宗教の解釈
Introduction
to Geertz' Interpretation of Culture, 1973
解説:池田光穂
宗教(Religion)とは、超自然的、超越論的、あるいは霊的な要素に人間 が関わりをもつ、行動と実践、道徳、世界観、テキスト、聖なる場所、預言者たち、倫理、あるいは組織の社会文化的システムのことである。
『文化の解釈』(邦訳:文化の解釈学)は、1973年のクリフォード・ギアーツの著書であり、そのなかで、文化としての宗教について言及する章は次の2章である。
4. 文化体系としての宗教
8. 文化体系としてのイデオロギー
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文化のシステムとしての宗教(→ギアーツ「文化体系 としての宗教」ノート)
宗教(Religion)は、超自然的、超越論的、あるいは霊的な要素に人間
が関わりをもつ、行動と実践、道徳、世界観、テキスト、聖なる場所、預言者たち、倫理、あるいは組織の社会文化的システムのことであると、ここでは定義し
ておこう。
宗教研究という学問が厳密になればなるほど、そこからこぼれ落ちる研究上のカテゴリーがある。つまり、本道の宗教研究からは、副次的などと 判断されるジャンルに属するものがある。
宗教の土着化はそういったもののひとつである。そしてこれは主に歴史研究が主なその論戦の場であったが、粗雑な進化論や類推にもとづく伝播 の分類論などがそのパラダイムを占めており、その分析はまさに静態的か、その世界を生きている者のリアリティを欠いたものであったと言わざるを得ない。
文化人類学は、宗教現象のダイナミズムや、しばしば奇妙な社会現象との節合、あるいはハビトゥスへの効果などに着目するために、この種の宗 教研究にはなかなか食指が動いてこなかった。
この授業は、宗教研究における以上のような「偏向」について修正・脱構築を試み、文化人類学の豊かな「奇妙さ」の紹介と、その実践的解釈に むかうことになる。
「religion と翻訳できるような印欧語族の諸言語に共通する言葉はありません」——ロドニー・ニーダム(1981)
リアリティ=現実は、私たちに何をもたらすのでしょうか?(「文化」と「言語」/文
化人類学と言語人類学)
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