はじめによんでください

グローバル・イシューズと先住民

UN Sustainable Development Goals and World Indigenous Peoples

池田光穂

グローバルな先住民運動は、グローバリゼーショントランスナショナリズムの 諸理論に挑戦を突きつけている。グローバルな先住民運動は、上から課されたものでもなければ、大衆運動として下から盛り上がったものでもない。また、ナ ショナルやエスニックといったカテゴリーにうまく収まるものでもない。むしろ、それは、主権への要求から、文化の再活性化のためのプログラムにいたるまで の、さまざまな社会運動と挑戦とをもたらす。(重要なことは)……グローバルな先住民性の源泉である多様性と偶然的な歴史を、分析者がどうすれば尊重しうるか、という問題である——アナ・ツィン(2006)翻訳はたぶん中川敏さん

The global indigeneity movement poses a challenge to theories of globalization and transnationalism. It was not imposed from above nor mobilized from below as a mass movement. It is neither comfortably "national" nor comfortably "ethnic." Instead, the movement brings together diverse campaigns and challenges, ranging from demands for sovereignty to programs for cultural revitalization. -- Anna Lowenhaupt Tsing, 2006, at Osaka University, Japan.


このページは、科学研究費補助金・基盤(B)「先住民の視 点からグローバル・スタディーズを再構築する領域横断研究(KAKEN)」(課題番号:18KT0005)の資料編です。このページの上位の親 ページは「先 住民の視点からグ ローバル・スタディーズを再考する」にあります。

このページを読むためには「先住民(先住民族ともいいます)」「グローバル・スタディーズ」「先住民の権利に関する国際連合宣言(2007年)」(→サイト内タグジャンプ)について、あらかじめ理解しておく必要が あります。

【研究実績の概要】Summary of Research Achievements

本研究は、日本と海外を研究 対象地域として、先住民が実践している(1)「遺骨や副葬品等の返還運動」、博物館における先住民による文化提示の際の敬意への要求といった(2)「文化 復興運動」、および先住民アイデンティティの復興のシンボルとなった(3)「先住民言語教育運動」という、3つの大きなテーマの現状を探る。この現象は、 世界の均質化が引き起こすグローバル化現象とは異なり、グローバル化現象が先住民をして自らのアイデンティティを再定義し、国民国家が求める同化政策に抗 して、言語的文化的多様性を担保しつつ、国家との連携や和解を求める動きとして捉えられる。グローバル文脈のなかで、先住民をエージェンシーと捉えれば、 実践者としての研究者が先住民との研究倫理的枠組みが変化する。先住民による先住民ための学としての新しい「先住民学」の教育の場をデザインできるような 知識基盤コミュニティの構築をめざす。
【研究実績の概要】Summary of Research Achievements

本研究は、日本と海外を研究対象地域として、先住民が実践している (1)「遺骨や副葬品等の返還運動」、博物館における先住民による文化提示の際の公開禁止や返還要求といった(2)「文化復興運動」、および先住民アイデ ンティティの復興のシンボルとなった(3)「先住民言語教育運動」という、3つのテーマの現状を探る。この現象は、世界の均質化が引き起こすグローバル化 現象とは異なり、グローバル化現象が先住民をして自らのアイデンティティを再定義し、国民国家が求める同化政策に抗して、言語的文化的独自性とその多様性 を担保しつつ、国家との連携や和解を求める動きとして捉えられる。グローバル文脈のなかで多数派や抑圧者を指し示す「名指し」行為のエージェンシーとして 先住民を捉えれば、国家領域のなかで自らの権利回復をめざす少数集団と[多数派]の新しい連携関係の形態も可能となる。そこでは実践者としての研究者が先 住民との研究倫理的枠組みも当然変化するはずである。先住民による先住民ための学としての新しい「先住民学」の教育の場をデザインできるようなカリキュラ ム開発とそれを実装可能にするような大学院教育課程のモデルつくりも可能になるはずだ。グローバルな文脈の中で多数派を「名指す」という実践を把握するた めに文献的資料、各種メディアによる二次情報資料ならびにフィールドワーク調査に基づく一次資料の収集をおこなう。(1)「遺骨や副葬品等の返還運動」、 (2)「文化復興運動」、(3)「先住民言語教育運動」に着目し、このような情報を収集する。最終的には、人類学を含めた人文社会科学の脱植民地化のため のプロジェクトとして本研究課題を位置づけ、個々の研究プロジェクトを総合する。


 先住民が外部の人を「名指し」する言葉の中には、敵意・反感・服従・ 差別などの対抗的な概念が付与されており、国民国家に先住民が包摂されてもコロニアルな関係が今なお継続していることは明白である。本研究では太田 (2017)の立論に依りこの「名指し」をローカルな人種や民族として捉える(=再定義する)ことをやめ、その名指しをコロニアリズムへの反省へと照射 し、他者と相対するための倫理の構築学として構想することをめざす。これは、人類学を含めた人文社会科学の脱植民地化のためのプロジェクトとなる。また名 指しという活動を把握するために文献的資料、各種メディアによる二次情報資料そしてフィールドワーク調査に基づく一次資料の収集をおこなう。このような情 報を実際に観察できる3つの領域の実践行為先住民の(1)「遺骨や副葬品等の返還運動」、(2)「文化復興運動」、(3)「先住民言語教育運動」に着目 し、「先住民の視点からの名指し行為」が、従来のグローバル・スタディーズがもつ先住民像に反省と変更をもたらすという仮説を、先行研究の文献渉猟と フィールド調査により明らかにすることが本研究の実施計画の骨子である。

 具体的には[担当者名]、(1)-(a)遺骨等返還運動に関連する学問と先住民からの要求の位相[池田・瀬口・加藤・丹菊・辻]、(2)-(b)言語復 興運動と先住民の社会的地位[太田]、(2)-(c)博物館展示をめぐる政治的交渉[辻・山崎]、(2)-(d)博物館における文化を表象する権利の動き [石垣]、(2)-(e)先史考古学と近隣コミュニティの関係[関]、(3)-(f)アイヌ言語復興運動の現状と課題[丹菊]、(3)-(g)博物館にお ける言語提示とその継承[細川]、(3)-(h)言語教育運動と文化復興運動との接続[石垣・太田]、という8項目に分類され、すべての項目に検証を加え てゆくものとする。


 調査対象地域は、日本(北海道・琉球)、北米、台湾、中南米、ロシア、オーストラリアの先住民地域であり、代表者ならびに分担者が知悉し、かつ調査対象 者ならびに現地研究機関と良好な関係が保たれている地域である。また、本研究調査においては、調査対象との関わりにおいて、研究倫理要綱について研究対象 者に理解可能な言語で準備し、調査項目のなかに「相対=あいたいの倫理」に関する対話項目を盛り込み、調査研究におけるインフォームド・コンセントが取れ る態勢を整備する。それらの合意は文章や録音による保存再生可能な情報として保持する。

 研究の目的で示したように、上記調査計画に従い、代表者ならびに分担者は「先住民学」の教育の場をデザインできるような知識基盤コミュニティの構築に関 する各人の提言書を実施計画の終了までに作成するものとする。
【現在までの進捗状況】Current Status -> progressing rather smoothly

2018年度は、文化人類学や博物館学の観点から、先住民(先住民族) からの遺骨返還要求が提起する倫理的問題に、遺骨を直接扱ってはこなかった人類学の下位領域(文化人類学や言語学など)がどう「当事者」としてこの問題に 応えるかを、シンポジムや研究発表などを通して考えた(太田・池田)。また米国のモンタナ州の2つの大学とハワイ州の大学にて、言語復興運動の聞き取り や、北米先住民遺骨副葬品返還法(NAGPRA)に関する情報収集や、現地大学生とのワークショップを通して意見交換をした(瀬口)。研究倫理指針に関し て海外における事例の資料収集を行うとともに、いくつかの研究会においてアイヌ民族あるいは台湾先住民の遺骨や文化遺産返還に関する事例、それを可能にす る政治理論、さらには言語運動に関する報告したり参加している(池田、山崎、辻、石垣)。ヨーロッパならびにオセアニアにおけるアイヌ遺骨の保管状況や文 化遺産返還、あるいは言語学についての資料調査を実施したり、成果の一部を学会や研究集会で報告した(加藤、丹菊、細川、石垣)。

【2019年度実績】
2019年11月20日から24日までカナダ・バンクーバーで開催されたアメリカ人類学会大会で、本研究課題に関する(1)日本における先住民遺骨返還請 求運動、(2)先住民の文化提示と博物館の役割、(3)先住民考古学における事物の世界流通に関して、研究班のそれぞれ、(1)太田・瀬口・池田、(2) 山崎、(3)加藤、がそれぞれのパネル分科会を組織し発表した。また参加者との議論ならびに情報交換に努めた。これらの発表の成果は次年度の Japanese Review of Cultural Anthropology 等に投稿する計画をたてている。そのための研究会を開催して内容を精査検討した。辻は、文化アプローチによるマイノリティ文化用語の可能性について文献調 査を継続している。丹菊はユジノサハリンスクで開催された先住民の言語文化シンポジウムにおいてアイヌ語継承運動についての発表をおこなうと共に、教材絵 本『ラッコパッコ』制作運動に関わり言語研修をおこなった。関は、ペルー・インガピルカ遺跡をめぐる先住民考古学とツーリズムならびに文化管理の政治的調 整に関わり民族誌資料を収集しつつある。石垣は台湾中央研究院、国立政治大学原住民族研究センターにて国立原住民族博物館建設に向けた動きの政府審議をは じめブヌン社会の民族文化と言語教育について調査をすすめている。池田は上記の活動のほかに、韓国文化人類学会において、アイヌならびに琉球の遺骨返還請 求運動に関する研究発表をおこなった。年度末には、遠隔会議を実施し年度内活動の報告会ならびに、先住民学カリキュラム構想にむけて情報交換をおこなっ た。

【2020年度実績】
当初計画では、令和2(2020)年度 は、(A)この研究班のそれぞれの研究分野における、先住民(先住民族)を対象とする現在の研究倫理要綱の情報を入手 し、先住民を研究対象とする調査研究の際に、どのような新たな課題が生まれるのか、また、グローバルな比較研究の中で、より一般性を持たせるためにはどの ような観点の導入が必要なのかを、全員で検討する、というものであった。また、その成果を踏まえて、(B)令和元(2019)年度から着手している、先住 民学 のシラバス構成について、アイヌ・先住民学専修を参照にしつつ、個別の授業科目のモデル・シラバスを各人、1あるいは2科目つくり、それらを総合した先住 民学入門の確立と定着をめざす提言をして、研究の区切りをつける計画であった。しかしながら、新型コロナウイルス感染流行と、それに伴う政府や大学機関に よる国内外への移動制限や、オンラン会議化への移行措置のために、研究計画は、それぞれの研究班員の個別業績の蓄積にとどまり、当初計画を完遂することが できなかった。ただし、研究班がかかわる、国立のウポポイ(民族共生象徴空間)の開館、先住民学のさらなる研究拠点形成のための共同研究事業や市民向けの セミナー、琉球遺骨返還運動への関わりを通して、本研究課題をさらに進展させるためのさまざまな動きがあった。そのために、研究最終年度をさらに1年延長 し、オンラインによるイベント事業や報告書等をまとめるための年度にするために、準備を進めた。そのため、(A)研究倫理を整備することについては、オン ラインイベント開催をもって、その成果を報告し、(B)モデルシラバスに関しては、年度内に報告会を開催し、研究班の有志による報告書のとりまとめを計画 す るという合意を得た。

【2021年度実績】
令和2(2020)年度末をもって、研究代表者・池田と分担者・瀬口を除き、研究分担者の研究を終了した。研究を当該年度で終了した業績に関しては最終報 告でとりまとめる。令和3(2021)年度の池田は先住民を研究対象とする調査研究の倫理について考察すると共に先住民学のシラバス構成について、アイ ヌ・先住民学専修を参照にしつつ、個別の授業科目のモデル・シラバスのためのカリキュラム試案をつくりそれぞれの成果をウェブで公開した。瀬口は、明治以 来のアイヌ遺骨収集、1980年に本格的に始まったアイヌの遺骨返還要求、政府の遺骨返還指針に至るまでの歴史を中心に調査し、アメリカのNAGPRAの 歴史を交えながら調査内容をまとめた。とりわけ、米国でのNAGPRA施行後の30年の間に研究者と先住民はお互いに信頼関係の構築に努め、先住民が提案 するリサーチクエスチョンに基づき協働研究を続けており、NAGPRAによる返還は研究を阻止したわけではなく、隣接分野も含めた脱植民地化の過程にある ことが明らかにされた。またそれらの成果を第91回アメリカ生物人類学会大会でのシンポジウムEthics in the Curation and Use of Human Skeletal Remainsにおいて瀬口は発表した。池田と瀬口は京都地裁で公判中であった琉球遺骨返還請求訴訟団の主催するシンポジウムに参加し、脱植民地化に貢献 しつつある米国のNAGPRAの経験から、日本における遺骨返還の停滞が打開される可能性について議論をもった。それにより日本の人類学会や考古学協会 が、調査対象になっている先住民や地域住民に対して、人道的配慮を欠き、未だ研究優先の傾向があることが明らかになった。

先住民の視点からグローバル・スタディーズを再構築する領域横断研究」 (2018年度〜2020年度)
Cross-boundary Studies of Rethinking of Global Studies from the Indigenous people's points of view

【今後の研究の推進方策】Planning for the Future Work

当初予定にあるように、[担当者名]、(1)-(a)遺骨等返還運動に 関連する学問と先住民からの要求の位相[池田・瀬口・加藤・丹菊・辻]、(2)-(b)言語復興運動と先住民の社会的地位[太田]、(2)-(c)博物館 展示をめぐる政治的交渉[辻・山崎]、(2)-(d)博物館における文化を表象する権利の動き[石垣]、(2)-(e)先史考古学と近隣コミュニティの関 係[関]、(3)-(f)アイヌ言語復興運動の現状と課題[丹菊]、(3)-(g)博物館における言語提示とその継承[細川]、(3)-(h)言語教育運 動と文化復興運動との接続[石垣・太田]で今後とも遂行する。本年度の末には、研究会をもち、参加者には中間報告を求め、総合討論し、とりまとめにむけて 調整する予定である。

【キーワード】

先住民 博物館・大学 言語・文化復興運動 文化遺産返還運動 遺骨副葬品返還運動 先住民学・先住民教育 ポストコロニアリズム(→ポストコロニアル).
第24回(通算194回)研究会のご案内
●日時:2020年6月24日(水)10:30〜12:00(場合により延長12:30まで)
●場所:オンライン開催 (Web会議システムZOOMを利用)
話題提供者:瀬口典子先生(九州大学大学院 比較社会文化研究院・准教授)
●お話いただくテーマ:「人種優劣」と植民地主義につながった自然人類学と遺骨返還問題
●内容:~ご紹介いただいた池田先生からメッセージ~
これまでの自然人類学という研究分野でおこなわれてきたことのうち、人骨研究などの目的で墓場から研究者が持ち去られた倫理問題が議論され、また、適切な 形で、関係者に返還すべきであるという動きがあります。日本は、この問題への対処においては「後進的」状態にあります。どうしてでしょうか? そのこと を、瀬口さんのご専門である自然人類学、学問的には有効とは言えない「人種」の概念、そして、世界でおこってきた/おこなわれつつある遺骨返還運動などに ついてご紹介していただきます。3,40分程度の発表の後に、コメント(池田)をして、質疑応答、そしてみんなで議論します。(文責:池田)
なお、この発表は、科学研究費補助金・基盤(B)「先住民の視点からグローバル・スタディーズを再構築する領域横断研究(KAKEN)」(課題番号: 18KT0005)の研究成果広報活動のひとつであることを付記させてください。

Department of Economic and Social Affairs, Indigenous Peoples


Haida artist Bill Reid, shown carving a sculpture, earned widespread recognition and a prominent position in the renaissance of Northwest native art. (Chuck Stoody/The Canadian Press)
William Ronald Reid Jr. OBC RCA (12 January 1920 – 13 March 1998) (Haida) was a Canadian artist whose works include jewelry, sculpture, screen-printing, and paintings.[1] Producing over one thousand original works during his fifty-year career, Reid is regarded as one of the most significant Northwest Coast artists of the late twentieth century.[2]

He was a matrilineal descendant of K'aadaas Gaa K'iigawaay,[3] who belong to K_ayx_al, the Raven matrilineages of the Haida Nation. This matrilineage traces its origins to T'aanuu Llnagaay.[4][5] His names are Iihljiwaas (Princely One), Kihlguulins (One Who Speaks Well), and Yaahl SG_waansing (Solitary Raven).[6]

Some of his major works were featured on the Canadian $20 banknote of the Canadian Journey series (2004–2012).
ウィリアム・ロナルド・リード・ジュニア OBC RCA(1920年1月12日 - 1998年3月13日、ハイダ族)はカナダのアーティストで、ジュエリー、彫刻、スクリーンプリント、絵画などの作品を制作した[1]。 50年のキャリアで1000以上のオリジナル作品を制作したリードは、20世紀後半における北西海岸の最も重要なアーティストと見なされている[2]。

彼はハイダ族のカラス族の母系であるK'aadaas Gaa K'iigawaayの子孫であり[3]、K_ayx_alに属している。この母系はT'aanuu Llnagaayを起源とする[4][5]。 名前はIihljiwaas(プリンスリー・ワン)、Kihlguulins(よく話す者)、Yaahl SG_wansing(ソリタリー・レイブン)である[6]。

代表作のいくつかは、カナダの旅シリーズの20ドル紙幣(2004年〜2012年)に掲載された。
William Ronald Reid Jr., was born in Victoria, British Columbia; his father was American William Ronald Reid Sr., of Scottish-German descent[7] and his mother, Sophie Gladstone Reid, was from the Kaadaas gaah Kiiguwaay, Raven/Wolf Clan of T'anuu, more commonly known as the Haida, one of the First Nations of the Pacific coast.[8] However, Reid was raised without knowledge of his Haida heritage due to the oppressive measures of the Indian Act.[2]

When Reid was in his early twenties, he visited his ancestral home of Skidegate for the first time since he was an infant. He desired to connect with his relatives and his Indigenous identity, later commenting that "in turning to his ancestors, in reclaiming his heritage for himself, he was . . . looking for an identity which he had not found in modern western society."[2][9] In Skidegate Reid spent time with his maternal grandfather, Charles Gladstone, a traditional Haida silversmith.[2] Gladstone first taught Reid about Haida art, and through him, Bill inherited his tools from his great-great-uncle Charles Edenshaw, a renowned artist who died the year Reid was born.[10][11]

In 1944, Reid married his first wife, Mabel van Boyen. In 1948, the couple moved to Toronto, where Reid further developed his keen interest in Haida art while working as a radio announcer for CBC Radio and studying jewelry making at the Ryerson Institute of Technology. During his spare time, he made regular trips to the Royal Ontario Museum and admired the carved Haida pole installed in the main stairwell, which originated from his grandmother's village of T'aanuu.[2] Upon completing his studies, Reid made his first Haida-inspired piece of jewelry, a bracelet resembling the ones he saw his maternal aunt wear when he was a child.[2]

In 1951, Reid returned to Vancouver, where he eventually established a studio on Granville Island. He became greatly interested in the works of Edenshaw, working to understand the symbolism of his work, much of which had been lost along with many Haida traditions. During this time Reid also worked on salvaging artifacts, including many intricately carved totem poles, which were then moldering in abandoned village sites. He assisted in the partial reconstruction of a Haida village in the University of British Columbia Museum of Anthropology.

Working in the traditional forms and modern media (usually gold, silver and argillite), Reid began by making jewellery. He gradually explored larger sculptures in bronze, red cedar and Nootka Cypress (yellow cedar), usually portraying figures, animals, and scenes from Haida mythology. He intended to express his ancestors' visual traditions into a contemporary form.[12]
父親はスコットランド系ドイツ人のアメリカ人ウィリアム・ロナルド・ リード・シニア[7]、母親は太平洋岸の先住民族であるハイダ族として知られるトアヌーのカダース・ガー・キグワアイ、カラス・オオカミ一族のソフィー・ グラッドストーン・リードである。 しかし、リードはインディアン法の圧迫によりハイダの伝統を知らないまま育てられた[2]。

20代前半の頃、リードは幼児期以来初めて先祖代々の故郷であるスキッドゲートを訪れる。彼は親族や先住民のアイデンティティとのつながりを求め、後に 「先祖に目を向け、自分の遺産を取り戻すことで、彼は......現代の西洋社会では見出せなかったアイデンティティを探し求めている」とコメントしてい る[2][9]。 「スキッドゲートでリードは母方の祖父でハイダの伝統的な銀細工師であるチャールズ・グラッドストンと過ごした[2]。グラッドストンが最初にリードにハ イダの芸術を教え、彼を通じてビルは大叔父でリードが生まれた年に亡くなった有名な芸術家のチャールズ・エデンショーから道具を受け継いだ[10] [11]。

1944年、リードは最初の妻であるメイベル・ヴァン・ボイエンと結婚した。1948年に夫婦でトロントに移り、CBCラジオのアナウンサーとして働きな がら、ライアソン工科大学でジュエリー制作を学び、ハイダ美術への強い関心をさらに深めた。余暇にはロイヤル・オンタリオ博物館を定期的に訪れ、大階段に 設置されている祖母の村T'aanuuに由来するハイダの彫刻が施されたポールを鑑賞していました[2] 学業を終えたリードは、ハイダに影響を受けた最初のジュエリー、幼い頃に母方の叔母が身につけていたものに似たブレスレットを制作した[2]。

1951年にバンクーバーに戻ったリードは、グランビルアイランドにスタジオを構える。彼はエデンショーの作品に大きな関心を持ち、多くのハイダの伝統と ともに失われてしまった彼の作品の象徴性を理解しようと努めた。この間、リードは、複雑な彫刻が施されたトーテムポールなど、廃墟となった村の中で眠って いた遺物の回収にも取り組んでいます。ブリティッシュ・コロンビア大学人類学博物館にあるハイダ族の村の一部復元に協力した。

伝統的な形と現代的な媒体(通常は金、銀、アルギライト)を用いて、リードはまずジュエリーの制作から始めた。その後、ブロンズ、レッドシダー、ヌートカ サイプレス(イエローシダー)を使った大型の彫刻を制作し、人物や動物、ハイダ神話の一場面を表現するようになりました。彼は、祖先の視覚的伝統を現代的 な形で表現することを意図していた[12]。
Reid's most popular works are three large bronze sculptures. Two depict a canoe filled with human and animal figures: one black, The Spirit of Haida Gwaii, is at the Canadian Embassy, Washington, D.C., in the United States; and one green, The Jade Canoe, is at Vancouver International Airport, in British Columbia.[13] The third sculpture, Chief of the Undersea World, depicts a breaching orca and is installed at the Vancouver Aquarium. Plaster casts of these sculptures are held by the Canadian Museum of History in Gatineau, Canada.[13]

His 1965 painting Smallpox is exhibited at the Canadian Museum of History.[14]


リードの作品の中で最も人気があるのは、3つの大きなブロンズ像です。 2つはカヌーに人や動物を乗せたもので、黒い『The Spirit of Haida Gwaii』はアメリカのワシントンD.C.のカナダ大使館に、緑の『The Jade Canoe』はブリティッシュ・コロンビア州のバンクーバー国際空港にある[13]。 3つ目の彫刻『Chief of the Undersea World』は逆さシャチで、バンクーバー水族館に設置されている[13]。これらの彫刻の石膏模型は、カナダのガティノーにあるカナダ歴史博物館が所蔵 している[13]。

1965年に描いた『Smallpox』はカナダ歴史博物館に展示されている[14]。
Reid received many honours in his life, including honorary degrees from the University of British Columbia, the University of Toronto, the University of Victoria, the University of Western Ontario, York University, and Trent University. He received the National Aboriginal Achievement Award, the Indspire Awards, for Lifetime Achievement in 1994, and was made a member of the Order of British Columbia and an Officer of France's Order of Arts and Letters.[15] He was made a member of the Royal Canadian Academy of Arts.[16]

On 30 April 1996 Canada Post issued 'The Spirit of Haida Gwaii, 1986-1991, Bill Reid' in the Masterpieces of Canadian art series. The stamp was designed by Pierre-Yves Pelletier based on the sculpture The Spirit of Haida Gwaii (1991) by William Ronald Reid in the Canadian Embassy, Washington, United States. The 90¢ stamps are perforated 12.5 x 13  and were printed by Ashton-Potter Limited.[17]

Two of his sculptures, The Raven and the First Men and Spirit of Haida Gwaii, are prominently featured on the $20 note in the Bank of Canada's new Canadian Journey (2004) issue, paired with a quotation from author Gabrielle Roy.[18]
リードは生涯に渡り、ブリティッシュコロンビア大学、トロント大学、ビ クトリア大学、ウェスタンオンタリオ大学、ヨーク大学、トレント大学から名誉学位を受けるなど、多くの栄誉に浴した。1994年には生涯功労賞であるナ ショナル・アボリジニ・アチーブメント賞、Indspire Awardsを受賞し、ブリティッシュ・コロンビア勲章とフランス芸術文学勲章のオフィサーとなった[15]。また王立カナダ芸術アカデミー会員となった [16]。

1996年4月30日、カナダポストがカナダ芸術の傑作シリーズで「The Spirit of Haida Gwaii, 1986-1991, Bill Reid(ハイダグワイの精神)」を発行した。この切手は、アメリカ・ワシントンのカナダ大使館にあるウィリアム・ロナルド・リードの彫刻「The Spirit of Haida Gwaii」(1991年)をもとに、ピエール=イヴ・ペレティエがデザインしたものである。90セント切手は12.5 x 13のミシン目で、Ashton-Potter Limitedによって印刷された[17]。

彼の彫刻作品『The Raven and the First Men and Spirit of Haida Gwaii』の2点は、カナダ銀行の新しい『Canadian Journey』(2004年)の20ドル紙幣に、作家ガブリエル・ロイの引用文と対になって大きく掲載されている[18]。
Reid participated in the blockades of logging roads which helped save the rain forests of Gwaii Haanas (South Moresby). He stopped work on the sculpture in Washington during this period to protest the destruction of the forests of Haida Gwaii. At the time Bill Reid was alive the archipelago was called the Queen Charlotte Islands. In 1981, he married Martine de Widerspach-Thor (Mormanne), a French anthropologist.

Having dedicated the later part of his life to the creation of new works and these tasks of curation, Reid died on 13 March 1998, of Parkinson's disease, in Vancouver. In July 1998 friends and relatives paddled Lootaas, a large cedar canoe carved by Reid for Expo 86, on a two-day journey along the Pacific coast to bring his ashes to Tanu Island in Haida Gwaii, the site of his mother's village of New Clew.
グワイ・ハーナス(サウスモレスビー)の熱帯雨林を守るため、伐採道路 の封鎖に参加したリード。彼はこの時期、ハイダグワイの森林破壊に抗議するため、ワシントンの彫刻の制作を中止している。ビル・リードが生きていた当時、 この群島はクイーン・シャーロット諸島と呼ばれていた。1981年、フランスの人類学者マルティーヌ・ド・ウィデルスパッハ=トール(モルマンヌ)と結 婚。

人生の後半を新しい作品の制作とキュレーションの仕事に捧げたリードは、1998年3月13日、パーキンソン病のためバンクーバーで死去した。1998年 7月、友人や親戚が、万博のためにリードが彫った大きな杉のカヌー「ルータス」を漕いで、太平洋岸を2日間かけて走り、彼の遺灰を母親の村、ニューク リューのあるハイダグワイ島のタヌ島に運んた。
https://en.wikipedia.org/wiki/Bill_Reid

︎新しい「先住民学」の提唱▶︎▶︎︎▶︎▶︎︎▶︎▶︎︎▶︎▶︎︎▶︎▶︎

国連のグローバル・イシュー(global issues Overvies, by UN

先住民族1の権利に関する国際連合宣言(仮訳)
アイヌ(樺太アイヌを含む)ならびに琉球民族と協働しておこなう研究倫理に関するチェック項目(出典はこちら
先住民族1の権利に関する国際連合宣言(仮訳) 国連総会第 61 会期 2007 年 9 月 13 日採択 (国連文書 A/RES/61/295 付属文書)

 【前文第 1 段落】
 総会は、国際連合憲章の目的および原則、ならびに憲章に従い国家が負ってい る義務の履行における信義誠実に導かれ、
 【前文第 2 段落】 すべての民族が異なることへの権利、自らを異なると考える権利、および異な る者として尊重される権利を有することを承認するとともに、先住民族が他の すべての民族と平等であることを確認し、
 【前文第 3 段落】 すべての民族が、人類の共同遺産を成す文明および文化の多様性ならびに豊か さに貢献することもまた確認し、
 【前文第 4 段落】 国民的出自または人種的、宗教的、民族的ならびに文化的な差異を根拠として 民族または個人の優越を基盤としたり、主唱するすべての教義、政策、慣行は、 人種差別主義であり、科学的に誤りであり、法的に無効であり、道義的に非難 すべきであり、社会的に不正であることをさらに確認し、

 1 原語の“Indigenous Peoples”は、国連憲章、市民的及び政治的権利に関する国際規約および経 済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約の共通第 1 条において自己決定権を有する人民 の意で使用されている。 2(文中のアラビア数字は脚注あるいはソースpdfのページ番号として現れる)

 【前文第 5 段落】 先住民族は、自らの権利の行使において、いかなる種類の差別からも自由であ るべきことをまた再確認し、
 【前文第 6 段落】 先住民族は、とりわけ、自らの植民地化とその土地2、領域3および資源の奪取の 結果、歴史的な不正義によって苦しみ、したがって特に、自身のニーズ(必要 性)と利益に従った発展に対する自らの権利を彼/女らが行使することを妨げ られてきたことを懸念し、
 【前文第 7 段落】 先住民族の政治的、経済的および社会的構造と、自らの文化、精神的伝統、歴 史および哲学に由来するその生得の権利、特に土地、領域および資源に対する 自らの権利を尊重し促進させる緊急の必要性を認識し、
 【前文第 8 段落】 条約や協定、その他の国家との建設的取決めで認められた先住民族の権利を尊 重し促進する緊急の必要性をさらに認識し、 2 個人の所有と取引の対象となる近代的土地所有権とは異なり、そこに住む民族と精神的なつな がりを持ち、分かつことのできない結びつきを持った大地を指す概念。 3 先住民族の生活空間全般を指し、土地、海域、水域およびその上空を含む広範な空間概念。 3
【前文第 9 段落】 先住民族が、政治的、経済的、社会的および文化的向上のために、そしてあら ゆる形態の差別と抑圧に、それが起こる至る所で終止符を打つために、自らを 組織しつつあるという事実を歓迎し、
 【前文第 10 段落】 先住民族とその土地、領域および資源に影響を及ぼす開発に対する先住民族に よる統制は、彼/ 女らが、自らの制度、文化および伝統を維持しかつ強化する こと、そして自らの願望とニーズ(必要性)に従った発展を促進することを可 能にすると確信し、
 【前文第 11 段落】 先住民族の知識、文化および伝統的慣行の尊重は、持続可能で衡平な発展と環 境の適切な管理に寄与することもまた認識し、
 【前文第 12 段落】 先住民族の土地および領域の非軍事化の、世界の諸国と諸民族の間の平和、経 済的・社会的進歩と発展、理解、そして友好関係に対する貢献を強調し、
 【前文第 13 段落】 先住民族の家族と共同体が、子どもの権利と両立させつつ、自らの子どもの養 育、訓練、教育および福利について共同の責任を有する権利を特に認識し、
 【前文第 14 段落】 4 国家と先住民族との間の条約、協定および建設的な取決めによって認められて いる権利は、状況によって、国際的な関心と利益、責任、性質の問題であるこ とを考慮し、
 【前文第 15 段落】 条約や協定、その他の建設的な取決め、ならびにそれらが示す関係は、先住民 族と国家の間のより強固なパートナーシップ(対等な立場に基づく協働関係) の基礎であることもまた考慮し、
 【前文第 16 段落】 国際連合憲章、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約、そして市民 的及び政治的権利に関する国際規約、ならびにウィーン宣言および行動計画が、 すべての民族の自己決定の権利ならびにその権利に基づき、彼/女らが自らの 政治的地位を自由に決定し、自らの経済的、社会的および文化的発展を自由に 追求することの基本的な重要性を確認していることを是認し、
 【前文第 17 段落】 本宣言中のいかなる規定も、どの民族に対しても、国際法に従って行使される ところの、その自己決定の権利を否認するために利用されてはならないことを 心に銘記し、
 【前文第 18 段落】 本宣言で先住民族の権利を承認することが、正義と民主主義、人権の尊重、非 差別と信義誠実の原則に基づき、国家と先住民族の間の調和的および協力的な 5 関係の向上につながることを確信し、
 【前文第 19 段落】 国家に対し、先住民族に適用される国際法文書の下での、特に人権に関連する 文書に関するすべての義務を、関係する民族との協議と協力に従って、遵守し かつ効果的に履行することを奨励し、
 【前文第 20 段落】 国際連合が先住民族の権利の促進と保護において演じるべき重要かつ継続する 役割を有することを強調し、
 【前文第 21 段落】 本宣言が、先住民族の権利と自由の承認、促進および保護への、そしてこの分 野における国際連合システムの関連する活動を展開するにあたっての、更なる 重要な一歩前進であることを信じ、
 【前文第 22 段落】 先住民族である個人は、差別なしに、国際法で認められたすべての人権に対す る権利を有すること、およびその民族としての存立や福祉、統合的発展にとっ て欠かすことのできない集団としての権利を保有していることを認識かつ再確 認し、
 【前文第 23 段落】 先住民族の状況が、地域や国によって異なること、ならびに国および地域的な 6 特性の重要性と、多様な歴史的および文化的背景が考慮されるべきであること もまた認識し、
 【前文第 24 段落】 以下の、先住民族の権利に関する国際連合宣言を、パートナーシップ(対等な 立場に基づく協働関係)と相互尊重の精神の下で、達成を目指すべき基準とし て厳粛に宣言する。

 第 1 条 【集団および個人としての人権の享有】 先住民族は、集団または個人として、国際連合憲章、世界人権宣言および国 際人権法に認められたすべての人権と基本的自由の十分な享受に対する権利を 有する。

 第 2 条 【平等の原則、差別からの自由】 先住民族および個人は、自由であり、かつ他のすべての民族および個人と平 等であり、さらに、自らの権利の行使において、いかなる種類の差別からも、 特にその先住民族としての出自あるいはアイデンティティ(帰属意識)に基づ く差別からも自由である権利を有する。

 第 3 条 【自己決定権】 先住民族は、自己決定の権利を有する。この権利に基づき、先住民族は、自ら の政治的地位を自由に決定し、ならびにその経済的、社会的および文化的発展 を自由に追求する。 7

第 4 条 【自治の権利】 先住民族は、その自己決定権の行使において、このような自治機能の財源を確 保するための方法と手段を含めて、自らの内部的および地方的問題に関連する 事柄における自律あるいは自治に対する権利を有する。

 第 5 条 【国政への参加と独自な制度の維持】 先住民族は、国家の政治的、経済的、社会的および文化的生活に、彼/女らが そう選択すれば、完全に参加する権利を保持する一方、自らの独自の政治的、 法的、経済的、社会的および文化的制度を維持しかつ強化する権利を有する。

 第 6 条 【国籍に対する権利】 すべての先住民族である個人は、国籍/民族籍に対する権利を有する。

 第 7 条 【生命、身体の自由と安全】 1. 先住民族である個人は、生命、身体および精神的一体性4、自由ならびに安 全に対する権利を有する。 2. 先住民族は、独自の民族として自由、平和および安全のうちに生活する集団 的権利を有し、 集団からの別の集団への子どもの強制的引き離しを含む、ジェ ノサイド(特定の集団を対象とした大量虐殺)行為または他のあらゆる暴力行 為にさらされてはならない。

 第 8 条 【同化を強制されない権利】 1. 先住民族およびその個人は、強制的な同化または文化の破壊にさらされない 4 原語の “integrity”は、「人間が一体の存在として損なわれていないこと」の意。 8 権利を有する。 2. 国家は以下の行為について防止し、是正するための効果的な措置をとる: (a) 独自の民族としての自らの一体性、その文化的価値観あるいは民族的アイ デンティティ(帰属意識)を剥奪する目的または効果をもつあらゆる行為。 (b) 彼/女らからその土地、領域または資源を収奪する目的または効果をもつ あらゆる行為。 (c)彼/女らの権利を侵害したり損なう目的または効果をもつあらゆる形態の 強制的な住民移転。 (d) あらゆる形態の強制的な同化または統合。 (e) 彼/女らに対する人種的または民族的差別を助長または扇動する意図をも つあらゆる形態のプロパガンダ(デマ、うそ、偽りのニュースを含む広報宣伝)。

 第 9 条 【共同体に属する権利】 先住民族およびその個人は、関係する共同体または民族5の伝統と慣習に従って、 先住民族の共同体または民族に属する権利を有する。いかなる種類の不利益も かかる権利の行使から生じてはならない。

 第 10 条 【強制移住の禁止】 先住民族は、自らの土地または領域から強制的に移動させられない。関係する 先住民族の自由で事前の情報に基づく合意なしに、また正当で公正な補償に関 する合意、そして可能な場合は、帰還の選択肢のある合意の後でなければ、い かなる転住も行われない。 5 原語の“nation”は、先住民族の国家を指す場合もある。 9

第 11 条 【文化的伝統と慣習の権利】 1. 先住民族は、自らの文化的伝統と慣習を実践しかつ再活性化する権利を有す る。これには、考古学的および歴史的な遺跡、加工品、意匠、儀式、技術、視 覚芸術および舞台芸術、そして文学のような過去、現在および未来にわたる自 らの文化的表現を維持し、保護し、かつ発展させる権利が含まれる。 2. 国家は、その自由で事前の情報に基づく合意なしに、また彼/女らの法律、 伝統および慣習に違反して奪取されたその文化的、知的、宗教的およびスピリ チュアル(霊的、超自然的)な財産に関して、先住民族と連携して策定された 効果的な仕組みを通じた、原状回復を含む救済を与える。

 第 12 条 【宗教的伝統と慣習の権利、遺骨の返還】 1. 先住民族は、自らの精神的および宗教的伝統、慣習、そして儀式を表現し、 実践し、発展させ、教育する権利を有し、その宗教的および文化的な遺跡を維 持し、保護し、そして私的にそこに立ち入る権利を有し、儀式用具を使用し管 理する権利を有し、遺骨6の返還に対する権利を有する。 2. 国家は、関係する先住民族と連携して公平で透明性のある効果的措置を通じ て、儀式用具と遺骨のアクセス(到達もしくは入手し、利用する)および/ま たは返還を可能にするよう努める。

 第 13 条 【歴史、言語、口承伝統など】 1. 先住民族は、自らの歴史、言語、口承伝統、哲学、表記方法および文学を再 6 原語の“human remains”は、遺髪など、骨以外の遺体全体を含む概念である。 10 活性化し、使用し、発展させ、そして未来の世代に伝達する権利を有し、なら びに独自の共同体名、地名、そして人名を選定しかつ保持する権利を有する。 2. 国家は、この権利が保護されることを確保するために、必要な場合には通訳 の提供または他の適切な手段によって、政治的、法的、行政的な手続きにおい て、先住民族が理解できかつ理解され得ることを確保するために、効果的措置 をとる。

 第 14 条 【教育の権利】 1. 先住民族は、自らの文化的な教育法および学習法に適した方法で、独自の言 語で教育を提供する教育制度および施設を設立し、管理する権利を有する。 2. 先住民族である個人、特に子どもは、国家によるあらゆる段階と形態の教育 を、差別されずに受ける権利を有する。 3. 国家は、先住民族と連携して、その共同体の外に居住する者を含め先住民族 である個人、特に子どもが、可能な場合に、独自の文化および言語による教育 に対してアクセス(到達もしくは入手し、利用)できるよう、効果的措置をと る。

 第 15 条 【教育と公共情報に対する権利、偏見と差別の除去】 1. 先住民族は、教育および公共情報に適切に反映されるべき自らの文化、伝統、 歴史および願望の尊厳ならびに多様性に対する権利を有する。 2. 国家は、関係する先住民族と連携および協力して、偏見と闘い、差別を除去 し、先住民族および社会の他のすべての成員の間での寛容、理解および良好な 関係を促進するために、効果的措置をとる。 11

第 16 条 【メディアに関する権利】 1. 先住民族は、独自のメディアを自身の言語で設立し、差別されずにあらゆる 形態の非先住民族メディアへアクセス(到達もしくは入手し、利用)する権利 を有する。 2. 国家は、国営メディアが先住民族の文化的多様性を正当に反映することを確 保するため、 効果的措置をとる。国家は、完全な表現の自由の確保を損なうこ となく、民間のメディアが先住民族の文化的多様性を十分に反映することを奨 励すべきである。

 第 17 条 【労働権の平等と子どもの労働への特別措置】 1. 先住民族である個人および先住民族は、適用可能な国際および国内労働法の 下で確立されたすべての権利を全面的に享受する権利を有する。 2. 国家は、先住民族の子どもたちを経済的搾取から保護するため、および危険 性があり、もしくは子どもの教育を阻害したり、子どもの健康もしくは肉体的 または精神的、スピリチュアル(霊的、超自然的)、道徳的もしくは社会的な発達 に対して有害であると思われるようないかなる労働にも従事しないよう保護す るため、彼/女らが特に弱い存在であることと、そのエンパワメント(能力・ 権利の強化)のために教育が重要であることを考慮に入れつつ、先住民族と連 携および協力し特別な措置をとる。 3. 先住民族である個人は、労働や、特に雇用、または給与のいかなる差別的条 件にも従わせられない権利を有する。 12

第 18 条 【意思決定への参加権と制度の維持】 先住民族は、自らの権利に影響を及ぼす事柄における意思決定に、自身の手続 きに従い自ら選んだ代表を通じて参加し、先住民族固有の意思決定制度を維持 しかつ発展させる権利を有する。

 第 19 条 【影響する立法・行政措置に対する合意】 国家は、先住民族に影響を及ぼし得る立法的または行政的措置を採択し実施す る前に、彼/女らの自由で事前の情報に基づく合意を得るため、その代表機関 を通じて、当該の先住民族と誠実に協議し協力する。

 第 20 条 【民族としての生存および発展の権利】 1. 先住民族は、自らの政治的、経済的および社会的制度または機関を維持しか つ発展させる権利、生存および発展の独自の手段の享受が確保される権利、な らびに自らのすべての伝統的その他の経済活動に自由に従事する権利を有する。 2. 自らの生存および発展の手段を剥奪された先住民族は、正当かつ公正な救済 を得る権利を有する。

 第 21 条 【経済的・社会的条件の改善と特別措置】 1. 先住民族は、特に、教育、雇用、職業訓練および再訓練、住宅、衛生、健康、 ならびに社会保障の分野を含めて、自らの経済的および社会的条件の改善に対 する権利を差別なく有する。 2. 国家は、彼/女らの経済的および社会的条件の継続した改善を確保すべく効 果的な措置および、適切な場合は、特別な措置をとる。先住民族の高齢者、女 13 性、青年、子ども、および障がいのある人々の権利と特別なニーズ(必要性) に特別な注意が払われる。

 第 22 条 【高齢者、女性、青年、子ども、障がいのある人々などへの特別措置】 1. この宣言の実行にあたって、先住民族の高齢者、女性、青年、子ども、そし て障がいのある人々の権利と特別なニーズ(必要性)に特別の注意が払われる。 2. 国家は、先住民族と連携して、先住民族の女性と子どもがあらゆる形態の暴 力と差別に対する完全な保護ならびに保障を享受することを確保するために措 置をとる。

 第 23 条 【発展の権利の行使】 先住民族は、発展に対する自らの権利を行使するための優先事項および戦略を 決定し、発展させる権利を有する。特に、先住民族は、自らに影響を及ぼす健 康、住宅、その他の経済的および社会的計画を展開し決定することに積極的に 関わる権利を有し、可能な限り、自身の制度を通じてそのような計画を管理す る権利を有する。

 第 24 条 【伝統医療と保健の権利】 1. 先住民族は、必要不可欠な医療用の動植物および鉱物の保存を含む、自らの 伝統医療および保健の実践を維持する権利を有する。先住民族である個人は、 また、社会的および保健サービスをいかなる差別もなく利用する権利を有する。 2. 先住民族である個人は、到達し得る最高水準の身体的および精神的健康を享 受する平等な権利を有する。国家はこの権利の完全な実現を漸進的に達成する 14 ため、必要な措置をとる。

 第 25 条 【土地や領域、資源との精神的つながり】 先住民族は、自らが伝統的に所有もしくはその他の方法で占有または使用して きた土地、領域、水域および沿岸海域、その他の資源との自らの独特な精神的 つながりを維持し、強化する権利を有し、これに関する未来の世代に対するそ の責任を保持する権利を有する。

 第 26 条 【土地や領域、資源に対する権利】 1. 先住民族は、自らが伝統的に所有し、占有し、またはその他の方法で使用し、 もしくは取得してきた土地や領域、資源に対する権利を有する。 2. 先住民族は、自らが、伝統的な所有権もしくはその他の伝統的な占有または 使用により所有し、あるいはその他の方法で取得した土地や領域、資源を所有 し、使用し、開発し、管理する権利を有する。 3. 国家は、これらの土地と領域、資源に対する法的承認および保護を与える。 そのような承認は、関係する先住民族の慣習、伝統、および土地保有制度を十 分に尊重してなされる。

 第 27 条 【土地や資源、領域に関する権利の承認】 国家は、関係する先住民族と連携して、伝統的に所有もしくは他の方法で占 有または使用されたものを含む先住民族の土地と領域、資源に関する権利を承 認し裁定するために、公平、独立、中立で公開された透明性のある手続きを、 先住民族の法律や慣習、および土地保有制度を十分に尊重しつつ設立し、かつ 15 実施する。先住民族はこの手続きに参加する権利を有する。

 第 28 条 【土地や領域、資源の回復と補償を受ける権利】 1. 先住民族は、自らが伝統的に所有し、または占有もしくは使用してきた土地、 領域および資源であって、その自由で事前の情報に基づいた合意なくして没収、 収奪、占有、使用され、または損害を与えられたものに対して、原状回復を含 む手段により、またはそれが可能でなければ正当、公正かつ衡平な補償の手段 により救済を受ける権利を有する。 2. 関係する民族による自由な別段の合意がなければ、補償は、質、規模および 法的地位において同等の土地、領域および資源の形態、または金銭的な賠償、 もしくはその他の適切な救済の形をとらなければならない。

 第 29 条 【環境に対する権利】 1. 先住民族は、自らの土地、領域および資源の環境ならびに生産能力の保全お よび保護に対する権利を有する。国家は、そのような保全および保護のための 先住民族のための支援計画を差別なく作成し実行する。 2. 国家は、先住民族の土地および領域において彼/女らの自由で事前の情報に 基づく合意なしに、有害物質のいかなる貯蔵および廃棄処分が行われないこと を確保するための効果的な措置をとる。 3. 国家はまた、必要な場合に、そのような物質によって影響を受ける民族によ って策定されかつ実施される、先住民族の健康を監視し、維持し、そして回復 するための計画が適切に実施されることを確保するための効果的な措置をとる。 16

第 30 条 【軍事活動の禁止】 1. 関連する公共の利益によって正当化されるか、もしくは当該の先住民族によ る自由な合意または要請のある場合を除いて、先住民族の土地または領域で軍 事活動は行われない。 2. 国家は、彼/女らの土地や領域を軍事活動で使用する前に、適切な手続き、 特にその代表機関を通じて、当該民族と効果的な協議を行う。

 第 31 条 【遺産に対する知的財産権】 1. 先住民族は、人的・遺伝的資源、種子、薬、動物相・植物相の特性について の知識、口承伝統、文学、意匠、スポーツおよび伝統的競技、ならびに視覚芸 術および舞台芸術を含む、自らの文化遺産および伝統的文化表現ならびに科学、 技術、および文化的表現を保持し、管理し、保護し、発展させる権利を有する。 先住民族はまた、このような文化遺産、伝統的知識、伝統的文化表現に関する 自らの知的財産を保持し、管理し、保護し、発展させる権利を有する。 2. 国家は、先住民族と連携して、これらの権利の行使を承認しかつ保護するた めに効果的な措置をとる。

 第 32 条 【土地や領域、資源に関する発展の権利と開発プロジェクトへの事前 合意】 1. 先住民族は、自らの土地または領域およびその他の資源の開発または使用の ための優先事項および戦略を決定し、発展させる権利を有する。 2. 国家は、特に、鉱物、水または他の資源の開発、利用または採掘に関連して、 彼/女らの土地、領域および他の資源に影響を及ぼすいかなる事業の承認にも 17 先立ち、先住民族自身の代表機関を通じ、その自由で情報に基づく合意を得る ため、当該先住民族と誠実に協議かつ協力する。 3. 国家は、そのようないかなる活動についての正当かつ公正な救済のための効 果的仕組みを提供し、環境的、経済的、社会的、文化的またはスピリチュアル (霊的、超自然的)な負の影響を軽減するために適切な措置をとる。

 第 33 条 【アイデンティティと構成員決定の権利】 1. 先住民族は、自らの慣習および伝統に従って、そのアイデンティティ(帰属 意識)もしくは構成員を決定する集団としての権利を有する。このことは、先 住民族である個人が、自らの住む国家の市民権を取得する権利を害しない。 2. 先住民族は、自身の手続きに従って、その組織の構造を決定しかつその構成 員を選出する権利を有する。

 第 34 条 【慣習と制度を発展させ維持する権利】 先住民族は、国際的に承認された人権基準に従って、自らの組織構造およびそ の独自の慣習、精神性、伝統、手続き、慣行、および存在する場合には司法制 度または慣習を促進し、発展させ、かつ維持する権利を有する。

 第 35 条 【共同体に対する個人の責任】 先住民族は、自らの共同体に対する個人の責任を決定する権利を有する。

 第 36 条 【国境を越える権利】 1. 先住民族、特に国境によって分断されている先住民族は、スピリチュアル(霊 的、超自然的)、文化的、政治的、経済的および社会的な目的のための活動を含 18 めて、国境を越えて他の民族だけでなく自民族の構成員との接触、関係および 協力を維持しかつ発展させる権利を有する。 2. 国家は、先住民族と協議および協力して、この権利の行使を助長し、この権 利の実施を確保するための効果的な措置をとる。

 第 37 条 【条約や協定の遵守と尊重】 1. 先住民族は、国家またはその継承者と締結した条約、協定および他の建設的 取決めを承認し、遵守させ、実施させる権利を有し、また国家にそのような条 約、協定および他の建設的取決めを遵守し、かつ尊重させる権利を有する。 2. この宣言のいかなる規定も、条約や協定、建設的な取決めに含まれている先 住民族の権利を縮小または撤廃するものと解されてはならない。

 第 38 条 【国家の履行義務と法整備】 国家は、本宣言の目的を遂行するために、先住民族と協議および協力して、立 法措置を含む適切な措置をとる。

 第 39 条 【財政的・技術的援助】 先住民族は、本宣言に掲げる権利の享受のために、国家からおよび国際協力を 通じての資金的および技術的な援助を利用する権利を有する。

 第 40 条 【権利侵害に対する救済】 先住民族は、国家もしくはその他の主体との紛争および争議の解決のための相 互に正当かつ公正な手続きを利用し、迅速な決定を受ける権利を有し、また自 らの個人的および集団的権利のすべての侵害に対する効果的な救済を受ける権 19 利を有する。そのような決定には、当該先住民族の慣習、伝統、規則、法制度 および国際人権を十分に考慮しなければならない。

 第 41 条 【国際機関の財政的・技術的援助】 国際連合システムの機関および専門機関ならびにその他の政府間機関は、特に、 資金協力および技術援助の動員を通じて、本宣言の条項の完全実現に寄与する ものとする。先住民族に影響を及ぼす問題に関して、その参加を確保する方法 と手段を確立する。

 第 42 条 【宣言の実効性のフォローアップ】 国際連合および先住民族問題に関する常設フォーラムを含む国連機関、各国に 駐在するものを含めた専門機関ならびに国家は、本宣言の条項の尊重および完 全適用を促進し、本宣言のフォローアップ(追跡措置)を行う。

 第 43 条 【最低基準の原則】 本宣言で認められている権利は、世界の先住民族の生存、尊厳および福利の ための最低限度の基準をなす。

 第 44 条 【男女平等】 ここに承認されているすべての権利と自由は、男性と女性の先住民族である 個人に等しく保障される。

 第 45 条 【既存または将来の権利の留保】 本宣言中のいかなる規定も、先住民族が現在所有している、もしくは将来取 20 得しうる権利を縮小あるいは消滅させると解釈されてはならない。

 第 46 条 【主権国家の領土保全と政治的統一、国際人権の尊重】

 1. 本宣言のいかなる規定も、いずれかの国家、民族、集団あるいは個人が、国 際連合憲章に反する活動に従事したり、またはそのような行為を行う権利を有 することを意味するものと解釈されてはならず、もしくは、主権独立国家の領 土保全7または政治的統一を全体的または部分的に、分断しあるいは害するいか なる行為を認めまたは奨励するものと解釈されてはならない。

2. 本宣言で明言された権利の行使にあたっては、すべての者の人権と基本的自 由が尊重される。本宣言に定める権利の行使は、法律によって定められかつ国 際人権上の義務に従った制限にのみ従う。そのような制限は無差別のものであ り、もっぱら他者の権利と自由への相応の承認と尊重を確保する目的であって、 民主的な社会の公正でかつ最も切実な要求に合致するためだけに厳密に必要な ものでなければならない。

3. 本宣言に定められている条項は、正義、民主主義、人権の尊重、平等、非差 別、よき統治、および信義誠実の原則に従って解釈される。

 【市民外交センター仮訳 2008 年 7 月 31 日】 改訂 2008 年 9 月 21 日 7 原語は “territorial integrity”。その他の部分では “territory” をすべて「領域」と訳したが、 この部分については「領土保全」が日本語訳として定着しているため、「領土」とした。



□ 国連憲章、世界人権宣言、国際人権法で定められる 人権と基本的自由を尊重している(第1条)——これは人間を対象とする調査研究に遵用されるルールである。

□ 出自またはアイデンティティによる差別をうけない 権利(第2条)——先住民であるという出自やアイデンティティは当事者の意識をもっとも尊重する。

□ 自決の権利、政治的地位の決定、経済的社会的文化 的発展を自由に追求する権利(第3条)——自決の権利を侵害していないか、それらの発展の自由追求権を侵害していないか?

□ 自律または自治の権利(第4条)——自決・自律・ 自由の追求に対して先住民当事者に対して意見の強制を求めてはならない。

□ 帰属する国への参加の権利を保有すると同時に、自 己の独自の政治的・法的・経済的・社会的・文化的制度の維持と強化をする権利(第5条)——学問的見地からといえども、制度の維持と強化をする権利を侵害 してはならない。

□ 国籍に対する権利を有する(第6条)——国籍への 帰属という個人的権利に介入してはならない。

□ 健全であることが保障され、あらゆる暴力から自由 になり安全にすごせる個人ならびに集団的権利を有する(第7条)——先住民が被ってきた虐殺・疫病蔓延・政治経済的搾取・政治的弾圧などの歴史的暴力につ いて客観的証拠やコンセンサスがある場合、それを否定する意見の強要があってはならない。

□ 同化への強制や文化破壊がなされない権利を有する (第8条)——同化や統合、文化破壊、土地や資源の収奪、あらゆるタイプの強制や人口移動、差別の煽動などを助長するような調査研究はいかなる理由があろ うと容認されない。

□ 先住民が保有する伝統および習慣に従い、また、そ の権利を有する(第9条)——伝統および習慣の文化的尊重や、それらの権利を有することへの尊厳の維持

□ 事前の同意なしの強制移動の禁止(第10条)—— 先住民がそこにとどまることの自己決定権の尊重

□ 伝統および慣習の実践や再活性化する権利、表現行 為の尊重、文化的・知的、宗教的、精神的財産の保全と尊重ならびに救済(第11条)——当事者の実践行為や解釈・理解行為の尊重

□ 上記の伝統および慣習の実践や再活性化する権利に 加えて、宗教的・文化的場所の尊重、立入権の尊重、儀礼用具の管理権、遺体および遺骨の返還にかんする権利(第12条)——それらの権利請求に応諾し、助 力する研究倫理上の遵守

□ 文化的表現行為の尊重、それらの再活性化への支援 (第 13条)——これらの行為に対する実践人類学的な自発的応答性の必要

□ その文化や慣習にしたがった教育や学習の権利、教 育制度の整備、教育における差別解消と平等な権利、子供への母語教育の機会を設けることなど(第14条)——これらの行為に対する実践人類学的な自発的応答の必要

□ 文化・伝統・歴史・願望の尊厳と多様性の尊重と、 それらが教育と公的情報のなかに適切に反映され・報道される権利、差別と戦い、(全体)社会の構成員からの寛容と理解、善隣関係が促進される権利と、(全 体)社会の側の義務(第15条)——これらの行為に対する実践人類学的な自発的応答性の必要

□ 固有の言語による報道機関の確立、それに加えて国 が所有する報道機関が文化的多様性を正しく反映させる義務(第16条)——これらの行為に対する実践人類学的な自発的応答性の必要

□ 労働に関する国際法ならびに国内法が定めるすべて の権利が十分に享有されること。子供の教育の尊重のみならず、子供の暴力的搾取や労働からの保護(第17条)——調査で知り得た情報を適切にフィードバッ クする研究倫理上の確立

□ 固有の意思決定制度(先住民議会や司法制度を想 定)の尊重(第18条)——調査研究における客観性の担保

□ 国が先住民個人や共同体に影響を与える際の、立法 上ならびに行政上の措置(第19条)——調査研究における客観性の担保

□ 政治的制度、経済的発展のための固有の手段とその 行使の尊重、またそれらの手段を奪われた先住民族への公平な救済措置(第20条)——これらの行為に対する実践人類学的な自発的応答の必要【以下同様】

□ 教育・雇用・職業訓練などの人的資質を向上するた めの権利、住居・衛生環境、健康維持などの福利追求の権利の保障。女性と児童・青年の保護等(第21条)

□ 高齢者、女性、青年、子供、障害者の権利、彼/彼 女らに対する措置の義務。女性と子供に振るわれる暴力と差別から守る義務(第22条)

□ 福利の選択に関する自己決定権、選択する順序を決 定する権利、それらの政策に関して参画する権利(第23条)

□ 伝統的な医薬、天然資源、健康な環境を保全される のみならず、それをらを追求する権利と国家がそれに必要な措置をおこなう義務(第24条)

□ 伝統的に占有してきた土地、領域、水域、沿岸海 域、その他の資源と独自の精神的関係の維持や強化に関する権利(第25条)

□ 土地と資源に関する権利(第26条)

□ 土地と資源に関する利用などをさだめた独自の規則 を維持・発展させるための権利(第27条)

□ 上掲への侵害に関する原状回復や救済をうける権利 (第 28条)

□ 環境の関する権利、有害物質の貯蔵や、それらにま つわる健康被害に関する国の救済義務(第29条)

□ 自分たちの領域を、自由で平等のもとでの合意なし に、国がおこなう軍事訓練や軍事活動として利用されない権利(第30条)

□ 伝統的知識や意匠の権利(第31条)

□ 資源利用の自己決定権(第32条)

□ 先住民機関の構成と、構成員を選出する権利(第 33条)

□ 人権に関する国際基準にしたがって、伝統的な慣行 と司法制度の創設に関する権利(第34条)

□「先住民族は、その共同体に対する個人の責任を決定する権利を有する」 (第 35条)

□ 上記の権利と国や国際社会の擁護義務を定めた規約 と理念、規約の性格などを定めた条文等(第36条〜第46条)
Source: https://www.un.org/esa/socdev/unpfii/documents/DRIPS_japanese.pdf
アイヌ民族と文化人類学研究の現在

Copyleft, CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1996-2099

For all undergraduate students!!!, you do not paste but [re]think my message.

Remind Wittgenstein's phrase, "I should not like my writing to spare other people the trouble of thinking. But, if possible, to stimulate someone to thoughts of his own," - Ludwig Wittgenstein

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