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心身二元論のジレンマ

Artificial intelligence, AI

解説:池田光穂

エリザベートのデカルトに対する1643年5月16日の手紙(A.T.,III, 661)で「思惟する実体にすぎない人間の魂は、意志の行為にあたりまして、どのようにして身体の精気=エスプリを決定することができますかを、どうか説明してくださいま せんか?」と彼女は質問した。それに対して、デカルトは、思惟する精神(res cogitans)と延長をもつ物体(res extensa)の結合について彼女が曖昧な感じを えるのは、彼女があまりにも注意深い省察をなすからなので、その結合は感覚を通じ て、ただ生活と日常生活によってのみ明らかにされると答えた。これは、後者のデカルトが、一切の感覚を否定して、省察を徹底し、疑いえない 精神(cogito)のみ認める者の返答としては(結果として懐疑論を徹底化した者としては)あまりに安易ではないか?

派生 する問題としての心身二元論

■「ジョン・サールによる一人称的知識の復権」より

「要 点は、知識が客観的・三人称的・物理的事実であるかぎりは、その知識およぶ範囲からは必然的にとりこぼされてしまう現実の現象がある、 ということだ。現実の現象とは、かたや色の経験であり、かたやコウモリの感覚である。これらは主観的・一人称的・意識的な現象だ。……私はある種の存在物 (エンティティ)、つまり私の色の経験とある関係を結ぶ。コウモリはある種の存在物、つまりコウモリであるとはどのように感じることかという経験とある関 係を結ぶ。世界にかんする完全な三人称的な記述は、これらの存在物をとりこぼす。そ れゆえ、その記述は不完全である。メアリーとコウモリの専門家の例は、 その不完全さを示している」(サール 2006:133)。

リンク

  • 仮想医療人類学辞典︎▶イライザあるいはヴァーチャ ル・オードリー物▶︎︎イライザの父の怒 り▶︎タチ コマ問題延長をもつ実体︎︎▶︎草薙素子はマリア・アウキシリアドーラで ある我々はすべて サイボーグで あり、その考え方を敷衍すると我々はすべ て草薙素子である︎︎▶︎「桶 の中の脳」=あるいは素子の義体の中に収納されている脳について
  • ▶︎︎ジョナサン・モレノ『操作される脳』ファンサイトEthics of artificial intelligence, by Wikipedia︎▶︎︎ジジェク大全(Hegel in A Wired Brainを参照)▶︎デジタル・ネイティブ族におけるナルシズム化と新しい孤独▶(スマートメディアユーザーのナルシズム化と新しい孤独の誕生:民族誌研究)▶︎心身二元論コウモリであるとはどういうことなのか?︎︎▶︎▶︎︎▶︎▶︎︎▶︎▶︎
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