文化人類学への誘い、ふたたび
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and/or Remind of Your Concepts of Cultural Anthropology
文化人類学とはなんでしょう[20分でわかる文化人類学]
太田好信・浜本満編『メイキング文化人類学』世界思想社、2005年
[テキスト(太田)]00making_anthroX.pdf
章の構成
「文化人類学はその歴史と向き合うことを引き受けてしまった「やっかいな」——しかし、それだけ前向きな——学問なのである」(太田 2005:3)
「研究対象を救済するとは、すでにある対象は「語りつくされた」という印象を与える概念化の殻を破壊し、対象に再度命を与えること。換言す れば、ひとつの歴史のなかで燃えつきたかに見える火を、別の時間へと導き出す媒介作業なのである。過去へと立ち返ることにより、はじめて見えてくる未来も ある」(太田 2005:4)
「第一に、文化人類学は現地調査とその結果としての民族誌という特徴を独占できない。……文化人類学者は現地語によるより詳細な集中調査を おこなうというもの、神話かもしれない。……文化人類学者たちは現地の困難な環境を克服し、難解な言語の習得に膨大なエネルギーを注ぎこみ、それでまった く理解が及ばなかった人びとの生活について、深く洞察に富んだ理解を残してきた。それを可能にしてきたのが、現地調査であった。……
第二に、ヨーロッパにおけるナショナリズム、地球規模での植民地主義の時代に文化人類学は隆盛した。ナショナリズムは、民族——ある土地に 集団を形成している人びと——が、同一文化を共有して生活していることを前提とする。……グローバル化や地域主義の展開がナショナリズムからその説得力を 奪った」(太田 2005:6-7)
「経歴という概念は、文化人類学者たちの実際の活動に着目することをとおして、この学問の歴史性を際立たせる」(太田 2005:8)
「より今日的には「公的価値」があると考えられているトピックへの移行となってあらわれている。……ただ、研究トピックが「今日的」という 社会的評価の基準によって選択され、この学問と社会との関係の変化を歴史的に考慮することなく、文化人類/学は多様な社会問題への解答を提供する学問だと いう自己定義へと短絡すれば、それは問題である」(太田 2005:9-10)
リンク
[文献]
Copyleft, CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1996-2099