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いんちき科学デバッキング入門

Introduction to the Inquisition against Fake/Psydo- Seciences

解説:池田光穂

「パングロスは形而上学=神学的=宇宙論的暗愚学を教えていた。原因のない結果はなく、またおよ そあらゆる世界の中で最善のこの世界において、男爵閣下の城館は世の城館の中でももっとも美しく、夫人はおよそあらゆる男爵夫人の中でもだれよりも立派で ある、彼はそんなことを見事に証明してみせるのだった」——ヴォルテール「カンディードまたは最善説」(植田祐次訳)

インチキ科学を糾弾することを正義の使命のようにおこなっている学者がいるが、これは天に唾する こと。やがて自分にも審判が下ることを知らない愚者のやること。

インチキ科学を正しく審問にかけるためには、むしろ、中世の異端審問形式でおこなうほうが効果的 である。

といっても犠牲者を火あぶりにすることではない。学ぶのは論証の方法について専念することであ り、相手の論理の中に巣くい、相手の論理の中で矛盾を生み出し、その存在理由を破綻させることである。

私の専門は、医学=医療なの で、インチキ科学の代表として代替医学を例に考えることにする。ただし、すべての代替医学がインチキではない。代替医療はインチキが巣くいやすということ だけである。正統化された医療のなかにもインチキはある。

た だし、現在、インチキとみなされている学問・方法・認識のやり方が、未来永劫、インチキというわけではない。科学的真理の歴史相対主義(→トーマス・クー ン「科学革命の構造」)からみると、将来、イケてしまうことあるので、インチキという用語は、相手を本当に罵倒したい時、あるいは先方のどのよう な論理に も論破できるだけの信念と論理構築を持てる時にのみ行使すべきであることはいうまでもない。

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インチキの現象論

インチキの分析論

【この項目はまだ書きかけです】

どうも我が職場の近くには、このインチキ科学バッシングのエヴァンジェリストたちが多いらしい。 どうりでこころ強いわけである。

天羽優子(山形大学理学部准教授:元・阪大ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー講師)さんは、江 本勝(『結晶物語・水が教えてくれたこと』サンマーク出版)のオカルト批判を、菊池誠(阪大サイバーメディアセンター教授)は、論文「疑似科学の現在」 『科学』2006年9月号で、その戦果を報告しているとのこと[松永 2007:181-185]。

2006年3月 日本物理学会シンポジウム「“ニセ”科学とどうつきあっていくか」

2007年 『論座』2007年2月号

他方、インチキ科学陣営からは、『ソトコト』2006年6月号で江本擁護論が登場(→冗談半分な んだろうが、こういう擁護派はたちが悪い)。


文献


池田光穂「カーゴ・ カルト・サイエンス

松永和紀『メディア・バイアス:あやしい健康情報とニセ科学』光文社、2007年

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