医学生のための医療人類学入門
(浪人入学医学生のための)
講師:池田光穂
■ 概要
この授業は、文化人類学の面白さを受講生(特に医学生)に理解してもらい、この学問を修める ことがいかに有意義であるかをご紹介します。またこの学問の学習と実践を通して、皆さんにもっとも身近な問題である医療の実践的課題に答えるべく、医療人 類学についてのAからZまでについての伝授をおこないます。(→旧版 はこちら)
文化人類学や医療人類学について聞きかじったことのある学生、この学問の名を全く知らなかっ たけれども、がんばって勉強に取り組みたいと思う学生、そして楽してサバイバルの技を身につけたい、ちょっとものぐさな学生にも是非受講されることをお奨 めします。
授業は教科書を使った講義のみならず、ビデオ視聴、討論、発表など体験型の学習形態をとりい れるよう努力しますので、ものおじせずに発現し、他者と協調精神をもって課題に積極的に取り組める受講生を歓迎します。
■ 学習目標
1.文化人類学と医療人類学についての必要かつ最小限の知識と実践を習得する。
2.学んだ医療人類学の知識と思考法によって、身の回りにおこっている文化と社会に関わる諸 問題を発見する。
3.諸問題の解決や解消に向かって、具体的な方策を立てそれを実践することができる。あるい は、未来において生じうる問題や困難を予測し、それを回避しつつ、当初の目的を敢行することができる。
■ 自習用教材
病気の文 明史:ビジュアル版(Global Pandemic History)
■医療人類学入門:私の性(しょう)に合った学問 2020医療人類学入 門レクチャー(セ シル・ヘルマン 『ヘルマン医療人類学』第1章と第19章に準拠) |
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医療人類学入門:身体の文化的構成
(壱) 「身体について」 ・身体観 ・病気観 ・病気観と身体観の分析 |
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医療人類学入門:身体の文化的構成
(壱)「食習慣と栄養」 ・人類学と栄養(フォスターとアンダーソンより) |
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医療人類学入門「身体の文化的構成
(2):新しい身体と自己」 大阪大学COデザインセンターの池田光穂が、医療人類学について解説します。今回は「身体の文化的構成(2):新しい身体と自己」です。上映時間約25分 です。 |
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医療人類学入門「身体の文化的構成
(2):HIV感染症と熱帯病」 大阪大学COデザインセンターの池田光穂が、医療人類学について解説します。今回は「身体の文化的構成(2):HIV感染症と熱帯病」です。上映時間約 25分です。 |
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(第7章)痛みと文化/(第9章)儀
礼:人は不幸をどのように解決するのか。上映時間26分 |
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(第10章)多文化間精神医学/異文化間精神医学。上映時間18分 |
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(第11章)ストレスと苦悩の文化的要素。上映時間9分 |
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ヘルスケアシステム:医療人類学入門レクチャー 大阪大学COデザインセンターの教員の垂水源之介(池田光穂)が、ヘルスケアシステムのうち「ケアと治療:さまざまなヘルスケアセクター」と「医者--患 者の相互関係」について解説します。上映時間約25分 |
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医療による統治性(医療人類学入門レクチャー)→大阪大学COデザイン
センターの垂水源之介(池田光穂)が、医療人類学入門の中から「医療による統治性」をテーマについてレクチャーします。上映時間約16分 |
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第8章 文化と薬理学:医薬品・ドラッグ・アルコール・タバコ(上映時
間約13分) |
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第12章 移住・グローバリゼーション・健康 (上映時間約10分) |
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第13章 遠隔医療:テレメディスンとインターネット (上映時間約11分) |
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第18章 医療人類学とグローバルヘルス (上映時間約12分) |
■ 教科書(自学自習人は必ず購入してください)
■ 授業計画
回
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主題
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授業のタイプ
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内容
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1 | 文化は思考のエンジンである | 講義 | 現代社会において文化を考える意義、文化が焦点となる社会問 題、医療と文化 |
2 | 医療人類学入門 | 講義 | 医療人類学の鍵概念、具体例、歴史 |
3 | 医療人類学の諸領域 | 講義 | 自然人類学、心理とアイデンティティ、民族医療、国際公衆衛 生 |
4 | 健康の開発史 | 講義 | 植民地科学と熱帯病対策、ロックフェラーミッション、応用医 療人類学、プライマリヘルスケア、開発人類学 |
5 | 制度的医療論 | 講義 | 世界システム医療、近代医療とは何か、民族医療の構築、近代病院の民族誌、EBM(EBM) |
6 | 医療的多元論と医療のダイ ナミズム | 講義 | 文化的多元論、近代医療の土着化、伝統医療の近代化 |
7 | 途上国における村落保 健 | 講義 | 村落保健の実例:中央アメリカを例として、医療援助される側の論理 |
8 | 民俗疾患概念 | 講義 | 途上国における医療協力と民俗疾患概念の把握の重要性 |
9 | 食生活 | 講義 | 身体と食生活、栄養の化学的概念と文化的概念 |
10 | 自己投薬行為 | 講義 | 自己投薬行為の社 会的背景、自己投薬のプラス面/マイナス 面、多国籍製薬企業 |
11 | 疾患の文化的解釈 | 講義 | 民俗疾患概念をどのように理解するのか:下痢性疾患を例とし て |
12 | 健康の概念 | 講義 | 健康の概念をめぐる世界システム医療の展 開、グローバル化し た健康の概念、ローカル化した健康の概念、身体の現在 |
13 | コミュニティ参加の現代医療 | 講義 | コミュニティ動員の社会学的理由、プライマリヘルスケアと共 同体、プライマリヘルスケア論争 |
14 | 医療と文化 | ティーチインとグループ討論 | 医療と文化を考える |
15 | 医療実践をとおした人間形 成 | 講義と討論 | 医学生のアイデンティティと人間生活、これからの高知 医大生とは誰のことか? |
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