はじめにかならずよんでく ださい

モダニスト人類学

Modernist Anthropology

解説:池田光穂

1980年代以前・以降で文化人類学のパ ラダイムは大きく変化しました。この授業では、文化人類学の歴史的流れを社会の動きの中で動態的 に理解し、文化表象学(Cultural Studies)領域において多大な影響力を与えて続けている、文化人類学の方法論・思考法・学問の社会的責務について多角的に学びます。

人類学におけるモダニスト的自覚の誕生 は、文化について書く営為における表象性の危機から、記述の問題、とくにテクスト批評や記述法と いった問題に由来します。これに対して、テキスト批判に埋没することで忘れ去られてしまう、書く側/書かれる側の権利問題を発端とする、表象の政治性や操 作性にまつわる権力の問題は、エドワード・サイードオリエンタリズム批判やスチュアー ト・ホールのヘゲモ ニーをめぐる一連の議論の影響を受けて、ポストモダン人類学(1999年度授業)に おける重要なテーマとして確立したと言えるでしょう。

この授業では1980年代以前の文化人類 学の理論上の発展、理論上の難問、隣接諸学問との影響関係などについて学びますが、訓古学的遡及 主義ではなく、ポストモダン人類学の確立以降の観点から、モダニストの最たる人類学者がどのようにその思想的・方法論的基盤を築いてきたかについてさまざ な文献を古典的な読解に抗しつつ対抗的解釈を交えて講ずるつもりです。さらに、後半では、学問のヘゲモニーにおいて圧倒的優位な状況にある欧米の人類学に 対して、日本という政治的空間において、文化人類学を学ぶ意味について根底から捉え直し、最近の日本の学界においてさまざな議論を呼んだ重要なテキストが 提示する問題(agenda)等も受講学生と共に議論したいと思います。

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  • ◆ 民族誌 的近代(ethnographic modernity)
  • ◆ ポスト モダン
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  • ◆ 文化人類学人物 群像
  • ◆ モダニスト人類学年表
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    Copyleft, CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1996-2099


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