権力概念の考察
Studing productive power
From left to right; Jean-Jacques Rousseau,
Ernst Jünger and Carl Schmitt, and Hannah Arendt
権力とは、あらゆる意味での強制力のことであ る。権力を物理的諸力(=暴力)と区別してはならない。なぜなら、西洋 語の権力はすべて英語のパワーに他ならないからだ——もちろん政治権力(political power)という狭い言い方も存在する。
このことは、ジャン=ジャック・ルソーの『社会契約論』第1篇、第3章にある。カール・シュミットは次のように簡潔にまとめる。「力は物理
的権力であるし、強盗の発射するピストルもまた権力である」(シュ
ミット『政治神学』田中浩ら訳、26ページ)。
一般的な権力の用語法は我々のいうところの、政
治的権力であり、しばしば「抑圧的権力(opprestive power)」と呼ばれるものである。
抑圧的権力の3社会要素
それらの3要素が目的とする5つの機能
生命に介入するテクノロジー行使によって実現させられる権力
その背景にある理念
●暴力について
私が与える暴力の定義とは、「人を従属させる破壊的な強制力のこと」である。〈従属させる強 制力〉すなわち〈暴力〉の帰結とは、動産の破壊、人間や 動物の殺傷などがある。このために、人は暴力の被害が被らないように、命乞いのように懇願したり、(因果関係の認識として)謝る必要のない謝罪を口にす る。通常は、暴力概念は権力の発露として捉えることができるが(→「ソレルの暴力論」を参照)、以下の、ハンナ・アーレントの暴力概念は、そのように捉え ない特異的な解釈なので、注意が必要である。暴力の反対語は、ある意味空間(A)においては、非暴力であり、非暴力が含意するものは、誰でも想像がつくよ うに「平和」である。他方、「人を従属させる非破壊的な強制力」としての「権威」を暴力に対峙するもの、つまり反対語/反対概念とみなす立場もある。それ が、ハンナ・アーレントの暴力概念であり、この概念は、アーレントが影響を受けた夫ハインリッヒ・ブリュッヒャーとヴァルター・ベンヤミンの影響を受けて いるものと、私(池田)は考えている(→「暴力:その定義」)。
■フーコーの権力概念
・統治性、論文
リンク
文献
◆ 権力と言説
一方に権力の言説があり、そ れに対峙して、他方に権力に対 抗するもうひとつの言説があるのではない。
言説は、力関係の場における 戦術的な要素あるいは塊であ る。
同じ一つの戦略の内部で、相 異なる、いや矛盾する言説すら あり得る。反対に、それらの言説は、相対立する戦略の間で姿を変えることなく循環することもあり得る。
***
これらの言説に問いかけねばならぬのは、二つのレベルにおいて であり、それはこれらの言説の戦術的生産性(権力と知とのいかなる相互作用をそれは保証しているのか)と、その戦略的統合(いかなる局面、いかなる力関係 が、その時生ずる様々な対決のかくかくの情景においてこれらの言説の使用を必要たらしめているのか)なのである。
M・フーコー(渡辺守章訳)『知への意志』新潮社、 p.131、1986年
Copyleft, CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1996-2099
“Painted sabotage of Otto Dix.” Page from the programme
(Ausstellungsführer) for "Degenerate Art", an art exhibition first
shown in München 1937. The visitor's guide was written by Fritz Kaiser
and published by Verlag für Kultur- und Wirtschaftswerbung for the
Amtsleitung Kultur of the Reichspropagandaleitung der NSDAP, the Nazi
Party's propaganda central office in Germany 1926–1945. The brochure
was published in 1938 when the exhibition went on tour to Berlin (shown
in Kunsthalle Berlin from 26 February to 8 May) and other cities until
1941. No known copyright restrictions. The Degenerate Art Exhibition
(German: Die Ausstellung "Entartete Kunst") was organized by Adolf
Ziegler and the Nazi Party in Munich from 19 July to 30 November 1937.
The exhibition presented 650 works of art, confiscated from German
museums, and was staged in counterpoint to the concurrent Great German
Art Exhibition. Degenerate art was defined as works that "insult German
feeling, or destroy or confuse natural form or simply reveal an absence
of adequate manual and artistic skill". Another Degenerate Art
Exhibition was hosted a few months later in Berlin, and later in
Leipzig, Düsseldorf, Weimar, Halle, Vienna and Salzburg, to be seen by
another million or so people.