はじめによんでね

非論理哲学論考の教え

Tractatus I-Logico-Philosophicus

解説:池田光穂

正しく ない論理で他人と自分を誤らせる方法を考える」と は、それを反転させて「クリティカル・シンキング」について考えることであ る。だが、先に正しくない論理で他人と自分を誤らせる方法について、主に Robert J. Gula, 1941-1989,  の翻訳(山形浩生先生ヴァージョン)に基づく。クリシンの実践は「誤った論理構成」を見破ることな ので、人々がいかに容易に「不 正論理」(Logical fallacies)にハマってしまうのかについての批判的一瞥が必要となろう。出典:論理で人をだます法  / ロバート・J.グーラ著 ; 山形浩生訳 ; 千野エーイラスト,朝日新聞社 , 2006.

★「非論理哲学論考」本編はこちらです.

1)絶対論をぶつひとには要注意
2)一般化に注意しよう
3)客観的で事実に基づいた応答ではなく、感情的なことばや評価的なことばに頼る人は警戒しよう
4)意見や態度、個人的な偏見、憶測、個人的な保証、裏付けのない一般化と、しっかりとした事実にもとづく証拠とを混同しない
5)議題になっている内容が、明確で厳密であるように確認すること
6)証拠が議論の俎上にあがっている内容と関係があるか?
7)何かの権威が引き合いにだされたら、その権威者のもっている資格や技能が目下の問題と関係があることを見極めるまで、それを鵜呑みにしないこと
8)結論が証拠からちゃんと導かれたものであるか?
9)憶測せざるをえないような立場に他人を追い込まないこと
10)理性的な議論が過熱してしまうことはなるべく避ける
11)証拠が十分で、しかも都合のいいものだけを選んでいなことを確かめる
12)重箱の隅をつついたり、揚げ足をとらないこと
13)批判的に考えよう
14)議論を聞いたら、結論を受け入れるまえに、1)命題の正しさ、2)証拠の完全性、3)それ以外の結論が導き出せないこと、を確認せよ
15)「フォルチュナートから被った数限りない不快を忍べるだけ忍んできたものの、連中が不敵にも侮辱を浴びせかけたときに(はじめて)我々は復讐を誓った」——アラン・ポー『アモンティリャードの樽』を忘るることなかれ!!!

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  1. 同情に訴える
  2. 特別扱いを求める
  3. 罪悪感に訴える
  4. 恐怖に訴える
  5. 希望に訴える
  6. おせじをつかう
  7. ステイタスに訴える
  8. バンドワゴン・アピール(みなさんやってますよ!)
  9. 愛情に訴える/信頼に訴える
  10. プライドや忠誠心に訴える
  11. 誠実さに訴える
  12. ポピュリズム(俗情との結託)
  13. バンドワゴン・アピール(承前)
  14. くり返し
  15. 自信
  16. 真面目さ、誠実さ
  17. 単純化
  18. ステレオタイプ化
  19. かっこいい大風呂敷
  20. スローガン
  21. 転移
  22. 有名人の証言
  23. 「みんな仲間」です的な…
  24. 俗物精神へのアピール:「やっぱりみんな愚直がいいのです!」
  25. 文脈を無視した統計
  26. 「たくさんの方が……」(多数派の威力に同調させる)
  27. 問題のでっちあげ(悪者やスケープゴートをつくりだす)
  28. 事実のでっちあげ(カードスタッキング)
  29. 命令
  30. ヒントを出す
  31. 強調
  32. 証拠の選択
  33. 口調を変える
  34. 言い回しを変える
  35. 単語の選び方
  36. たとえ(比喩、隠喩)
  37. 並列
  38. 無関係なディテール
  39. イメージ単語
  40. 大げさなことば、ジャーゴン、ダブルスピーク、ゴブルディーグック
  41. 悪いイメージのタン度
  42. 誘導尋問(コントローリング・クエスチョン)
  43. 人格攻撃
  44. 地位や立場を非難する
  45. 交友関係を非難する
  46. ポイズン・ウェル(井戸に毒を盛る)
  47. ”オマエモナー”tu quoque("you too")
  48. 質問返し(カウンター・クエスチョン)
  49. ノーンセクウトゥル(前提と結論が無関係)
  50. 無関係なディテール(承前)
  1. 脅しをかける
  2. 無知に訴える論証 ++++++このあたりから承前が入り順が邦訳に対応せず++++++
  3. イプセ・ディキシット(”○○さんもおすすめ!”)
  4. 過去または過去の権威に訴える
  5. 漠然と権威にすがる
  6. 決め付け
  7. 信頼に訴える
  8. 「聖域」
  9. 警句、故事成句、スローガン、ことわざ、決まり文句
  10. ジャーゴン(専門用語)
  11. 伝統や前例に訴える
  12. 語源学の悪用
  13. 不適切な平均
  14. パーセントの悪用
  15. サンプリングでだます
  16. あいまいな統計
  17. 個人的な保証
  18. 個人的な経験
  19. ドミノ理論
  20. 神頼み
  21. 憶測と事実の金堂
  22. レッドへリング(意図的、偶然に討論に組み込まれた無意味なディテール)
  23. ユーモア、皮肉、嘲笑、あてこすり、パロディ、仕草
  24. 気の利いたセリフ
  25. たとえ話を文字通りに受け取る
  26. ハッタリ
  27. 重箱の隅をつつく・揚げ足を取る
  28. わからないふりをする
  29. 相手の発言を拡大解釈する
  30. 相手が言ってないことを言ったことにする
  31. 単なる例にかみつく
  32. 代案にかみつく
  33. 問題のすり替え
  34. 言葉のあいまいさを利用する
  35. 厳密でない物言い
  36. 口調のあいまいさ
  37. 皮肉っぽい態度
  38. 強調
  39. 文脈と離れた引用
  40. 切り貼り引用
  41. 気のない称賛
  42. あいまいな語法
  43. 文法的なあいまいさ
  44. 並列
  45. 省略三段論法
  46. 語句の混同
  47. 多義語
  48. 大言壮語
  49. ダブルスタンダード/ダブルシンク
  50. 視野狭窄
  1. 循環論法 (circular reasoning)/論点先取(begging the question)
  2. 必要条件、十分条件、寄与条件を混同する
  3. 間接原因と直接原因の混同
  4. 自己正当化
  5. 原因と結果の取り違え
  6. 続けて起きただけの現象に因果関係を見る虚偽
  7. 同時に起きただけの現象に因果関係を見る虚偽
  8. 原因でないものを原因として扱う/偶然
  9. 間違った結論
  10. 個別性の虚偽
  11. 複合質問
  12. 排中律/「2つにひとつ」の虚偽/「白か黒か」の虚偽
  13. お手軽な分類
  14. 結論に飛びつく
  15. ヒゲの虚偽(ヒゲの総数を正確にかぞえられないが、それを数えられる/だからアバウトでよい、などというはぐらかし)
  16. 「すべて」の虚偽
  17. ”間を取って”/妥協の虚偽
  18. 循環定義/はぐらかし定義
  19. 堕落の虚偽
  20. 復帰の虚偽
  21. 時間の虚偽
  22. より大きな悪の虚偽/ポリアンナ的解決
  23. 決意の虚偽
  24. 理想主義の虚偽
  25. 黙契の虚偽
  26. にせのジレンマ
  27. アナロジーの悪用
  28. 統計の誤用
  29. 無意味な対比
  30. 無効な対比
  31. 一貫性の虚偽
  32. 半分だけの事実
  33. 質問にあいまいに答える
  34. 回答をごまかす
  35. 引き伸ばし
  36. ”一歩一歩進もう”
  37. 「もし」が多すぎる
  38. ドミノ理論(承前)
  39. 相手の発言を言いかえる
  40. 伝統と前例を持ち出す
  41. 質問のすり替え
  42. 意味論的あいまいさ/発言のあいまいさ
  43. 構文的あいまいさ
  44. あいまいな接続詞
  45. あいまいな並置
  46. あいまいな「両方」
  47. あいまいな「すべて」
  48. あいまいな「か」
  49. 選択肢のひとつが真であることを理由に、もうひとつの選択肢を偽と考える虚偽
  50. あいまいな「もし〜なら」
  51. 後件肯定の虚偽
  52. 前件否定の虚偽
  53. 条件連鎖(仮定の積み重ね)


anima_sola

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三段論法について

  1. 三段論法の3つの項
  2. 全称/特称、周延/不周延
  3. 全部/一部、肯定/否定
  4. 三段論法とベン図
  5. 中概念不周延の虚偽
  6. 三段論法の検証:ベン図
  7. 三段論法の検証:概念を置き換える
  8. 三段論法の検証:規則を調べる
  9. 三段論法の検証:妥当な形式一覧

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リンク

何の意味もない画像(近所のクロちゃ ん): Copyleft, CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1996-2099

文献

Copyleft, CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1996-2099

Acknowledgement; This work was supported by JSPS KAKENHI Grant Number 20K01216.