補完代替医療
Complementary and Alternative Medicine, CAM
解説:池田光穂
補完代替医療 (Complementary and Alternative Medicine, CAM)
米国の国立がん研究所 (National Cancer Intsitute)では、(がん患者のニーズの高い)補完代替医療は、「『標準的な医療ケア』の部分ではない、医療的産物と諸実践である(the term for medical products and practices that are not part of standard medical care)」と解説している。つまり、米国では、医師(M.D., medical doctor)と整骨治療医師(D.O., doctor of osteopathy)の学位をもつ専門家、ならびに「理学療法士、医療助手、臨床心理学者、そして看護師」がおこなう実践のみが「標準的な医療ケア」の範囲に含まれているのであり、それ以外は、実質的に全 部、補完代替医療 と呼ばれるのである。「標準的な医療ケア」 とは、生物医療、アロパシー、西洋起源の、主流をなしている、正統的な、あるいは通常の医療(biomedicine or allopathic, Western, mainstream, orthodox, or regular medicine)のことである。ここでアロパシー医療とは日本では馴染みのない言葉であるが、いわゆる西洋医学の主流の方法であり、それはホメオパシー 医療(同毒療法などといわれ一般に医学的根拠がないと証明された医療)ではないものを指している(→Complementary and Alternative Medicine, by NCI)。もっとも、北米大陸やヨーロッパ大陸では、ホメオパシー医療はとても人気があり、それは東アジアにお ける中国伝統医療と同じくらいであるということを忘れてはならない。
つまり、補完代替医療とは、主流派ではない非正統的医療のことであ る。米国の補完代替医療(CAM)と重なる部分があるにも関わらず(先に述べた)日本の統合医療は、日本の医学界にきちんと した地歩を持っているために、日本では正当性が与えられている違いがある(→Complementary and Alternative Medicine, by NCI)。
Complementary and Alternative Medicine, CAM =
Complementary medicine + Alternative medicine
Integrative medicine = (main) Integrative
medicine + effective CAM
ジョンズホプキンス大学のサイト では「伝統的代替医療」につぎの5つの療法を列挙している。つまり、(i)鍼[Acupuncture]、(ii)アーユルベーダー [Ayurveda]、(iii)ホメオパシー[Homeopathy]、(iv)ナチュロパシー[Naturopathy]、(v)中国あるいは東洋医療[Chinese or Oriental medicine]、である。これは日本の伝統的施術者にとっては噴飯物かもしれないが、米国の通常の人たちにはこのような理 解が一般的である、ということを日本の伝統的施術者はきちんと理解しておかねばならない(→Types of Complementary and Alternative Medicine, by Johns Hopkins Medicine)。
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