文化がもたらす美的機能
Anthropology for Sensual Experience and it's estetical fuction
(頓挫した研究構想)
Saint Clare intervenes to save a child from a wolf, in this panel by
Giovanni di Paolo, 1455/ Remedios Varo
(En.); Remedios
Varo (Sp.), Creación de las aves - Creation of the Birds, 1957./ Rabinal Achí, Ministère de la Culture et
des Sports du Guatemala.
本研究課題「文化がもたらす美的機能」は、グアテマラ、ホンジュラス、コスタリカ、プエルト リコの中央アメリカ3カ国とカリブにおける文化現象、とり わけ市井の人たちが経験している「政治」「信仰」「味覚」「サウンド・声」という具体的な感覚経験を、3年間にわたる現地調査にもとづいて記述し (ethnographic work)それらを「美的機能」という観点から共同研究会を通して分析することにある。1930年代東欧で生まれたチェコ構造美学における「美的機能」と いう概念を2020年代の中央アメリカ・カリブにおける上掲の4つの具体的な生活領域における民族誌記述を通して蘇らせ、日常性における生活の創造実践 (ethno-poetics)の諸相を美学・芸術学のみならず文化人類学とりわけ民族芸術学の領域における新しい方法論を提示することを目的とする。
***【詳細情報】
本研究課題「文化がもたらす美的機能」は、グアテマラ、ホンジュラス、コスタリカ、プエルト リコの中央アメリカ3カ国とカリブにおける文化現象、とり わけ市井の人たちが経験している「政治」「信仰」「味覚」「サウンド・声」という具体的な感覚経験を、3年間にわたる現地調査にもとづいて記述し (ethnographic work)それらを「美的機能」という観点から共同研究会を通して分析することにある。1930年代東欧で生まれたチェコ構造美学における「美的機能」と いう概念を2020年代の中央アメリカ・カリブにおける上掲の4つの具体的な生活領域における民族誌記述を通して蘇らせ、日常性における生活の創造実践 (ethno-poetics)の諸相を美学・芸術学のみならず文化人類学とりわけ民族芸術学の領域における新しい方法論を提示することを目的とする。
(本文)
(1)本研究の学術的背景。研究課題の核心をなす学 術的「問い」
「美的機能は個々人の生活と社会の生活の中で重要な 位置を占めている」(Jan Mukařovský, 1966)。半世紀以上も前にチェコ構造美学の泰斗が記したこの主張に、多くの人々は強い賛意を示すであろう。この研究は、「芸術」という用語の特権的な 用語法の代わりに市井の人たちが経験する「美的機能」という概念を用いて、人間生活における美的機能の多様なあり方を探求することを目的とする。私たちの 日常生活のなかで絵画、音楽、工芸、食がもたらす感覚経験におけるそれぞれの文化要素の美的機能の重要性について、私たちは常に接触し、対話や表現を通し て追体験している。この経験に形を与えるのが民族誌(ethnography)という手法である。
異文化を対象とするエスノグラファーは研究対象が 経験する状況に赴き、人びとと対話し、質問し、参与観察することを通して、共時的にも研究対象と共に経験する。それは共感と違和感が交錯するものである が、これまでの民族誌では常に切り離された経験として記述されてきた(Marcus and Fisher 1986)。そこで新鮮な「新規」の「感覚経験の美的機能」(以下、感覚経験)を取り込み、それを感覚的認知として相対的に組織化し、感覚経験の学問の対 象とすることとともに必要とされる。感覚経験を学問の対象とする方法論は、フィールドワーク、民族誌的インタビューをして、それを他の経験を記述した資料 と比較考量と参照をしながら、自ら言語的資料を中心とした資料(=エスノグラフィーや民族誌とよばれる報告書)にまとめることである。そのような本研究の 対象と分析枠組みのスキームを四象限で表現される図式であらわした。
感覚経験を民族誌的記述にまとめ、記すと、誰もが 簡単にできそうだが、エスノグラフィーや民族誌という報告書をおよそ1世紀にわたって記述してきた社会学や文化人類学の学説史を辿ると、その関心が浮上す るのは高々20年ぐらいのタイムスパンにすぎないことがわかる。1世紀というのは、1922年の2冊の書物が近代民族誌の嚆矢と言われるからである。
以上のことをまとめると、本研究課題「文化がもた
らす美的機能:中央アメリカ・カリブを対象とする感覚経験の民族誌」は、このことを、グアテマラ、ホンジュラス、コスタリカ、プエルトリコのフィールドを
専門とする研究者が、統一したサブテーマと組織化された方法論を駆使して、フィールドの人々の、政治、信仰、味覚経験、サウンド・声(=音的経験)という
生活上の経験領域をインデックスにして、相互に比較検証しようとするプロジェクトである。この学術的「問い」への探求を通して、1930年代東欧で生まれ
1960年代にようやく西欧やわが国にも知られるようになったチェコ構造美学における「美的機能」という概念を、2020年代の中央アメリカ・カリブにお
ける上掲の4つの具体的な生活領域における民族誌記述を通して蘇らせ、感覚経験という日常性における生活の創造実践(ethno-poetics)の諸相
を美学・芸術学のみならず文化人類学とりわけ民族芸術学の領域における新しい方法論を提示することを目論む。
(2)本研究の目的および学術的独自性と創造性
本研究課題の目的は、政治、信仰、味覚、サウンド・ 声という感覚経験に着目して、市井の人たちが経験する「美的機能」という用語と概念を用いて分析し、それらをメンバー全員の共同研究を通してモノグラフを 記述し、当該地域における従来の民族誌資料に感覚という美的経験の記録の書記法を確立することにある。
具体的には研究代表者と各分担者がフィールドへ赴 き、4つの領域の感覚経験が生起する場において参与観察をすることを前提とするが、状況に応じて、オンラインなどデジタル技術に依拠することも吝かではな い。本調査研究においては、中央アメリカとカリブの4か国(グアテマラ、ホンジュラス、コスタリカ、プエルトリコ)における芸術、医療、ひいては日常的実 践における感覚にまつわる社会現象の収集のためにGopherなどを使用した動態的映像記録、ナラティブ映像などを現場で再生して被調査者自身がメタ・コ メンタリーをするなど、〈感覚経験にまつわる内省〉と〈感覚経験の言語化〉手法を動員することが主眼になる。
本研究の学術的独自性とは、従来、そのような研究 課題を実行する際には、AというフィールドではXという感覚経験を調査し、BというフィールドではYという感覚経験を調査し、それらを「総合研究」と称し て、異なった地域と異なった領域の感覚経験を、〈感覚経験〉という抽象的な実体として抽出することが主眼になるのに対して、各フィールドの担当者が、政 治、信仰、味覚経験(Tellenbach 1968)、サウンド・声(音響経験)という領域のすべてについて一般的な調査(general survey)を遂行し、それらを共同研究会において、タブロー(スプレッドシート上の一覧表)の上に記述し、各々の文化要素の間の相互連関についての仮 説を行おうとするものである。本調査研究の創造性の特徴は、これらの政治、信仰、味覚経験、サウンド・声が、恣意的に選ばれたものではなく、身体性への強 度の縦軸および、個的性と相互作用の横軸のマトリクスで表現される四象限に分割される現象をとして選ばれたことである。
(3)本研究の着想に至った経緯や、関連する国内外の研究動向と本研究の位置づけ
本研究の着想にいたった経緯は、研究代表者滝が組織 した研究会等((5)で紹介)にて、池田が、多くの民族誌記述が、ジョン・オースティンの言う事実確認発語にもとづく調査記録から構成されており、エスノ グラファーの行為遂行的発語や感覚経験の記述が込められないのはなぜか?と研究会で提題したことに遡る。その席上で、滝は、エヴァンズ=プリチャード (EP)の『ヌアー族』の冒頭のヌアーの青年チュオルとEPのリニージ名称の聴取のやり取りが失敗しチュオルの「タバコをくれ」に着目し、これをEPが読 者に対して想定した〈手強い調査対象〉の表現だと理解したと解釈した、それに対して池田は、そのような通常の理解に加えて、EPの観点を読者と共有するこ とで、EPとチュオルの不機嫌な情動に関する記述や相互作用のすれ違いとして読み、法廷での尋問と比較することで、話者の心になかにどのような感覚経験が 去来するのかという別の視点を導入することで、過去の民族誌記述が現代に異なった意味として蘇ることを示唆した(感覚経験の人類学; https://bit.ly/3S4vfZH)。
さて、感覚の人類学研究とは、人間の身体の普遍性 ならびに斉一性を基準にして、感覚を含む身体経験の文化的に多様な形態を、経験的に明らかにしてきた「人間の身体に関する記述体(writing corps on human corps)」に関する先行研究の緻密な考察の上に成立するため、これまでの先行研究への言及は必須である。感覚人類学の研究は、19世紀後半より五感区 分に断割した手法を取られてきたが、諸外国では1990年代後より感覚人類学が台頭し、Paul Stollerがニジェールの魔術師との経験から得た音による感覚を示し、その後David Howes(1991)は、社会における表面的な感覚だけに焦点を当てるだけでなく、社会の深層における感覚の意味について考えることを求め、味覚 (Tellenbach 1968)や日常的実践などの問題について追求すべきだと指摘している。
本研究課題においては、芸術文化・宗教・食生活・ 社会運動・医療・フェミニズム論に着目するものの、このような活動はわたしたちの実生活と分離的になされると捉えず、人間の生命の維持のために直結し、そ のなかの情動を如実に描く。なぜなら、いずれの振る舞いにおいても、我々は、情動から離隔されることはなく、常に感覚が身体を駆け巡っているからである。 この情動とは、常にポジティブではないかもしれない。宗教上闘諍、女性であることの困難、病気に罹患したときの心の暗闇、思わぬ食物を口にしたときの驚 愕、または身近な人による妬みや嫉妬など、ざらざらとした感触の情動も含まれる。これらの経験を、本研究課題では、政治、信仰、味覚経験、サウンド・声、 日常的実践の体験の中に見出そうとするものである。これらの情動は、経験した直後から身体化され、紋切り型の言語表現のなかで、彼らの文化的レパートリー として内的に組織化されるはずだ(Merleau-Ponty 1945)。
さて、我が国では、認知行動論と民族誌研究を見事 に融合させた福島真人『学習の生態学(2022)』『真理の工場(2017)』『学習の生態学(2010)』や生田『「わざ」から知る(2007)』の諸 研究などがある。ただし、福島も生田も、我が国の研究である。その理由は感覚経験の言語化とは、認知科学上の知見に加えてフィールド調査言語における深い 言語理解が必要とされるからである。
Constance Classen(1998)は、感覚諸器官の相互作用について、ある文化の感覚モデルを理解するには、すべての感覚の相互作用をも考慮すべきだとの発想を 示している。本研究においては、感覚器官を分別せず、身体を駆け巡る諸感覚について論考することは前提的であるが、クラッセンの研究に見られる各文化内動 向に依るというバイアスにも注意を払わなければならない。本研究は、中央アメリカとカリブという異文化のフィールドが選ばれたが、その理由は、それぞれの 研究班のメンバーが長いフィールド経験と言語上の習熟を得ているからである。
(4)本研究で何をどのように、どこまで明らかにし ようとするのか
本研究における各フィールドすなわち、グアテマ ラ、ホンジュラス、コスタリカ、プエルトリコの担当者が、政治、信仰、味覚経験、サウンド・声(=音的経験)という領域のすべてについて一般調査 (general survey)し、それらを国内で開催する共同研究会において、タブロー(スプレッドシート上の一覧:作図の表参照)の上に記述し、それらの文化要素の間 の相互連関についての仮説の検証を行おうとするものである。
代表者滝は、現代デジタル化が急速するグアテマラ のケクチ、ポコムチ、アチといった先住民のマヤの人びと音的現場に赴き、儀礼や日常実践の場において参与観察をおこなう。その上でケクチ女性の音楽と呪術 の空間の重なり合いを呪術師による治癒の過程を、患者の感覚について、新しい感覚のエスノグラフィーを描く。先住民の女性活動の政治性、女性が主役とみな されてきた料理と味覚のジェンダー意識の変化についても調査をおこなう。また、これまで学術的交流のある国立サン・カルロス大学、CIRMA(中央アメリ カ研究所)、ランディバール大学などの研究者たちと活発な意見交換を行う。
池田は、被調査者をホンジュラスのメスティソ農民 とし、カトリックから信教への改宗経験を中心に、ホンジュラスの宗教土壌にかんする歴史的秩序の中に位置付けようと試みる。また現地での医療プロジェクト に過去に関わった経験から、身体的イメージや医療民族誌のなかに見られる病気と五感の経験の語彙や、その語用論を調べる。アーサー・クラインマンの「説明 モデル」を時系列の中で五感の変化を描き農民固有の経験がどのように導き出されるのかについて調査する。ホンジュラスでは中道左派の政権が2021年の選 挙で勝利し、これまで親米保守の伝統が、どのような政治的過程を経て変化していたのかについても、とりわけ情動の側面に注意し、調査を実施する。
額田は、コスタリカの首都サンホセにおいて、これ まで「白人国」のイメージを担ってきた民族的意識を感性の人類学の視点から考察する。「白色性」とは相反するものと位置付けられてきた「先住民性」に関わ るような場所(Restaurante Sikwa-Cocina Ancestral Costarricenseがテーマのレストランや、Chietón Morén-先住民アートショップ兼美術館)を「民族誌的な場所(ethnographic places)」と捉え、そこに集う人びとがどのようにプレイスメイキングを行っているのか、そこに各人の身体や感性がどのように関わっているのかを、参 与観察し、明らかにする。その際、コスタリカ大学(先住民居住区出身の学生たちによるインカレ団体Movimiento Estudiantil Indígenaの拠点)など、混沌とする場の感覚を探ることを前提とする。
牛島は、これまでのラテンアメリカ史学や政治思想
史の経験ならびに、ダンス音楽や、政治的ディスコースに焦点をあてて、ひろくプエルトリコのポピュラーカルチャーにおける日常の創造
(l'invention du
quotidien)とその感覚経験について検討する。プエルトリコはポピューラ音楽におけるレゲトン、さらには現代小説におけるスペイン語と英語のハイ
ブリッド小説であるスパングリッシュ技法の作品(e.g. G. Braschi, Yo-Yo-Boing!,
1998.)など、ラテンアメリカの若い世代の広域的な文化融合の揺籃の地であると同時に強力な発信源にもなっている点で特異な地域であるため、アフロカ
ルチャーと白人文化について、感覚経験を描出する。
(5)本研究の目的を達成するための準備状況
まず、2021年8月に滝、池田、額田らが参加する インフォーマルな研究グループ「感覚の人類学」グループを立ち上げたHP:https://bit.ly/36Ln6ab)。この3名はこれまで現在に至 るまでに過去3回の研究打ち合わせを遠隔会議でおこない、(1)なぜ感覚人類学は重要なテーマになりえるのか、(2)理論的用語の収集と解説、(3)感覚 の人類学ならびに遠隔コミュニケーションによるデジタルエスノグラフィーの可能性について、これまで検討を加えてきた。また、滝、池田、牛島らは、 2020年夏から感覚記述と美的機能についての方法論の検討会をこれまで半年ごと5回開催した。
研究代表者滝、分担者池田、牛島は、ラテンアメリ カ、北米、ならびにヨーロッパにおいて総計で20年以上、額田は10年以上に渡り、現地調査を行っており、それぞれマヤ研究、医療人類学、文化人類学、民 族音楽学、美術研究、政治思想史、フェミニズム論、地域支援・開発を専門とする4名からなる。全員が当該地域における調査経験と多数の著書・論文がある研 究者であり、スペイン語・英語でのインタビューや論文作成の能力をもっている。
滝と池田は、『音と感覚のエスノグラフィー:マ ヤ・ケクチの民族音楽学』(書誌と内容は次項を参照、以下同様)を上梓した。この著作は、滝の学位論文(2009)をベースにして、池田が『暴力の政治民 族誌』をその前年に出版したことを契機に、構成を変え、また最近の両者の研究成果を加筆したものである。グアテマラのマヤ系先住民ケクチの人びとの祭礼音 楽について、音楽人類学的な記述と解釈をおこなった民族誌的研究であるが、共著の過程で強力な社会変動のなかでも、音的経験の固有性が担保されている実証 データと、それをどのように客観化するのかというテーマに注意が注がれている。後者の池田の著作は、グアテマラの内戦時(1961-1996)の過酷な暴 力経験、葛藤にともなう変化がマヤの語りにより、再現されている。他方、額田のコスタリカの先住民ブリブリの伝統慣習法系のモノグラフ『法廷において文化 と向き合うコスタリカにおける「裁判所」の民族誌』は、日本では数えるほどしかないコスタリカの貴重な慣習法実践の民族誌である。さらに、牛島は2017 年と2022年にそれぞれ『米墨戦争前夜のアラモ砦事件とテキサス分離独立』と『米墨戦争とメキシコの開戦決定過程』の2冊の単行本を上梓した。
これらの研究者の個々の経験がこれまで継続してき
たのは、研究代表者である滝のリーダーシップとコミュニケーション能力結果である。そのため、今般の研究にも全員が実質的に開始状態あるといっても過言で
はない。
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(応募者の研究遂行能力及び研究環境)
省略
(人権の保護及び法令等の遵守への対応)
1.
本研究は、フィールドワーク(現地における参与観察と聴き取り調査)に基づいているため、参与観察、インタビュー、データの収集等において、個人のプライ
バシーに関わる情報を取得する可能性を有する。研究者全員は、およそ10年から30年以上にわたる現地調査経験を有しており、この間に築いた人的ネット
ワークに依拠しながら慎重に調査研究を進めてきた経験を活かし、プライバシーの保持には特に留意する。
2.
研究対象国であるグアテマラ、ホンジュラス、コスタリカ、プエルトリコでは研究対象者には、自らの立場・役割などから、匿名を希望することが多い。本研究
においては、調査対象者から要請がある場合はもちろんのこと、当事者に不利益をもたらす可能性があると調査者が判断した場合も情報の開示は行わない。
3. 研究情報の保護に関しては、調査対象者に文書および口頭において、事前に確認をとり、被調査者との信頼性の担保に務める。また、データを記載したフィール ドノートならびにパーソナル端末などは管理を厳格にして漏えいがないように務める。
4.
また、パフォーマンスやインタビューにおける映像音響記録に関しては各記録の使用法を十分に説明した上で、必ず関係者の承諾を書面にて得る。
5.
研究情報の保護に関しては、調査対象者に文書および口頭において、事前に確認をとり、被調査者との信頼性を確保することに努める。また、データを記載した
フィールドノートならびにパーソナル端末等は管理を厳格にして漏えいがないように努める。研究発表に関しては、個人情報と当人とが「連結可能」になる危険
性をもつ場合は、本人に照会するようにする。
6.
共同研究調査においては、直面する具体的な研究倫理上議題を定期的に取り上げ、各種
の問題に対峙し、議論の機会を設け、研究チーム全体のコンセンサスを確立する。
7. これらの調査上における個人情報の保護と、それぞれの分野としての研究上の責務に関 しては「日本文化人類学会倫理綱領」(www.jasca.org/onjasca/ethics.html);「日本社会学会倫理綱領」( http://www.gakkai.ne.jp/jss/about/ethicalcodes.php )に記載されている理念を本研究に関わるすべての人と共有するように努める。
8. 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック流行に鑑みて、電子メール、あるいはZoomやSNSメディアによる調査も、フィールドワー クが困難になったときに柔軟に利用する予定である。そのためのメディア倫理に関しても、私たち作成したHPの資料(https: //bit.ly/3pSqczA)を参考にしながら、これまでも研修をおこなってきたが、採択時には、再度、独自のメディア倫理研修をおこなうこととす る。
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「理論的備忘」と「五感についての覚書」は、「★感覚経験の人類学:リーディングス」 を参照してください。
●クレジット:旧名称「中米・カリブにおける感覚の
エスノグラフィーに関する実証研究」を改題し「文化がもたらす美的機能:中央アメリカ・カリブを対象とする感覚経験の民族誌」としました。「感覚の民族
誌」については、今後「★感覚経験の人類学:リーディングス」
にて情報を加筆修正していきますのであわせてご利用くださいませ(2022年11月25日)。
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その他の情報
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本研究は「中米・カリブにお ける感覚のエスノグラフィーに関する実証研究」研究代表者:滝奈々子の研究成果に負っている