はじめによんでください

性的マイノリティ

Concept of Transcultural Nursing 09/10

池田光穂

性的マイノリティ

性的マイノリティとしては近年LGBTQ という言葉が使われるようになった。LGBTQとはレズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)、トランスジェン ダー(性同一性障害を含む、生まれ持った性・性役割と性自認が異なる人)、クエスチョニング(性自認や性的指向が定まっていない人)といった多様なセク シュアリティを持つ人々の総称である[→LBGTI]。こうした性的指向(性愛の対象がどのような人に向くかということ)は本来パーソナルな事柄であるた め、公表していない人も多いが、例えば本人が希望すれば病状説明を「家族」に行う場合にそこに同性パートナーを含める、あるいは外見と実際の性別が異なる 場合、患者を確認する際に多くの人がいる前ではフルネームで呼ばない、入院時に男女別の病室を設定している場合、患者自身の性自認と違う部屋に割り当てな い、といった本人の意思を尊重した対応が求められる。また卵巣や精子に影響を与える治療を行う場合、生物学的性別に沿った治療を行う必要があったりと、い くら本人の性自認を尊重すべきとはいえ、治療やケアに大きく影響してくる場合には専門的な判断が必要となる。さらに、LGBTQの人々は社会からの理解が 不足していることから、自殺のハイリスク集団であることが知られている。そこでこうした性的マイノリティの人々への配慮もケア専門家として重要となってく る。

Copyleft, CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1996-2099

看護人類学入門

池田光穂