雑多なサイボーグ
miscellaneous Cyborg
Stephen Hawking as Cyborg
解説:池田光穂
サイボーグ(cyborg)とは、サイバ ネティック・オーガニズム(cybernetic organism, cyb. + org. = cyborg)のそれぞれの省略形による合成語である。
サイバネティック(サイバネティクスという学問の形容詞形)の言葉を意味する学問としてのサイバネ ティクスとは、今日で言う制御理論 (control theory)とシステム理論(system theory)が融合した総合的な学問であり、ノーバート・ウィナーがその命名者であり創始者だと言われる。もともと空中を移動中の飛翔体(航空機やミサ イル)などを追尾撃墜する弾道計算を探求する研究のなかから生まれて、生命現象、学習や認知あるいは、社会や文化現象にまで拡張されて、有機体や組織(と もにorganism)の特色を、それぞれが内的な制御システム——その中でもフィードバックがもっとも重要な概念——をもつものと考えことに由来する。
したがって、サイボーグは、サイバネティ クスという学問あるいは思想を具現化するものと考えられる。しかし実際のサイボーグという用語の発明 は、もっと実利的な面もあり、Manfred Clynes と Nathan Kline が、1960年に宇宙空間で働けるための人間と機械の自己制御機構の提唱というかたちで登場する。(つまりこの概念だと宇宙服のみならず宇宙船もまた一種 のサイボーグとして捉えることができるが、それは今日の我々が抱くサイボーグの意味とほど遠い)。
現在のサイボーグ概念にとって私がより重 要だと思えるのは、補綴(ほて つ・ほてい)の概念である。補綴(prosthesis)とは、おぎなっ てつづりあわせることであり、不足を足すことであるが、医学・保健用語では義手や義足などの義肢(ぎし)である。この概念が拡張し、ハイテクなどの技術と 融合するように、SFなどでは表現される(例えば、映画『スターウォーズ・エピソードV:帝国の逆襲』に登場するルーク・スカイウォーカーの右手の義手) ことが多いが、この拡張版と考えればよい。
1st.; Cosmas
and Damian miraculously transplant the black leg of the Ethiopian
onto the white body of the patient. 2nd; Prosthetic
Arm of Luke Skywalker.
しかしながら、この拡張として『攻殻機動 隊』の登場人物・草薙素子(くさなぎ・もとこ)のように、大脳と脊髄の一部のみ生体で残りは義体(「義 肢」概念の延長上に造語された義身体、「ぎたい」と呼ぶ)になると、それは果たして身体性を基調とする人格(パーソナリティ)を持ちうるのかという議論は しばしば我々は耳にする。しかし、2nd GIGのエピソード11「草迷宮」(affection)に みられるように、草薙はもともともっていた少女の身体という艤装がほどこされ、さらに成長に 応じて身体化をとげた(=「立派な義体使いとなる」)と説明されているので、彼女の脳は、つぎつぎと成長してゆく身体とともにアイデンティティを形成した ものと思われる。またこのことにより、彼女は色気と戦闘的攻撃性という両極端な女性性——それはともに公安9課での秀逸な活動を保証する——を具有してい る。
しかしながら、これは「桶の中の脳髄」論
文の著者ヒラリー・パットナムは一笑に付す話かもしれない。パットナムならば、素子が桶の中にいながら
「生きる」仮想現実の世界を、映像では、我々が見せられている可能性を我々は考慮していないと指摘されるかもしれない。そして素子がどう現実世界を生きて
いるかということを正確に判断できる材料を、ほんとうは我々は——そして素子も含めて誰も——知らないではないか?と反論を喰らうかもしれない。
サイボーグ・ドット・コムでは、池田(online)は、(人体をもつ現代人で ある)「我々はすべてサイボーグであり、その考え方を敷衍すると我々はすべて草薙素 子である」という極端で特異な(異様な)主張をおこなっている。
キーワード:「アクターネットワーク理論 (Actor–network theory ,ANT)」「人工知能(Artificial intelligence)」「ポストヒュマニズム(Posthumanism)」
●サイボーグ意識問題
サブスタンシャル/ヴァーチャルという二項対立と、現実/可能という二項対立の四象限からなる意味の空間のなかで、身体の諸相を説明すると 下記のようになる。すなわち、
●哲学サイボーグ
ファイル名(white_house_cyborg.gif) ぢつわマルクス・ガブリエルが近未来から送られてきた高度なサイボーグで、そいつの頭は東ドイツ時代かつづくマルクス=レーニン主義時代のマッドな秘密科 学計画がユルゲン・ハバーマスの脳をアップロードし改造したT-889モデルだと誰も疑わないのか?(→ターミネイターの時間構造) |
●中田ヤスタカ -
Crazy Crazy (feat. Charli XCX & Kyary Pamyu Pamyu)
MV - これは、アバター論で論じるべき話題かもしれませんが
■ノーバート・ウィーナーの学歴社会論 ——《人間は学習を通して異なった人間(サイボーグ?)になれる》というテーゼ
学歴社会では「統治者は永久に統治者であり、兵士は永久に兵士であり、労働者は労働者に運命づけられている」としたが、こうも言う。「昆虫 は成長の過程で脱皮し、神経系を破壊されるので、幼虫から成虫に多くの記憶を移すことができない。人間以外の哺乳類は学習によって獲得する後天的な能力よ り、持って生まれた先天的な能力[を]優先させ[る]。人間と他の動物の決定的な違 いは学習である」(『人間機械論 : サイバネティックスと社會』p.50.)
◎From “A Scientist Rebels,” an open letter by Wiener to a
research scientist, published in The Atlantic
Monthly in January 1947:
"[When] you turn to me for information concerning controlled missiles,
there are several considerations
which determine my reply. In the past, the comity of scholars has made
it a custom to furnish scientific
information to any person seriously seeking it. However, we must face these facts: The policy of the
government itself during and after the war, say in the bombing of
Hiroshima and Nagasaki, has made it
clear that to provide scientific information is not a necessarily
innocent act, and may entail the gravest
consequences. One therefore cannot escape reconsidering the established
custom of the scientist to give
information to every person who may inquire of him. The interchange of
ideas which is one of the great
traditions of science must of course receive certain limitations when
the scientist becomes an arbiter of
life and death." - pdf = https://goo.gl/rxwU4c
●Invented in 1739, Vaucanson’s mechanical duck gave the appearance that it could eat grain, digest and excrete. Die Technik der Vorzeit, der geschichtlichen Zeit, und der Naturvoelker. 1914.
google 翻訳による「1739 年に発明された Vaucanson の機械のアヒルは、穀物を食べ、消化し、排泄できるように見えました。 先史時代、歴史的時代、そして原始民族のテクノロジー。 1914 年。」こいつは外部観察するかぎり、生きている<(˘⊖˘)ノ =アヒルとなんら区別されることなく、唯一卵から生まれて成長し加齢し死ぬこと以外の生命活動は同じになる。
文献
「サイバーパンクとは、現代文学あるいはインターネットのパワー
ユーザーにおいてうち立てら
れた虚構=つくられたものであり、実際に存在するものではなく、ネット上で仮想にその存在が〈予言〉されてきたものであった。サイバーパンクに倫理が可能 かについて論じら
れた後に必要になるのは、サイバーパンクは存在可能か、という議論である。しかし、我々が冒頭に述べた狭量な実証主義(「ある種の行動主義、ある種の操作
主義、さらにある種の検証主義」)的な脅迫観念から自由になれば、我々はサイバーパンクの
可能態(potentiality, potentia, dynamis,δύναμις)
についての議論に専心すればよく、サイバーパンクは存在可
能かという愚問に拘泥しない分、我々は月夜には安らかに[枕を高くして]眠ることができるのである」→サイバーパンクにおいて倫理は可能か?)
● Cyborg anthropology
History; "Donna Haraway’s 1984 ""A Cyborg Manifesto" was the first widely-read academic text to explore the philosophical and sociological ramifications of the cyborg.[1] A sub-focus group within the American Anthropological Association's annual meeting in 1992 presented a paper entitled "Cyborg Anthropology", which cites Haraway's "Manifesto". The group described cyborg anthropology as the study of how humans define humanness in relationship to machines, as well as the study of science and technology as activities that can shape and be shaped by culture. This includes studying the ways that all people, including those who are not scientific experts, talk about and conceptualize technology.[2] The sub-group was closely related to STS and the Society for the Social Studies of Science.[3] More recently, Amber Case has been responsible for explicating the concept of Cyborg Anthropology to the general public.[4] She believes that a key aspect of cyborg anthropology is the study of networks of information among humans and technology.[5] Many academics have helped develop cyborg anthropology, and many more who haven't heard the term still are today conducting research that may be considered cyborg anthropology, particularly research regarding technologically advanced prosthetics and how they can influence an individual's life. A 2014 summary of holistic American anthropology intersections with cyborg concepts (whether explicit or not) by Joshua Wells explained how the information-rich and culture-laden ways in which humans imagine, construct, and use tools may extend the cyborg concept through the human evolutionary lineage.[6] Amber Case generally tells people that the actual number of self-described cyborg anthropologists is "about seven".[7] The Cyborg Anthropology Wiki, overseen by Case, aims to make the discipline as accessible as possible, even to people who do not have a background in anthropology." - Cyborg anthropology.
ドナ・ハラウェイが1984年に発表した「サイボーグ宣言」は、サイボーグの哲学的・社会学的な影響を探求した、広く読まれた最初の学術書であ
る。このグループは、サイボーグ人類学とは、人間が機械との関係において人間らしさをどのように定義するかを研究するものであり、文化を形成し、また文化
によって形成されうる活動としての科学技術を研究するものであるとしている。このサブグループはSTSや科学社会研究学会と密接な関係にあった。
[サイボーグ人類学の重要な側面は、人間とテクノロジーの間の情報のネットワークの研究であると彼女は考えている[5]。多くの学者がサイボーグ人類学の
発展に貢献しており、この言葉をまだ聞いたことがない多くの学者が、今日サイボーグ人類学と考えられる研究、特に技術的に進歩した義肢とそれらが個人の生
活にどのような影響を与えることができるかに関する研究を行っている。ジョシュア・ウェルズによる2014年のサイボーグ概念(明示的かどうかは別とし
て)とのホリスティックなアメリカ人類学の接点のまとめでは、人間が道具を想像し、構築し、使用する情報が豊富で文化が詰まった方法が、人類の進化の系譜
を通じてサイボーグ概念を拡張する可能性があると説明している。
[6]アンバー・ケースは一般的に、自称サイボーグ人類学者の実際の数は「7人程度」であると人々に伝えている[7]。ケースによって統括されているサイ
ボーグ人類学ウィキは、人類学のバックグラウンドを持っていない人々でも、この学問分野にできるだけアクセスできるようにすることを目指している。
Methodology; "Cyborg anthropology uses traditional methods of anthropological research like ethnography and participant observation, accompanied by statistics, historical research, and interviews. By nature it is a multidisciplinary study; cyborg anthropology can include aspects of Science and Technology Studies, cybernetics, feminist theory, and more. It primarily focuses on how people use discourse about science and technology in order to make these meaningful in their lives.[8] 'Cyborg' origins and meaning The word Cyborg was originally coined in a 1960 paper about space exploration, the term is short for cybernetic organism.[9] A cyborg is traditionally defined as a system with both organic and inorganic parts. In the narrowest sense of the word, cyborgs are people with machinated body parts. These cyborg parts may be restorative technologies that help a body function where the organic system has failed, like pacemakers, insulin pumps, and bionic limbs, or enhanced technologies that improve the human body beyond its natural state.[10] In the broadest sense, all human interactions with technology could qualify as a cyborg. Most cyborg anthropologists lean towards the latter view of the cyborg; some, like Amber Case, even claim that humans are already cyborgs because people's daily life and sense of self is so intertwined with technology.[5] Haraway's "Cyborg Manifesto" suggests that technology like virtual avatars, artificial insemination, sexual reassignment surgery, and artificial intelligence might make dichotomies of sex and gender irrelevant, even nonexistent. She goes on to say that other human distinctions (like life and death, human and machine, virtual and real) may similarly disappear in the wake of the cyborg.[1] Digital vs. cyborg anthropology Main article: Digital anthropology Digital anthropology is concerned with how digital advances are changing how people live their lives, as well as consequent changes to how anthropologists do ethnography and to a lesser extent how digital technology can be used to represent and undertake research.[11] Cyborg anthropology also looks at disciplines like genetics and nanotechnology, which are not strictly digital. Cybernetics/informatics covers the range of cyborg advances better than the label digital." - Cyborg anthropology.
サイボーグ人類学は、エスノグラフィーや参与観察といった伝統的な人類学研究の手法を用い、統計学、歴史研究、インタビューなどを伴っている。
その性質上、サイボーグ人類学は学際的な研究であり、科学技術研究、サイバネティクス、フェミニズム理論などの側面を含むこともある。サイボーグという言
葉は1960年に発表された宇宙探査に関する論文の中で生まれた造語であり、サイバネティック・オーガニズム(cybernetic
organism)の略である[9]。狭義には、サイボーグは機械化された身体の一部を持つ人間である。これらのサイボーグのパーツは、ペースメーカー、
インスリンポンプ、バイオニック四肢のように、有機システムが故障した身体の機能を助ける回復技術であったり、人間の身体を自然な状態以上に改善する強化
技術であったりする[10]。ほとんどのサイボーグ人類学者は後者のサイボーグ観に傾いており、アンバー・ケースのように、人々の日常生活や自己の感覚が
テクノロジーと非常に絡み合っているため、人間はすでにサイボーグであると主張する者さえいる。彼女はさらに、他の人間の区別(生と死、人間と機械、バー
チャルとリアルなど)も同様に、サイボーグをきっかけに消滅するかもしれないと述べている[1]: デジタル人類学
デジタル人類学は、デジタルの進歩が人々の生活様式をどのように変化させているのか、またその結果、人類学者がどのようにエスノグラフィーを行っているの
か、そしてデジタル技術をどのように表現し、研究を行うことができるのかにどのような変化が起きているのかに関心を抱いている。サイバネティクス/イン
フォマティクスは、デジタルというラベルよりもサイボーグの進歩の範囲をよくカバーしている。
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