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公的資金の取り扱い方に関する「常識」について知ろう！

Let's get to know some "common sense and/or research ethics" about how to handle public funds!

池田光穂

わが職場では、定期的に「公的研究費の取扱いに関す る理解度チェックシート」を配布し、公的資金を得ている各研究者にチェックをさせている。このチェックシートは文部科学省の「研究機関における公的研究費 の管理・監査のガイドライン」ならびに、大阪大学「研究費の不正使用に係る再発防止策」という行動指針に従うものである。この「公的研究費の取扱いに関す る理解度チェックシート」は、研究者の公的資金の公正な使途にとって有益な情報を含んでいる。幸い著作権上の問題も無く、かつ情報が公的な目的に叶ってい るために、その文章を一部加工して下記にしめす。

■研究費の不正使用について

• １）競争的資金では、支払いできないものを消耗品に品名替えし、支払いをすること、たとえそれが研究に使用する場合であっても、研究費の不正 使用になります。
• ２）出張費の二重受給（例えば、大学及び他機関から受給）があった場合、競争的資金等の不正使用にならないよう、どちらかの出張費を返還する 必要がありますが、どんな公的研究費でも、いつの時点でも（翌年度以降でも）返還手続きが可能です。
• ３）研究費の不正使用とは、実態の伴わない虚偽の書類（納品されていない納品書、実際の納品物品と異なる物品の納品書、実体のない謝金の実施 済報告書、勤務実績がない勤務時間記録簿など）を作成することにより、不正に研究費を支出させることです。
  

■不正使用に関する処罰

• ４）競争的資金等を不正に使用した場合、不正に使用した研究費に対して、研究費を最初に受領した日から最終の返還の日まで、年率10.95％ の加算金を加えて返還しなければなりません。
• ５）不正使用による返還金（元本＋加算金）は、たとえ全額を研究に使用した場合であっても、その返還金は個人負担（大学が管理している経費か らは支払えない。）となります。
• ６）競争的資金等を不正に使用した場合、不正に使用した本人以外の共同研究者（研究代表者・分担者）にもペナルティが課せられる場合がある。 これを連座制［れんざせい］と言います。
• ７）「競争的資金の適正な執行に関する指針」（競争的資金に関する関係府省連絡会の申し合わせ）が改正され、不正使用を行った研究者に対する 応募資格の制限（ペナルティ、処罰）が２年から５年であったものが、改正後１年から１０年になり、より厳罰化･適正化されました。
  

■再発防止策について

• ８）学術研究業務を遂行する上での行動の基準を定めた「国立大学法人大阪大学における競争的資金等の使用に関する行動規範」(平成20 年9 月16 日作成)があります。［→以下よりｐｄｆファイルにリンクする形で配信：http://www.osaka-u.ac.jp/ja/research/fuseiboushi　］
• ９）研究費の適正な運営・管理を行うため「国立大学法人大阪大学公的研究費不正使用防止計画」（平成23 年4 月1 日付け改正）を定めています。［→以下よりｐｄｆファイルにリンクする形で配信：http://www.osaka- u.ac.jp/ja/research/fuseiboushi　］
• １０）大阪大学では平成22 年度に研究費等の不正使用があったことから、平成23 年4 月に「再発防止策」を策定し、周知徹底を図っている。→リンク先「ある組織での研究費の不正使用事例に対する組織の対応」　http: //www.cscd.osaka-u.ac.jp/user/rosaldo/110427mikeda.html
• １１）預け金・品名替防止の観点から、教員が発注する全ての購入物品（休日納品や直送品を含む）について、事務部門による納品事実の確認が必 要です。
• １２）科研費の繰越手続きが、以前の手続きよりも簡単になりました。
• １３）研究費使用ハンドブック（2011年版）を全教職員に配布していますが、記載している研究費の使用ルールは、研究費毎に異なる点があり ます。［→以下よりｐｄｆファイルにリンクする形で配信：http://www.osaka- u.ac.jp/ja/research/fuseiboushi　］
• １４）出張旅費について、出張の事実を確認するものとして出張者に求めている証拠書類等の提出は、出張者の不正使用防止に寄与しています。 （だから、その義務を遵守する必要があるだけではなく、その意義について熟知しないといけないことになります）
• １５）科研費で未使用残額が生じた場合でも、文部科学省等へ返還でき、未使用額の有無がその後の審査や交付に影響することはありません。
  

■事務と教員の連携

• １６）各部局には日常的な使用ルールの相談窓口が設けられており、部局相談窓口で分からないことがあれば、各部局事務部から本部事務機構の各 担当課または不正使用防止計画推進室に問合せができる仕組みがあります。また、その仕組みを活用しなければなりません。
• １７）公的研究費の不正使用に関する通報窓口が監査室があります（これは公益情報の通知による諸法令：『公益通報者保護法』平成18年施行： 下記に一部引用しています）
  

■内部告発者の法的保護

「（目的）第一条　この法律は、公益通報をしたこと を理由とする公益通報者の解雇の無効等並びに公益通報に関し事業者及び行政機関がとるべき措置を定めることにより、公益通報者の保護を図るとともに、国民 の生命、身体、財産その他の利益の保護にかかわる法令の規定の遵守を図り、もって国民生活の安定及び社会経済の健全な発展に資することを目的とする。（定 義）第二条　この法律において「公益通報」とは、労働者（労働基準法（昭和二十二年法律第四十九号）第九条に規定する労働者をいう。以下同じ。）が、不正 の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的でなく、その労務提供先（次のいずれかに掲げる事業者（法人その他の団体及び事業を行う個人 をいう。以下同じ。）をいう。以下同じ。）又は当該労務提供先の事業に従事する場合におけるその役員、従業員、代理人その他の者について通報対象事実が生 じ、又はまさに生じようとしている旨を、当該労務提供先若しくは当該労務提供先があらかじめ定めた者（以下「労務提供先等」という。）、当該通報対象事実 について処分（命令、取消しその他公権力の行使に当たる行為をいう。以下同じ。）若しくは勧告等（勧告その他処分に当たらない行為をいう。以下同じ。）を する権限を有する行政機関又はその者に対し当該通報対象事実を通報することがその発生若しくはこれによる被害の拡大を防止するために必要であると認められ る者（当該通報対象事実により被害を受け又は受けるおそれがある者を含み、当該労務提供先の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある者を除く。 次条第三号において同じ。）に通報することをいう」（『公益通報者保護法』平成18年施行）。

Article 1 The purpose of this Act is to protect whistleblowers by providing for the invalidity, etc. of dismissal of whistleblowers on the grounds of whistleblowing and for measures to be taken by business operators and administrative agencies with respect to whistleblowing, and to ensure compliance with the provisions of laws and regulations concerning the protection of the lives, bodies, property and other interests of citizens. The purpose of this Act is to contribute to the stability of the lives of the citizens and the sound development of the social economy. （Article 2 The term "whistleblower" as used in this Act means a worker (meaning a worker as defined in Article 9 of the Labor Standards Act (Act No. 49 of 1947). The same shall apply hereinafter). Article 2 The term "whistleblower" as used in this Act means a worker (meaning a worker as defined in Article 9 of the Labor Standards Act (Act No. 49 of 1947); hereinafter the same shall apply. The same shall apply hereinafter) (i) A business operator (meaning a business operator (meaning a corporation or other organization and an individual who conducts a business. The same shall apply hereinafter.) (i) The labor supplier or a person predetermined by the labor supplier (hereinafter referred to as the "labor supplier, etc.") shall report the fact that the Reportable Fact has occurred or is about to occur to the labor supplier, its officers, employees, agents, or other persons engaged in the business of the labor supplier (hereinafter referred to as the "labor supplier, etc."), or to any of the following persons (iii) The labor supplier or a person predetermined by the labor supplier (hereinafter referred to as the "Labor Supplier, etc.") has notified the Company of the fact that the Reportable Fact has occurred or is just about to occur. The same shall apply hereinafter) or a recommendation, etc. (a recommendation or other action that constitutes a disposition. (2) The person who has been designated in advance by the labor supplier (hereinafter referred to as "Labor Supplier, etc.") The same shall apply hereinafter.) (i) A person for whom it is deemed necessary to report the Reportable Fact to an administrative agency or person who has the authority to make a disposition (meaning an order, revocation, or other act that constitutes the exercise of public authority; the same shall apply hereinafter) or recommendation, etc. (meaning a recommendation or other act that does not constitute a disposition) with respect to the Reportable Fact, in order to prevent the occurrence or spread of damage caused thereby (including persons who have been or may be damaged by the Reportable Fact and whose competitive position or other legitimate interests of the labor supplier concerned are likely to be impaired) (ii) A person who is deemed necessary to prevent the occurrence or expansion of damage due to the subject matter of the report. The same shall apply in item (iii) of the following Article). The term "whistleblower" refers to a person who is recognized as a person who is a victim of the subject fact (including a person who is harmed or threatened with harm by the subject fact and excluding a person who is likely to harm the competitive position or other legitimate interests of the labor supplier).

■クレジット

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■リンク

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