国民医療ないしは国家医療の誕生
Birth of National State Medicine
帝国医療と国民医療の関係
帝国医療:
コスモポリタン医療(=近代医療)と人種主義の結合
生物医療のグローバルレベルでの実践
帝国医療拾遺:/帝国医療という修辞/いまなぜ、帝国医療か?
/帝国医療の予感/帝国医療の問題系に関するメモ/「グローバル化する近代医療 医療は帝国的権力か?」/帝国と医療/帝国医療の問題系/帝国医療とラテンアメリカの身体/グローバル化する近代医療と民族医学の再検討/帝国医療:医療界のルークはどこに?/日本帝国医療年表/近代日本における未完のプロジェクト:帝国医療/グローバル化する近代医療と民族医学の再検討////////////////
◆帝国の内部で生まれた国民医療としてのアーユルベーダ
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【スーパーニッポニカの記述】 アーユルベーダ A-yur-veda
インドの伝承医学。アーユルは長寿、ベーダは知識という意味で、生 命(健康)の科学であ る。発祥はおよそ3000年前で、四つのベーダのうちもっとも新しい『アタルバ・ベーダ』Atharva-vedaのなかには数多くの医薬が登場す る。……(略)……紀元前500年ごろに合理経験医学として完成された。
『アーユルベーダ』では三つのドーシャDosa'、すなわち…… (略)……医師は食事指 導を第一とする。現在インドでは100を超す5年制の大学でこれの教育と研究が行われており、卒業と同時にバイディヤVaidyaの称号が与えられ、西洋 医とともにインド医療の担い手となっている。
〈幡井 勉〉(C)小学館
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この中には、アーユルベーダの歴史的伝統のみが解説されて、それが現在どのような形でインドの国民医療になったのかという認識が欠けてい る。(→民族医療概念構築の歴史性)
◆チベット医学はどうだろうか?
チベット医学の隆盛とチベットの中国からの分離独立運動やチベット仏教を中心とした文化政策。
『ユトク伝』とチベット医学復興運動(→『アジア・レビュー』における草の根復興運動と日本の国際協力) トム・ダマー『チベット医学入門——ホリスティック医学の見地から』井村宏次訳、1991・春秋社
◆チェック項目
古代ギリシャ医学としての「ヒポクラテス医学」、「アラビア医学」「ユナニ医学」「コプト医学」「ベトナム医学」「中医学」「東医学(韓医 学)」
◆中医学
1949年当時から毛沢東は中医と西洋医学(西医)を併存させるという政策を打ち出していた(らしい。要証拠)。 1970年ころに中国で鍼麻酔による手術が成功