多元化する日本社会の試練
比較的最近に作られたエートス(感覚)
05現今における外国人労働者=不法という偏見意識の形成が、日本国家の制度的システムによって国民の間に比較的最近に作られたエートス(感覚)である
「バブル期の労働力不足の時代、日本の世論は外国人労働者の存在に比較的好意的であった。けれども、第一章の「外国人排除論」でみたように、非正規 滞在者=犯罪者というキャンペーンのもとで、非正規滞在者の排除は当然であるとする考えが一般化している。しかし、社会的公正の原理および市民レベルの人 権感覚からいって、日本人は非正規滞在者の存在についての認識を改めるべきだとわたしはおもう」(駒井 2006:57)。
駒井洋「人権を重視する受け入れ体制」(第2章)『グローバル化時代の日本型多文化共生社会』明石書店、2006年