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イノベーション人材とは?

Human resources in Innovative workplaces

池田光穂

まず、イノベーション人材(Innovative human resorces)を定義し ておこう。

イノベーション人材とは、イノベーションをおこす可 能性の高い人材=ヒューマンリソースのことである。しかし、イノベーションは、我々が考えるように、容易におこすことができない(→「イノベーション・デザイン」)。OECDの「イノベーションのための人材 ポリシー」の理論的根拠とその目的には下記のように書かれている。

"Human resources have an embodied stock of human capital – defined as the knowledge, skills, competences and attributes that facilitate the creation of personal, social and economic well-being – which is an essential input to innovation. Given the importance of human resources for innovation, key objectives of human resource policies have been to raise the level of knowledge and skills of the labour force. Particular policy objectives have included meeting the need for skills for innovation by enlarging the supply of the highly skilled workforce and by facilitating its mobility in order to optimise the use of human resources, to facilitate the cross-fertilisation of ideas and learning, and to address structural mismatches of demand for and supply of skills." -

つまり、イノベーションをおこすには、よい人的資本 (human capital )の蓄積=ストックが不可欠である。人材の質は「人的・社会的・経済的福利を促進するための知識、技能、能力、資質」によって決まるからである。このよう な資質は、外部から適切な方法によってリクルートするだけでなく、そのような資質のある人員を、企業や集団のなかで、技能を授けたり、異業種の職域との交 流や、仲間同士の資質の高めあいなどの良好な相互作用を通して、人材育成することも重要になる。つまり自らと自らが属する社会の自由のために、自分自身が 仕える自由の能力を十分に発揮すること、つまり「高度汎用力 (higher capability)」を育成すると同時に、その汎用力をつかって、個人・職域・社会を良好なものにしていく努力が不可欠にな る(→「社会経済地位」)。

他方、イノベーション企業であるグーグル (Google) の前副社長のジョナサン・ローゼ ンバーグ(Jonathan Rosenberg, 1961- )は、グーグルが求める人材を次の5つのスキルをもつものだと言っている(ジャービス 2009:309)。

トニー・ワグナー(2014:21)はもっと具体的に言っている

イノベーションの定義は以下のとおりである。

イノベーションの定義で、世界でもっとも簡潔なもの は「びっくりするような新しい出来事」のことである。そ して、世界で一番定番のイノベーションの定義は、ジョセフ・シュンペーター1911年の著作にみられる定義、すなわち、1)新しい財貨の生産、2) 新しい生産方法の導入、3)新しい販路の開拓、4)原料や供給源の獲得が以前にはないもの、そして、5)それゆえに生まれた組織が生まれること、という5 つの要素から成り立つ定義である。世界の多くのイノベーションの定義は、このシュンペーターの5つの定 義の省略版(デジタルICT時代には、4)などは比重が下がったり陳腐化しているはずであるので、1)、2)、5)の三要素など)がよくみられる。しかし ながら、重要なことは、単に「新しい」ではなく、「びっくりするような新しい」 が、破壊的イノベーションなどの議論の、破壊的あるいは刷新的ということとつながることである(→池田「イノベーション」以下同様)。

イノベーションはしばしば技術刷新や技術革新と呼ば れることが多い が、これは間違いである。イノベーションは単に「刷新」や「革新」だけで よく、技術だけに限定しなくてもよい。現代用語としてのイノベーションとは「事前に 予想が不可能な、その時 代の社会の人たちに驚きをもたらす、実現可能な事態や概念のこと」である。したがってイノベーションに適切な訳語をつけるとすると「びっくりするような新しい出来事」である(→「イノベーション」)。

イノベーションはその意味で、生物進化の自然選択と 同じようなプロセスをたどっており、さまざまな創造的解釈がまたれているところである(シュミットとローゼンバーグ 2014:286)。(→ Evolutionary economics

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文献

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"I should not like my writing to spare other people the trouble of thinking. But, if possible, to stimulate someone to thoughts of his own," - Ludwig Wittgenstein

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