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カーツワイル批判序説

 A Critique against hoaxing of  Ray Kurtzweil's "Technological Singularity"

解説:池田光穂

第1章 六つのエポック

第2章 テクノロジー進化の理論—収穫加速の法則

第3章 人間の脳のコンピューティング能力を実現する

第4章 人間の知能のソフトウェアを実現する—人間の脳のリバースエンジニアリング

第5章 衝撃…

第6章 わたしは技術的特異点論者だ

特異点(シンギュラリティ)論 者カーツワイルによる脳がコンピュータと異なる点は以下のように表 される。

"Singularitarianismシンギュラリティ主義) is a movement defined by the belief that a technological singularity—the creation of superintelligence—will likely happen in the medium future, and that deliberate action ought to be taken to ensure that the singularity [can] benefit humans." - Singularitarianism. Lev Grossman, 2045: The Year Man Becomes Immortal: We're fast approaching the moment when humans and machines merge. Welcome to the Singularity movement, Time, Thursday, Feb. 10, 2011.

脳が(従来の)コンピュータと異 なる点(カーツワイル 2007:175-180

■ シンギュラリティ思想礼賛と「到来の時期の比定」への批判

シンギュラリティを最初に予言したのはコンピューティングの父フォン・ ノイマンである】

シ ンギュラリティをレイ・カーツワイル(Ray Kurzweil, 1948- )[別項のパラグラフ参照]で表象するのは、AI思想の歴史を考えるときに根本的に誤解(=misrepreseuntation)を引き起こす。英国の 数学者、アーヴィング・ジョン・グッド(アイ・ジェイ= I. Jey, "Jack") (1916-2009)が1965年に書いた論文のなかに、「超高性能マシン」こそが人類の生き残りにかかると託宣めいた論文に書いたことがきっかけであ る。実際にグッドは、2001, Space Odyssey (1968) にコンサルタントとして関わっていた。科学とSFが出会う場所が、ボブ・グッチョーネ創刊による雑誌『オムニ』(Omni, 1978-1995) である。この雑誌において、SF作家、ヴァーナー・ヴィンジが、シンギュラリティ(特異点)と、グッドがいう、計算機による知能爆発を、こう呼んだのであ る。しかし、人口に膾炙した、この特異点のまえに、さらに重要なことがあることを私たちは忘れてはいけない。電子計算機(コンピュータ)の父[=ノイマン 型コンピュータ思想の父と呼ぶべきか]、フォン・ノイマン(Neumann Jáno; John von Neumann, Margittai Neumann János Lajos, Johannes Ludwig von Neumann, 1903-1957)こそが、その用語をつかって、予言めいた発言をしていたのである。

ジョ ン・フォン・ノイマンは、同僚であったスタニスラウ・ウラム(Stanislaw Ulam, 1909-1984) とかつて話している時に、人類は根本的な「シンギュラリティ」に達しており、その後の人間の世は永遠に変わってしまうと予言めいて話し手いたという。 (Ulam, S., 1958. John von Neumann, Bulletin of the American Mathematical Society 64(3, Part.2):1-49.)

■"Quite aware that the criteria of value in mathematical work are, to some extent, purely aesthetic, he once expressed an apprehension that the values put on abstract scientific achievement in our present civilization might diminish: "The interests of humanity may change, the present curiosities in science may cease, and entirely different things may occupy the human mind in the future." One conversation centered on the ever accelerating progress of technology and changes in the mode of human life, which gives the appearance of approaching some essential singularity in the history of the race beyond which human affairs, as we know them, could not continue" (Ulam, 1958:5).