教育を受ける権利をすべての在日外国人の子どもたちに!
多元化する日本社会の試練07
07教育を受ける権利をすべての在日外国人の子どもたちに!
「国連・移住労働者の権利条約」は、子どもの教育への権利、民族教育をふくぶ文化的独自性の尊重、出身国との文化的結合にたいする権利を強調し ている。その要となるものは、移住先の言語の教育と母語の保持であると考えられる。ところで、文部省の調査によれば、日本語教育を必要とする公立小・中学 校の児童・生徒は二OO四年に一万九六七八人にたっし、その母語の分布はポルトガル語三五・七%、中国語二三・五%、スペイン語一四・九%、フィリピノ語 九・一%、その他一六・八%であった。日本語および母語の教育についてはいまだ試行錯誤中であって解決されるべき課題が山積している。/子どもの教育を受 ける権利という観点からすると、数的に上位を占めるブラジル人と中国人の子どもが、きわめて憂慮すべき状態に陥っている。そのなかでもっとも懸念されるも のが不就学の問題である。ところで、多くのばあい、不就学者の算定は外国人登録をおこなった数から学校での在籍数を減じるという方法でおこなわれている。 しかしながら、この算定法では外国人登録を残した転居者や帰国者もふくまれてしまうので、不就学者数が過大になるおそれがある」(駒井 2006:60-61)
駒井洋「人権を重視する受け入れ体制」(第2章)『グローバル化時代の日本型多文化共生社会』明石書店、2006年