練習問題
Enim
ordinis exercitium propositum meum communem, cuius est titulus
"Political violentiam et vim patiens bellum criminalibus"
第I部 証言—破壊
第1章 暴力はひとりひとりに何をもたらしたか pp.34-
第2章 種子の破壊 pp.67-
第3章 共同体への攻撃 pp.79-
教科書:歴史的記憶の回復プロジェクト編『グアテマ ラ:虐殺の記憶』東京:岩波書店、2000年
リンク:︎Guatemala:Et quo ad rei publicae, non ad
violentiam?▶︎中米先住民運動と政治的アイデンティティ▶︎︎科研報告書22401011(pdf)▶政治的暴力についての様々な諸相︎▶︎︎池田光穂『暴力の政治民族誌』▶︎琉球人遺骨返還運動と文化人類学者の反省▶︎︎▶︎▶︎︎▶︎▶︎
第1章 暴力はひとりひとりに何をもたら したか pp.34-
1. 人権弾圧において受ける人びとの苦しみを列挙しなさい
2. 人権侵害はなぜ社会統制の戦略として可能になったのか?(p.35)
3. なぜ選択的な人権弾圧がおこなわれるのか?
4. 抵抗の共同体がなぜできたのか、解説しなさい。(pp.39-)
5. なぜ軍隊は残虐な暴力を生きている者のみならず死後の遺体にも行使したのか?(→リンク先:閲覧注意です(死体の一部の写真があります) "American mutilation of Japanese war dead")
6. ミルナ・マック事件について事実関係をまず先に整理しなさい(pp.40-1)。
7. ミルナ・マック事件において軍がその隠蔽工作に積極的に関与した状況証拠を列挙しなさい。
8. 自警団(PAC)とは何か?
9. ゲリラもまた軍隊と同様な暴力装置だと言えるような具体的な証言をpp.42-44の中からを選び出しなさい。(pp.52-、 pp.64以降も参照せよ)
10. 証言5449(p.44-5)や証言9909(p.62)には、暴力の恐怖に屈服しない緩やかであるが確かな倫理観のようなも のが見られる(すくなくとも設問者にはそう思える)。そのようなことが、いかにして可能になるのか? その後の編者の説明も参照にしながら、考察しなさ い。
11. 暴力について証言する者が感じる4つの恐怖(a.b.c.d., pp.46-48)をあげ、整理しなさい。また、それらのカテゴリー別の恐怖の相互関係についても考察しなさい。
12. 虐殺を被った地域において自殺の頻度が上がるという指摘(p.49)がなされている。喪の中絶というテーマを通して編者たちは 何を言いたいのであろうか?
13. 先住民の人たちにとって、遺体の損傷や不完全な埋葬はどのような意味(心の痛み)をもつのか? なぜ、そのような意味づけをす るのであろうか説明しなさい。
14. 軍隊の『対反乱鎮圧マニュアル』には、遺体の即時処理が指示されているのであろうか?(答えはp.54)。
15. 失踪は、殺害と同様に肉親を苦痛に苛ませる。殺害とは異なるこの苦痛の理由を説明しなさい(p.56)。また、当局の対応は、 肉親の苦痛をさらに押し広げたが、それはなぜか?(pp.57-)
16. 失踪者の遺体を発掘し、その身元をなぜ明らかにしないとならないのか? その理由を考えなさい(答えのヒントはp.58)。
17. 死者に鞭打つ(「犠牲者非難 Victim blaming」という)ということは、文字通り二重の苦しみに苛ませることである。このケースにおける犠牲者非難の様態について、具体例をあげて解説し なさい(pp.59-62)。
第2章 種子の破壊 pp.67-
18. なぜ子供は内戦の犠牲者にもっともなりやすいのか? その理由をあげなさい。
19. 子供を殺すという行為が、未来(=可能性)を抹殺すると表現されるのはなぜか?
20. 軍隊組織はなぜ子供を含む共同体を殲滅することを繰り返し主張していたのか?(p.69)
21. 子供たちは直接暴力の対象になったが、それを免れた子供たちは、難民化の過程の中で間接的な犠牲者になったことが示唆されてい る(p.72)。それは何か?
22. 人権弾圧の犠牲者は、自らの生存のために自分の子供を犠牲にすることもあった。このような行為は倫理的に責められるべきもので あろうか? (→別の側面から、自分たちの生存のために虐殺命令に服従した兵隊は倫理的に責められるべきだろうか?)
23. 内戦時における子供のサバイバルを保障するには、どのような対策が講じられるべきだったのか? あるいは、どのような対策を講 じてゆくべきなのか?
第3 章 共同体への攻撃 pp.79-
24. 家産の破壊が、その財産の破壊以上に象徴的破壊・人びとのアイデンティティの破壊につながったと指摘されている。それはなぜ か?(pp.79-)
25. 共同体の首長等が選択的殺害の対象になったのは、なぜか?
26. 共同体の首長等が選択的殺害の後に、軍隊はどのような権威構造を社会に打ち立てようとしたのか? またそれらは、軍人が支配す る国家にとって、どのような戦略的意味があったのか?
27. 社会が敵味方に分かれる(p.83)と表現されているが、共同体というのは、多かれ少なかれ敵味方に分かれるものではないの か? もし、暴力的状況が、共同体を崩壊させるだけの異常な事態を引き起こしたのなら、なぜ、そうなったのか? 考えなさい。(ヒント:共同体のもうひと つの特徴として「相互扶助」というものがあげられる)
28. PACとは何か?(p.85)再確認してください。
29. 暴力による混乱は、共同体の宗教構造をどのように変化させたか?(pp.87-91)
30. キチェ司教区はなぜ軍部の弾圧を受け閉鎖に至らざるをえなかったのか? その経緯を解説しなさい(pp.90-1、他に pp.37-9「抵抗の共同体」を参照)。
31. 伝統を破壊するということはどのようなことをさすのか?(pp.91-93)
32. 崩壊した社会をどのように再構築してゆくべきなのか? みなさんの考えや提案について考えてください。(「破壊した経路」を逆 にすれば可能になるという安直な社会工学的発想は、ここでは論証されていないものとします)。
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クレジット:練習問題(グアテマラの政治的暴力について考える):Ejercicio para
comprender mi clase, titulado "Violencia
política y violencia criminal de guerra", Enim ordinis exercitium propositum meum
communem, cuius est titulus "Political violentiam et vim patiens bellum
criminalibus"
付録
May
22, 1944 Life Magazine Picture of the Week, "Arizona war worker writes
her Navy boyfriend a thank-you-note for the Jap skull he sent her"
【リンク】
【出典】歴史的記憶の回復プロジェクト 編、2000『グアテマラ 虐殺の記憶』飯島みどり他訳、東京:岩波書店。
現代暴力論2002 授業を理解するチェックポイ ントII
このページとこれにリンクする以下の ページは、現代暴力論2002の教科書を使って予習と復 習をするための資料ページです。ここに掲げてある教科書は、現在市販されており、また一般の図書館でも収書——入っていない場合は収書してもらうようにリ クエストしよう!——されているものですので、この授業を受けなくても自学自習のための資料になります。
【教科書】歴史的記憶の回復プロジェ クト編、2000『グアテマラ 虐殺の記憶』飯島みどり他訳、東 京:岩波書店