サブ・カルチャーとマイノリティ
Concept of
Transcultural Nursing, 07/10
サブ・カルチャーとマイノリティ
国や地域別の文化の特徴は対象者を理解す るためには基礎的な知識となるが、そうした文化も多様性を抱えている。例えば日本国内においても、東北地方と九州地方では食べ物や価値観などが異なり、ま た、年代によっても考え方は変わってくる。こうした国や地域別に捉えられる大きな文化、すなわちメジャー・カルチャーに対してより小さなレベルでの文化集 団をサブ・カルチャーと呼ぶ。
サブ・カルチャーとは、近年の日本におい ては漫画やアニメなど趣味性の高い文化を主にさすが、本来はある社会で主流であるメジャー・カルチャーに対して、少数民族や下層階級などが有する文化のこ とを指した。すなわち一見一様に見える社会においても、多様な文化が存在すること、そしてそこに注目していくことでより「社会」の理解を深めるための概念 である。よって個人をより個別的に理解するためには、サブ・カルチャー、そしてマイノリティ、という視点が重要となってくる。
ここでいうマイノリティとは社会的少数者 のことであり、必ずしも実数上の少数とは限らない。例えば女性は社会の半分を構成する多数者ではあるが、社会的には雇用や賃金における格差があったり、家 庭内において育児や家事を主に担当するなど弱い立場に置かれることが多いため、マイノリティに含まれる。
代表的な社会的マイノリティとしては子ど も、女性、高齢者、障がい者、一人親家族などがあげられ、民族的マイノリティとは在留外国人、その国における少数民族などがあげられ、性的マイノリティと してはLGBTQ(LGBTI)と呼ばれる人々などがあげられる。彼・彼女たちはいずれもその属性に合わせて細やかな対応が必要であるが、一部の社会的マ イノリティに対しては看護においても専門性を持ったケアが提供されている。例えば子どもの発達段階に合わせた遊具や絵本などを取り入れてケアを提供する小 児看護や、高齢者特有の身体機能の衰えや彼らが若い頃に流行った音楽などを使ったケアを行う老人看護などである。そこで今後わが国においてもさらに重要性 を増してくると思われる、民族的マイノリティと性的マイノリティについて以下に取り上げることとする。
5 異文化看護を知る
9 性的マイノリティ
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学習目標
練習問題
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