Colonialism
Cecil John Rhodes
植民地主義 (settler colonialism)とは、植民地を建設し、そこから資源(人的、天然、交易的など)を得ることが至上になる政治的イデオロギーのことである。別言すれば、植民国家建設のためには、その統治領域空間(国土、植民地、帝国領内)に おいて、その支配のシステムを支える殖民技術および殖民技法というものが確立すること必要であるいう侵略思想を、植民・殖民による植民地主義 (settler colonialism)という。
"Colonialism is a practice or policy of control by one people or power over other people or areas, often by establishing coloniesand generally with the aim of economic dominance. In the process of colonisation, colonisers may impose their religion, language, economics, and other cultural practices. The foreign administrators rule the territory in pursuit of their interests, seeking to benefit from the colonised region's people and resources. It is associated with but distinct from imperialism."-Colonialism.
「植民地主義とは、ある人々や権力者が他の人々や地域を支配する行為や政策実践(=イデオロギー)のことであり、多くの場合は、経済的支配を目的として植民地を設 立すること。植民地化の過程で、植民者は自分たちの宗教、言語、経済、その他の文化的慣習を押し付けることがある。外国人行政官は、植民地化された地域の 人々や資源から利益を得ようと、自分たちの利益を追求するためにその地域を支配する。帝国主義と関連しているが、帝国主義とは異なるものである」といわれ る。(上掲の"Colonialism"の翻訳)
"Imperialism is a policy or ideology of extending the rule over peoples and other countries, for extending political and economic access, power and control, often through employing hard power, especially military force, but also soft power. While related to the concepts of colonialism and empire, imperialism is a distinct concept that can apply to other forms of expansion and many forms of government."-Imperialism.
「帝国主義とは、政治的・経済的アクセス、権力、支配を拡大するために、国民や他国に対する支配を拡大する政策やイデオロギーであり、ハー ドパワー、特に軍事力を用いることが多いが、ソフトパワーを用いることもある。帝国主義は、植民地主義や帝国の概念に関連しているが、他の形態の拡張や多 くの政府形態にも適用可能な明確な概念である」。(上掲の"Imperialism"の翻訳)
植民国家あるいは殖民国家(settler state)とは開拓移民国家ともいい、国家主権や領土を確立する際に、先にそこに存在していた人々 すなわち先住民を、 排他的にあるいは包摂する形で、成立が保証される国家のこ と。植民国家建設のためには、その統治領域空間(国土、植民地、帝国領内)における「植民・殖民による植民地主義」(settler colonialism:→殖民・植民地主義)という考え方とそれを支える殖民技術および殖民 技法というものが確立あるいは、開発途上にある必要があり、このことは歴史上の植民国家の成立にもみることができる。この定義によると、近代の国家形 態の成立経緯は、ほとんどこの植民国家としての性格をもつことになる。
1800年の世界の植民地 |
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第一次世界大戦勃発時の世界の植民地 |
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第二次世界大戦終結時の1945年の世界の植民地 |
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「2020年5月にアメリカのミネアポリスで起こった白人警官による過
剰拘束で黒人容疑者が死んだ事件で、アメリカだけでなく世界中で黒人差別の歴史に対する見直しを迫る動きが出ている。イギリスのブリストルでは、奴隷商人
の銅像が引き倒され、アメリカのリッチモンドでは南軍司令官リー将軍の銅像の撤去が問題となっている。イギリスのオックスフォード大学では、セシル=ロー
ズは成功した実業者として多額の寄付金を出しているので、大学の学寮のひとつオリオル・カレッジでは正面玄関上部に巨大なセシル=ローズ像が立っている。
こちらはすでに2016年に学生の中から植民地主義者・差別主義者の銅像は撤去すべき、との声が起こっていたが、その時は大学当局はそのまま保存すると決
定していた。今度のミネアポリスの事件で、この問題が再燃すると思われる。」英オックスフォード大、差別主義象徴と抗議の実業家像は撤去せず) |
脱植民地主義(de-colonialism)
あるいはポストコロニアリズムとは、植民地主義からの脱却をはかる思想ないしはイデオロギーのことである。また、ポストコロニアリズムは、植民地主義を放
棄した後に、どのような思想や行動の原則が登場するのかという政治理論のことである。
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