漫画を 文化人類学的に研究する!
How do I
anthropologically study on MANGA?
テーマ:漫画を文化人類学的に研究するには・・
池田光穂です。
漫画を文化人類学的に研究したい君の 構想の下書きを拝見しました。どうもありがとう。一言で いうと、思弁的で 先行研究にもとづく証拠固めがされていないので、一見 稚拙に見えるようなレジュメです。下記の助言に従って あなたの知識を整理し直してください。
(1)
まず、漫画を研究対象にする場合、最初の手続きは、 「漫画の定義」です。先行研究における漫画の定義を めぐる複数の議論を、君じしんが論評すること、これが 第一点。定義に関しては少なくとも1ダースはあるかと思います。
(2)
次に「漫画の歴史」です。これは、古色蒼然とした 文化史研究の蓄積がベースになるでしょう。しかし、これらの研究は とにかく漫画のルーツを鬼のように収集するという点ではすばらしく、 この研究をおこなう人には避けて通ることができない 関門です。漫画の歴史についての基本的文献は最低リスト アップしていないと、常識を疑われます。 ただし、発展史観はもう流行りませんし、漫画の多様性の拡大という 単純なビジョンでも馬鹿にされるでしょう。大切なのは 歴史から批判的に学ぶ姿勢がないと、どんな研究も終わり ちゅうことでしょう。ということで漫画の歴史の蘊蓄の知識を増強することです。
(3)
そして・・
「漫画を研究する具体的な方法論」についての列挙(リストアップ)ですね。 内容分析などの作品解釈は、主に文学系の研究方法論に影響を 受けています。社会史的アプローチは、作品と時代との相互の 影響関係を問いかけますから、作者のライフヒストリーや 社会経済的時代背景の理解を尊重します。作画やドラマツルギー などの分析には、少し前に流行った構造分析などのような 神話研究(レヴィ=ストロース)や民話の構造分析(プロップ) あるいは精神分析(アラン・ダンデス)などがあります。最近では 精神分析ではナラティヴに着目するアプローチもあります、これは 漫画研究で応用した人はいないのでは?(→「ナラティヴ研究」)
もちろん、読者が 物語に没入する際のアイデンティティ構築について萌芽的に 考えた卒業生のTさんのような研究もありましたね。
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とにかく、君が知っている範囲でかまいません。また先行研究から の孫引きでも結構です。文献リストを充実して、それぞれの 文献がどのような意味をもっているのかをきちんと整理すること。
そして、持っている文献/読んだ文献/未読だが重要と考える文献/ 未読だがそれほど重要ではないと思われる文献/等に、あたまの 中できちんと分類できていないとなりません。 *** 時間がないので、要領よく資料を整理して すこしでも「ガクジュツテキ」なレジュメを作成してください。
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