かならずよんで ね!

On Inter-Graduate Schools Classes を全世界に構築せよ

池田光穂・松浦博一・宮本友介

このページは、ダイキン工業株式会社による「基礎検 討フェーズ報告書・研究テーマ提案」から「2020年度共同研究委受託研究」のフィージビリティ調査研究である。ページのクレジットは「01:「空 気と空間づくり」から考えるイノベーション・キャンパスの実現:On Inter-Graduate Schools Classes in Japan」である。

調査研究班は、池田光穂・松浦博一(大阪大学COデ ザインセンター教員)と宮本友介(大阪大学大学院人間科学研究科)である。

命題01:On Inter-Graduate Schools Classes in Japan

 インターネットはもはや「空気」みたいなものなので、「大学に行けば『知識』が得られるから大学に来い!」と大学は踏ん反り返っている場合じゃないと、 私(池田)はもはや、大学だけが高等教育を学べる場ではないと「大学よ!さようなら!(現:大学を再考する)」や「知の理論(TOK)」というウェブペー ジを書いた。僕は、スポンサー企業であるダイキン工業株式会社から冠講座というタイトルをつけることで、その企業の知名度を上げるために、教育経費を出し てもらう計画を練った——その顛末は指摘した通りである。ダイキンは「空調機」を生産し、その媒質を製造しそれらを扱う世界有数の会社である。この冠講座 =冠講義は、企業との利益相反関係をクリアにして、企業が純粋にフィランソロピーの理念で動いて、その社会的名誉のために、大学に寄附をしていただくこと を目的としている。これはあくまでも提案であり、それを受け入れるも蹴飛ばすのもダイキン工業次第である。

「空気」が読めるための大学院共通教育 科 目

これから、大学院共通教育科目についてのお話をします。

このページの意見は私の研究プロジェクトに関わる個人的なものであり、私の属している組織ならびに大学の見解ではありません。

これは2020年度テーマ探索のためのフィジビリティスタディーとしてのテーマ「「空気 と空間づくり」から考えるイノベーション・キャンパスの実現」研究の一貫です(研究題目全体「ダイキン事業直結テーマの技術調査と 新市場創造テーマの探索および事業・技術評価」)

研究のスポンサーに対する私のメッセージは次のようなものです!:「エアコン会社は エアコンを売る代わりに空調サービスを売るのだ」 と。これまでは、大規模でハイスペックで価格の高いものを売る傾向があったが、リースサービスを開始すれば、リースによるメインテナンスにより利益を回収 することができるので、ハイスペックだが価格の安い、より良い製品をリースとして顧客との契約を結ばせようとするだろう。さらに、顧客は電気量が安くあが ればよいので、以前のエアコンを下取りに出して、「燃費のいい」エアコンをリース契約したがるだろう。

私たちが考える「イノベーション・キャンパス」構想には、(1)物理空間的な「空気環境」を整えるインフラストラクチャーと、(2)そこに住まう行為者と しての人間「エージェンシー」と、(3)物理空間的な「空気環境」と複数のエージェンシーとしての人間がつくりあげる「社会空気環境」のハイブリッド(そ れを「文脈(コンテクスト)」)の3つのアスペクトについての、研究 調査が必要であると考えます。
問題に基づく学習(PBL)理念の多様 性:ひとつではないPBL。
PBLとは「学習者自身が中心となり、反省的反復の作業をともないながら、実践される少人数グループ の 教育手法こと」である。

左のPBL手法のスキーマは、それぞれのPBL実践家による多様性を示したものである。そこでは、あたかも「PDCAサイクル」のように、計画→実行→検証→再実行の《カイゼン[改善]》がサイクリック な循環をなすモデルが採用されている。
東京大学大学院共通科目は意外と少な い!

googleで「東京大学」と「大学院共通科目」と検索すると出てくるのか左のpdfファイルの情報(一部)である。日本の最高峰と言われている大学は、 まだまだ、それぞれの専門教育がメインになり、大学院共通科目や「高度教養教育」 の実践にはそれほど関心がないように思われる。教育改革に鈍重な大学であるように思える。
九州大学の大学院共通教育
   【学生・大学院生にアピールするにはちょっと押しが弱い?のではと感じられる】
→「九州大学では、すべての大学院(学府)学生を対象として「大学院共通教育科目」を平成18 年度後期より開講しています。皆さんは社会に出られる日に向けて着々と準備を進めておられることと思います。「大学院共通教育科目」は、皆さんの「専門 性」に加えて「人間性」「社会性」「国際性」など、社会人基礎力を付けるためのものです。研究に忙しい皆さんのために、夕方から夜の開講や土曜日の集中講 義も取り入れています。平成19 年後期からは、九大カリフォルニアオフィスからの講義や、箱崎と伊都キャンパスを結んだ遠隔授業なども開始し、受講しやすい環境づくりをめざしています。 講義には、問題を提起して解決への道筋を考えるなど、実践型の授業も導入しています。文系、理系、国籍の枠を超えて多彩な学生が参加しており、普段知り合 うことのない他学府の院生と交流することも、社会に出て役に立つ経験となります。1 科目だけでも聴講されることをお勧めします」。
大阪大学の大学院共通教育

(1)エリート教育
【「特殊」教育あるいは「特別支援」教育】(1)博士課程リーディングプログラム(超域イノベーション 生体統御ネットワーク医学インタラクティブ物質科学カ ディット;(国際共創 大学院学位プログラム推進機構) ヒューマ ンウェアイノベーション博士未来共生イノベーター 博士).(2)卓越大学院 (生命医科学の社会実装を推進する卓越人材の涵養); 事務担当部局→国際共創 大学院学位プログラム推進機構

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(2)ボトムアップあるいはグラスルーツ教育
•    【高度教養教育科目】旧名称「知のジムナスティックス」
•    【副専攻的な教育】大学院副専攻プログラム・大学院等高度副プログラム(約40コース程度)・学際融合教育科目(コミュニケーションデザイン・COデザイ ン科目等)
    •    このように学際的なさまざまなコースがあるのにも関わらず、全学的で共通した準拠基準をもつ「大学院共通教育」例:コミュニケーション能力の涵養)の科目 などは存在しません。
大学院副専攻プログラム・大学院等高度 副 プログラム

大学院副専攻 プログラム・大学院等高度副 プログラム(大学本部による広報)

平成31年度大学院副専攻プログラム/大学院等高度副プロ グラム履修案内(pdf, 2.8MB)
リベラルアーツマインド陶冶が急務

Open Education, OUVISION 2021(2020年版)より

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時系列でみた学際大学院教育の歴史

(未定稿)
ISO 56002:2019の登場

"Innovation management — Innovation management system — Guidance"

"1.1 This document provides guidance for the establishment, implementation, maintenance, and continual improvement of an innovation management system for use in all established organizations. It is applicable to: a) organizations seeking sustained success by developing and demonstrating their ability to effectively manage innovation activities to achieve the intended outcomes; b) users, customers, and other interested parties, seeking confidence in the innovation capabilities of an organization; c) organizations and interested parties seeking to improve communication through a common understanding of what constitutes an innovation management system; d) providers of training in, assessment of, or consultancy for, innovation management and innovation management systems; e) policy makers, aiming for higher effectiveness of support programs targeting the innovation capabilities and competitiveness of organizations and the development of society. 1.2 All the guidance within this document is generic and intended to be applicable to: a) all types of organizations, regardless of type, sector, or size. The focus is on established organizations, with the understanding that both temporary organizations and start-ups can also benefit by applying these guidelines in all or in part; b) all types of innovations, e.g. product, service, process, model, and method, ranging from incremental to radical; c) all types of approaches, e.g. internal and open innovation, user-, market-, technology-, and design-driven innovation activities. It does not describe detailed activities within the organization, but rather provides guidance at a general level. It does not prescribe any requirements or specific tools or methods for innovation activities." - https://www.iso.org/standard/68221.html

キャンパ ス・マネジメント・モデル


【再掲】私たちが考える「イノベーション・キャンパス」構想には、(1)物理空間的な「空気環境」を整えるインフラストラクチャーと、(2)そこに住まう 行為者と しての人間「エージェンシー」と、(3)物理空間的な「空気環境」と複数のエージェンシーとしての人間がつくりあげる「社会空気環境」のハイブリッド(そ れを「文脈(コンテクスト)」)の3つのアスペクトについての、研究 調査が必要であると考えます。

ここでは「社会空気環境」としての文脈について整理します。

    •    1. 大学設置基準の大綱化(1991)以降、それまでの大学教養部の知的伝統に対する批判/擁護/存廃に関する議論の後に、欧米の大学教育のリベラルアーツの 復権に関する議論も論争も紹介されなかった(大学教養教育の「鎖国化」と呼ぼう)

    •    2. 大学設置基準の大綱化(1991)以降の大学院教育の拡充ならびに「重点化」の中に、大学院共通教育をおこなうという発想がなかった。そして今日に至るま で、日本社会ないし大学文化におけるリベラルアーツの伝統が根付かなかった。

    •    3. 博士課程後期でも「高学歴リベラアーツ教養欠如症候群」の院生はみられる。彼らに必要なのは、(1)コミュニケーションとプレゼン技術、(2)政治・経 済・文化に関する国際教養知識やマナー[プロトコル]、(3)クリティカルシンキングを持ったオーラル討論能力(英語力を含む)等の基礎知識である。
基礎検討フェーズ報告(予定)サマリー

    •    1.研究課題:「空気と空間づくり」から考えるイノベーション・キャンパスの実現
    •    2.テーマ概要:
    •    2.1研究目標はイノベーション・キャンパスの基本デザインやコンセプトを描く。
    •    2.2実施内容はキャンパスインフラ+人間エージェンシー+文脈(コンテキスト)の3領域において、インタビューと観察にもとづく「キャンパス」にまつわ る物語を文章とイメージから構成し制作し文書提案する。
    •    2.3実施意義:
【1】「空気と空間づくり」に関する詩学=ポエティクス著述を公刊することで、ハードウェアの開発と販売が中心的であったダイキン工業に、キャンパスデザ インに関わるソフト面での企業イメージをアップする。
【2】社会的にはキャンパスをより開放的にすることで大阪大学とダイキン工業のコーポレイト・イメージを向上させる。
【3】ダイキン工業の事業展開のレパートリーの中に社会貢献事業(philanthropy)を構築する。
    •    2.4池田=主任研究者、松浦=共同研究者、宮本=共同研究者。

クレジット:(旧名:「「空気」が読めるための大学院共通教育科目」から)現在「「空気と空間づくり」から考えるイノベーション・キャンパスの実現」

■対話論(補論)

対話はモノローグの連鎖。読書もしかり。つまり、人間は対話的営為から逃れられない。 「対話をしよう」なんていう哲学者はおつむが足りない。発語をした時点で対話ははじまっているからね Dios Mio =我が神よという叫びもまた神との対話。そして対話のためには「沈黙」が必 要だ

用語集

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文献

その他の情報

Maya_Abeja

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