かならずよんで ね!

ダナ・ハラウェイ

Donna Haraway, 1944-

池田光穂

This Donna's story is based on https://en.wikipedia.org/wiki/Donna_Haraway, please refer the orinal site on D. Haraway.

彼女の自称はこれまで「スポーツ記者の娘」「アリストテレス主義者たちに学んだ者」「マルクスとフロイトに改宗した者」「魂にカトリック教育の消せない刻印をされた者」「ダーウィンの忠実な娘」「イヌにかまけた者」(波戸岡  2013:157)

■コンパニオン仮説(犬と人間の——)

「犬がなぜ人間の家畜になったのかについて一般的な 説明は2つあり、それは、犬(狼)の狩猟能力の高さを人間が認め飼い馴らしたのだという説と、狩人たち(当時は、農耕はまだなかった)が食べ残した肉や骨 などを恐れることなく近づいて来て、狩人たちに自発的になつくようになったという説、である。この2つの仮説は、犬と人間がともに狩猟肉 に依存する生活をしていた競争者であったために、お互いに協力しあうことで結果的にウィン=ウィンの関係になったという点で、これらを統合する説明を、ダ ナ・ハラウェイ(Donna Haraway, 1944- )のコンパニオン仮説という」(→「さあ犬の肉を食べよう!」)

コンパニオン・スピーシズの問題系

「日本語の翻訳者たちがひねり出した夫婦や「つが い(番)」(=動物のカップル)をさす「伴侶(はんりょ)」の訳語は、いっけん適切のようにみえるが、ダナの理論から見るとじつは誤解を招くものである- ---そもそも漢字が人偏(にんべん)(!)である。それは、ダナが、人間と動物あるいは人間と機械の間の関係について長年考察してきた学術的な趣旨と大 きく相反するからである。コンパニオン・スピーシーズという語は、たしかに日本語では、犬と人間は仲が良くまるで「伴侶」のような関係だと言いたい気持ち になる。しかし、それはハラウェイの論法にしたがうと、人間の男女とりわけ夫婦の「よい」関係性を想起してしまう点でイエローカード(=誤解を招く翻訳) なのである」(→「コンパニオン・スピーシズの問題系」)

●ドナ・J・ハラウェイ

「ドナ・J・ハラウェイは、カリフォルニア大学サン タクルーズ校の意識史 部門およびフェミニスト研究部門の名誉教授で、科学技術研究の分野で著名なアメリカ人学者である。また、情報技術とフェミニズム理論の交差点に貢献し、現 代のエコフェミニズムの代表的な研究者でもある。人間中心主義を批判し、非人間的プロセスの自己組織化能力を強調し、それらのプロセスと文化的実践の間の 不協和な関係を探求し、倫理の源を再考している[2]。

ハワイ大学(1971-1974)、ジョンズ・ホプ キンス大学(1974-1980)で女性学と科学史を教え、1980年からカリフォルニア大学サンタク ルーズ校の教授となり、アメリカで最初のフェミニズム理論の終身教授となった[4]。1990年から1996年まで、フェミニスト理論家のリン・ランドル フとの共同研究に参加。フェミニズム、科学技術、政治意識、その他の社会問題に関連する具体的なアイデアへの取り組みが、ハラウェイの著書 『Modest_Witness』のイメージと物語を形成し、1999年に科学社会研究協会(4S)のルードヴィク・フレック賞を受賞した[6][7]。 また、1992年に科学、知識、技術に関するセクションから『Primate Visions』でRobert K. Merton賞を授与されている。現代科学の世界におけるジェンダー、人種、自然[8]。

略歴

生い立ち

1944年9月6日、コロラド州デンバーに生まれ る。父フランク・O・ハラウェイは『デンバー・ポスト』紙のスポーツライター、母ドロシー・マクガイア・ ハラウェイはアイルランド系カトリックの出身で、ハラウェイが16歳の時に心臓発作で亡くなっている[9]。聖体拝領の印象は、彼女の具象と物質の結びつ きに影響を与えた[10]。

教育

コロラド大学で動物学を専攻し、ベッチャー奨学金を 得て哲学と英語を副専攻した[12]。 大学卒業後、パリに移り、フルブライト奨学金を得てテイヤール・ド・シャルダン財団で進化哲学と神学を学んだ[13] 1972年にイェール大学で博士号(生物)を取得、実験生物学における実験の形成におけるメタファーの使用について論文「The Search for Organizing Relations」を執筆。後に『Crystals, Fabrics, and Fields』というタイトルで書籍化されている。20世紀の発生生物学における有機主義のメタファー[15]。

その後の仕事
ハラウェイは、いくつかの奨学金を得ている。冷戦と戦後のアメリカの覇権主義を暗示するように、彼女はこれらについて、「...私のような人間は、国家的 な科学の取り組みにおいて国家的資源となった。つまり、アイルランドのカトリックの女の子の頭脳まで教育できるお金があった」[16] 1999年、ハラウェイは科学社会研究会(4S)のルドウィック・フレック賞を受賞。2000年9月には、科学社会研究学会への「卓越した貢献」に対し て、同学会の最高栄誉であるJ・D・バーナル賞を受賞している[17]。

ハラウェイの論文では、「Situated Knowledges: フェミニズムにおける科学問題と部分的視点の特権」(1988)において、彼女は科学的客観性の神話を暴露することを意味する。ハラウェイは、すべての知 識は位置的な視点から来るということを理解するための手段として「位置的知識」という言葉を定義した[19]。私たちの位置性は、関心のある対象について 知ることが可能であることを本質的に決定する[19]。 [この説明責任がなければ、研究者のコミュニティの暗黙の偏見や社会的なスティグマは、仮定や仮説を構築するための基本的な真実にねじ曲げられる [19]。

Primate Visions: 1989年に出版された『霊長類のヴィジョン:現代科学の世界におけるジェンダー、人種、自然』(ラウトレッジ社)は、霊長類研究および霊長類学に焦点を 当てたものである。「私の望みは、常に斜に構え、時に倒錯的な焦点を当てることで、違い、特に人種や性の違い、生殖、特に世代や子孫の多重性、生存、特に 歴史の起源と終焉の両方の境界条件において想像される生存について、西洋の複雑なジャンルの伝統の中で語られてきた基本的で根強い物語の修正を促すこと だった」[22]......。 [22] 現在、ドナ・ハラウェイはアメリカ合衆国のカリフォルニア大学サンタクルーズ校の意識史学部とフェミニスト研究部の名誉教授である[23] 彼女はパートナーのラステン・ホグネスとサンフランシスコの北に住んでいる[24] 。2017年のサラ・フランクリンとのインタビューで、ハラウェイが集団的思考とあらゆる視点を取り入れる意図について言及している。"それほど体系的な ものではないが、ちょっとしたリストがある。白人ばかりを引用していないか、先住民を消していないか、人間以外の存在を忘れていないか、などに気がつくの だ。意図的に気づく。ほんの少しも注意を払ってないことに気づく.私は、昔ながらの不器用なカテゴリーに目を通すんだ。人種、性別、階級、地域、セクシュ アリティ、ジェンダー、種。私は注意を払う。しかし、これらのカテゴリーが重要な働きをしていることは確かである。私は、ある種の、警戒システム、内面化 された警戒システムを開発した」[25]」(→「霊長類学の文化政治バイアス」より)。

以下は年譜(おさらい):

1944 Donna Jeanne Haraway was born in 1944 (9月6日)in Denver, Colorado. Haraway's father was a sportswriter for The Denver Post and her mother, who came from a heavily Irish Catholic background, died when Haraway was 16 years old.(父の親のスポーツライターのエピソードは『種が出会う時』『伴侶種宣言』などに記載されている)

ca. 1960 High school years: Haraway attended high school at St. Mary’s Academy in Cherry Hills Village, Colorado.

1960 (アイルランド系のカソリック教徒の)母の他界

ca. 1964 University life Haraway triple majored in zoology, philosophy and literature at the Colorado College.Haraway, How Like a Leaf (2000), p. 12.

ca. 1964- After college, Haraway moved to Paris and studied evolutionary philosophy and theology at the Fondation Teilhard de Chardin on a Fulbright scholarship

1970 She completed her Ph.D. in biology at Yale in 1970 writing a dissertation about the use of metaphor in shaping experiments in experimental biology titled The Search for Organizing Relations: An Organismic Paradigm in Twentieth-Century Developmental Biology, later edited into a book and published under the title Crystals, Fabrics, and Fields: Metaphors of Organicism in Twentieth-Century Developmental Biology (1976).

1976 Crystals, Fabrics, and Fields: Metaphors of Organicism in Twentieth-Century Developmental Biology,

1985 "Manifesto for Cyborgs: Science, Technology, and Socialist Feminism in the 1980s", Socialist Review 80 (1985): 65–108

1988 "Situated Knowledges: The Science Question in Feminism and the Privilege of Partial Perspectives", Feminist Studies 14.3 (1988): 575-599.

1989 Primate Visions: Gender, Race, and Nature in the World of Modern Science, Routledge: New York and London, 1989.

1999 winner of the Ludwik Fleck Prize, 1999

1990-1996 Haraway participated in a collaborative exchange with the feminist theorist Lynn Randolph

1991 Simians, Cyborgs and Women: The Reinvention of Nature, New York: Routledge, and London: Free Association Books, 1991 (includes "A Cyborg Manifesto").

1997 Modest_Witness Second_Millennium.FemaleMan©Meets_OncoMouse™: Feminism and Technoscience, New York: Routledge, 1997 (winner of the Ludwik Fleck Prize, 1999).

1999 How Like a Leaf: A Conversation with Donna J. Haraway, Thyrza Nichols Goodeve, New York: Routledge, 1999.

2000 Haraway was awarded the Society for Social Studies of Science's highest honor, the J. D. Bernal Award, for her "distinguished contributions" to the field

2003 The Companion Species Manifesto: Dogs, People, and Significant Otherness, Chicago: Prickly Paradigm Press, 2003.(→「狗類学ノート」)

2007 When Species Meet, Minneapolis: University of Minnesota Press, 2007.(→「狗類学ノート」)

2016 Staying with the Trouble: Making Kin in the Chthulucene, Durham: Duke University Press, 2016.

2016 Manifestly Haraway, Minneapolis: University of Minnesota Press, 2016.

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クレジット:池田光穂「思想家ダナ・ハラウェイを理解する努力の過程で直面するさまざまな困惑について」2017年11月14日

リンク

文献

その他の情報

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