フリー(一部) |
フリー |
フリー |
フリー |
■方法論:デザイン・ワーキング
"A design is a plan or
specification for the construction of an object or system or for the
implementation of an activity or process, or the result of that plan or
specification in the form of a prototype, product or process.
The verb to design expresses the process of developing a design. In
some cases, the direct construction of an object without an explicit
prior plan (such as in craftwork, some engineering, coding, and graphic
design) may also be considered to be a design activity. The design
usually has to satisfy certain goals and constraints, may take into
account aesthetic, functional, economic, or socio-political
considerations, and is expected to interact with a certain environment.
Major examples of designs include architectural blueprints, engineering
drawings, business processes, circuit diagrams, and sewing patterns.[1]
The person who produces a design is called a designer, which is a term
generally used for people who work professionally in one of the various
design areas—usually specifying which area is being dealt with (such as
a fashion designer, product designer, web designer or interior
designer), but also others such as architects and engineers. A
designer's sequence of activities is called a design process, possibly
using design methods. The process of creating a design can be brief (a
quick sketch) or lengthy and complicated, involving considerable
research, negotiation, reflection, modeling, interactive adjustment and
re-design."
■大学運営に計画経済性を持ち込んでいる現在 の国立大学の現状からは《国立大学は永遠に効率的生産を達成することはできない》という悲しいしかし厳しい現実的結論を得ることになります。
そのことをフリードリヒ・ハイエク(Friedrich
August von Hayek,
1899-1992)の主張から、再演してみましょう;「ランゲはワルラス流の一般均衡理論の枠組みに則って多財の需給の連立方程式の解を求めることで、
効率的な価格付けと資源配分を達成することが出来ると考えた[5]。一方ハイエクの立場はたとえそのような計算が技術的に可能であるとしても、この計算を
実施する中央計画当局は計算に必要な需給に関する膨大な情報を収集せねばならず、そのような情報の収集は不可能であるというものであった。これはその情報
量の膨大さもさることながら、計算に必要な情報は主として経済主体にとって自身しか知らない私的情報であり、現代流の言い方をすれば個々の経済主体が情報
を正しく伝達するインセンティヴを持つとは限らないからである。ハイエクは必要な情報の収集に成功し効率的な価格付けと資源配分を行えるのは分権的なメカ
ニズムとしての市場メカニズムだけであるという展望を示した
……。ハーヴィッツは1960年の論文[7]で任意の経済主体がその主体の情報のみを用いて意思決定を下すことが可能であり(情報分権性)、最小限度の情
報の交換だけで済み、かつ資源配分の効率性を満たす性質を情報効率性と定義した。そして1972年の論文[8]で競争的市場メカニズムが情報効率性を満た
すことを示した(情報効率性に関する厚生経済学の第一基本定理)。さらにジェイムズ・ジョーダンが1982年[9]に情報効率性を満たす資源配分のメカニ
ズムは競争的市場だけであることを証明した。(情報効率性に関する厚生経済学の第二基本定理)ハーヴィッツらのこの結果はある意味ではハイエクの主張を定
式化し立証したものである」経済計算論争と市場メカニズムの特性)
■メカニズム・デザイン (mechanism design)
「メ カニズムデザイン (英: mechanism design) とは経済学の一分野である。資源配分や公共的意思決定などの領域で実現したい目標が関数の形で与えられたとき、その目標が自律的/分権的に実現できるよう なルール(「メカニズム」とか「ゲームフォーム」とも呼ばれる)を設計することを目指している。言い換えれば、与えられた関数が要求する目標を、各プレイヤーの誘因を損なうことなく実現できるようなゲームを設計することをメカニズムデザインでは目指している。メカニズムデザインは経済学のなかでも特に社会選択理論および非協力ゲーム理論(noncooperative game)、さらには契約理論やマーケットデザインと密接な関係を持つ。 メカニズムは一般的に次のような基本的な性質を持つよう設計される; 正直さ(truthfulness)・ 個人の利己性・ 価格の均衡・ 公共の利益(social welfare)。 より進んだメカニズムでは、プレイヤーの談合も排除するよう設計される。 メカニズムデザインの分野での功績のほとんどは経済学によってもたらされてきたが、近年では数学、計算機科学、電気工学もこの分野で活躍している。 メカニズムデザインの一分野として、市場やオークション、組み合わせオークションの設計がある。その他にも、医学部生のインターンシップ配属に利用される安定結婚問題がある。更なる応用として、公共財の供給や最適課税の設計などについても研究されている」メカニズムデザイン)
The Stanley Reiter diagram above illustrates a game of mechanism design.
The upper-left space depicts the type space and the upper-right space X
the space of outcomes. The social choice function maps a type profile
to an outcome. In games of mechanism design, agents send messages in a
game environment . The equilibrium in the game can be designed to
implement some social choice function .
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■文献
その他の情報
Copyleft, CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1996-2099
Interior of the Vienna University Library and Learning Center (2013)
designed by Zaha Mohammad Hadid (1950-2016)- This Photo was taken by
Böhringer Friedrich. (rufre@lenz-nenning.at)
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