- 授業コード360105 開講区分１学期曜日時限火5
- 科目名 臨床コミュニケーション I
- 科目名英Introduction to Human Care in Practice I 定員50
- 単位数2
- 担当教員 池田 光穂、西村 ユミ、西川 勝
- 履修対象全研究科大学院生、3年次以上の全学部生、社会人（10名程度）
- 開講時期第1学期＝火曜5限（4月12日〜）
- 講義室吹田キャンパス：工学部 U2-213, U2-214
- 受講人数50人
- 欠席の取り扱いとリカバーの方法についてのお知らせ
授業の目的
1.臨床コミュニケーションという人間活動に関する基本的な考え方について 理 解する。
2.さまざまなタイプの臨床コミュニケーションがもつ可能性と限界について理 解する。
3.臨床コミュニケーションに関する「知」に基づいて、日常生活におけるさま ざまなコミュニケーション不全（ディスコミュニケーション）を発見し、具体 的な解決方法（→臨床コミュニケーションデザイン）を見いだすことができる。
講義内容
【この授業のねらい】
コミュニケーションメディアがどのように発達しようとも、人間のコミュニ ケーションは対人コミュニケーションが基本にあります。臨床コミュニケー ション関連授業は、この人間の基本的なコミュニケーションの様式にまつわる さまざまな事柄について、教員の変化に富んだ事例の提示と受講生どうしの共 同討議により運営しています。
良好な対人コミュニケーション能力をつけるためには、まず対人コミュニ ケーションについて基礎から入門することが得策です。臨床コミュニケーショ ン I とII は、この授業グループの基礎的な入門編として位置づけられていま す。これら両者の間に難易度の差はなく授業の方向性が異なるだけで、どちら か１つだけの受講をしてもかまいません。
今学期の授業は15回を目標におこない、次のような内容の授業展開でおこな います。（1）コミュニケーション入門、（2）身体への気づき、（3）五感を 働かせること、（4）言語現象への介入、という４つの柱から考えます。ただ し、それぞれの順番は論理的な展開を示したものではなく、それぞれのテーマ は相互に関連しますので、順序が逆転したり、議論が重複関連しますので予め ご了承ください。
授業は、教室スペースとカリキュラムの関係により、大学院・学部学生（薬学部を除く）と薬学部高学年（必修：［薬］と表記）にわけて行います。
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01. --04月12日（火）16：20〜 担当：（合同授業）池田・西村・西川 臨床コミュニケーション入門
02. --04月19日（火）16：20〜 担当：西村「102（テー マ）」｜｜［薬］担当：池田「202（専門分野の知識と）」
03. --04月26日（火）16：20〜 担当：西村「103（テー マ）」｜｜［薬］担当：池田 「203（対人関係トラブル）」
04. --05月10日（火）16：20〜 担当：西川「104（テーマ）」｜｜［薬］担当：西村「204（テーマ）」
05. --05月17日（火）16：20〜 担当：西川「105（テーマ）」｜｜［薬］担当：西村「205（テーマ）」
06. --05月24日（火）16：20〜 担当：池田「106（よい臨床）」｜｜［薬］担当：西川「206（テー マ）」
07. --05月31日（火）16：20〜 担当：池田「107（ペルナンブコ）」｜｜［薬］担当：西川「207（テー マ）」
08. --06月07日（火）16：20〜 担当：西川「108（テーマ）」｜｜［薬］【5 -6限】担当：西村「208（テーマ）」
09. --06月14日（火）16：20〜 担当：西川「109（テーマ）」｜｜［薬］5 限 集中講義のため休講です
10. --06月21日（火）16：20〜 担当：西村「110（テー マ）」｜｜［薬］5限 集中講義のため休講です
11. --06月28日（火）16：20〜 担当：西村「111（テー マ）」｜｜［薬］【5-6限】投薬維持の戦略入門：気管支喘息の事例／：担当：池田「210
12. --07月05日（火）16：20〜 担当：池田「112（意図表現）」｜｜［薬］担当：西川「212（テー マ）」
13. --07月12日（火）16：20〜 担当：池田「113（嘘との遭遇）」｜｜［薬］担当：西川「213 （テーマ）」
14. --07月19日（火）16：20〜 担当：池田「114（まとめ）」｜｜［薬］担当：西川「214（テーマ）」
15. --07月26日（火）16：20〜 −−−最終授業−−−
担当者別テーマ：
- 04/19 池田202：専門分野の知識とクライアント分析能力と行動予 測をどのように考えるのか？
- 04/26 池田203：対人関係トラブルの患者
- 05/24 池田106：よい臨床コミュニケーションとは？
- 05/31 池田107：ペルナンブコの体罰
- 06/21 池田210：投 薬維持の戦略入門：気管支喘息の事例／ジェンダー・バトル、あるいは 〈愛の操作術〉について（キャンセル）
- 06/28 池田211：よい臨床コミュニケーションとは？
- 07/05 池田112：意図の表現について
- 07/12 池田113：嘘あるいは学術的法螺話と遭遇する
- 07/19 池田114：
テーマ別索引
- 専門分野の知識とクライアント分析能力と行動予測をどのように考えるの か？（池田光穂）
- 【当初予定のプログラム】
- 01. コミュニケーション入門（その1）
- 02. コミュニケーション入門（その2）
- 03. コミュニケーション入門（その3）
- 04. 身体への気づき（その1）
- 05. 身体への気づき（その2）
- 06. 身体への気づき（その3）
- 07. 五感を働かせること（その1）
- 08. 五感を働かせること（その2）
- 09. 五感を働かせること（その3）
- 10. 言語現象への介入（その1）
- 11. 言語現象への介入（その2）
- 12. 言語現象への介入（その3）
- 13. 臨床コミュニケーション（まとめ1）
- 14. 臨床コミュニケーション（まとめ2）
- 15. 臨床コミュニケーション（まとめ3）
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教科書特に指定しませんが、必読文献はその受講者に配布します。
参考文献毎回の授業の中で指摘するほかに、ウェブページ等で提示します。
成績評価
平常点（60％）と筆記試験（40％）を基礎にして平常点（＝質問・発話・コメ ントを通した授業の質向上への貢献）を加味して総合的に判断します。
講義で学んだことを後半の実習に反映させるために特に出席点と授業に対する 貢献度（質問やコメントを積極的におこなう）を重視します。
授業資料の解除コードは［ ］です。このコードは臨床コミュニケーション関連で使っているものと同じです。不詳の場合は
にお問い合わせください。
ティーチング・アシスタント：
臨床コミュニケーションとは、人間が社会生活をおこなうかぎり続いてゆ く、ある具体的な結果を引き出すためにおこなう対人的コミュニケーションの ことを言います。ここで言う臨床とは、狭い専門領域としての臨床（clinic）で はなくその現場における実践状況（human care in practice）のことをさします。 臨床コミュニケーション研究において、このような脱専門領域の意識を共有す ることは重要です。なぜなら、臨床コミュニケーションとは、専門家どうしの 対話のみならず、専門家と普通の人（例えば患者など）、そして日常経験の中 に生きる普通のひとどうしの対話などから成り立っているからです。
コミュニケーションの不在や失敗を、私たちはディスコミュニケーションと 呼びます。ディスコミュニケーションは良好ではないという点で、いちはやく 「問題の発見」や「改善や治療」の必要性が叫ばれます。しかし、劣悪な関係 性であれば、コミュニケーションを遮断することが最善の選択になることだっ てあるはずです。我々はコミュニケーションとディスコミュニケーションの様 式を深く学び、それらを上手に操ることも必要なのです。良好なコミュニケー ションを目指す人は、ディスコミュニケーションについての深い理解が不可欠 です。（→ディスコミュニケーションの定義と理論）
■本講義では
このような「知」のあり方を自覚するために、様々な専門領域の大学院生ど うしの討論をおこないます。各自が専門領域以外の者と円滑にコミュニケー ションを図る能力、プレゼンテーション能力、および社会的判断力を身につけ ることを通して、ディスコミュニケーションを解消するための具体的なスキル の学習を目指しています。
■具体的には
異文化間、医療現場、紛争の現場における臨床コミュニケーションの特徴と 課題を理解するとともに、参加者が自分たちの生活の場面からディスコミュニ ケーション事例を持ち寄り、そのプレゼンテーションと解決のための討論を通 して、各領域におけるコミュニケーションの可能性と限界を明らかにします。 そして、この臨床コミュニケーションの将来の課題を皆さんとともに模索して ゆきます。
■さらに学びたい人は
第１学期に開講されている「ディスコミュニケーションの理論と実践」、第 ２学期に開講する「臨床コミュニケーション II」「現場力と実践知」がありま す。また夏期集中講義「医療対人関係論」では、この授業のより具体的で先進 的なかたちで受講することができるでしょう。より少人数で、テーマを絞った グループ討論で、学びを深めることができます。
■教員（＝池田）とのコミュニケーション
メールアドレス：
ツイッターへの質問： http://twitter.com/GenTarumi あるいはツイッターで 「友だちを検索」で GenTarumi 探す。
この授業関係のツイットにはハッシュタグ #CSCD を付けてくださると助かります（無しでもＯＫ）。なお、ツイッターユーザーでかつハッシュタグを直接検索するリンクはこちらです［http://twitter.com/#search?q=%23CSCD ］
キーワード臨床コミュニケーション、ディスコミュニケーション、人間の相互理解、臨床 知、実践知、現場力
