老いのパラドックス
Paradox of Becoming Old
■ 池田光穂・阿保順子編『認知症ケ アの創造:その人らしさの看護へ』雲母(きらら)書房、2010年
私たちは認知症といわれる人々を、どのように理解したら良いのでしょうか?
どのように支えることができるのでしょう?
徘徊、譫妄、妄想など、強い周辺症状がそのイメージをふ ちどるあまり に理解が難しいように思われる認知症ですが、それは必ずしも故なき混乱ではありません。看護・介護する側の理解が深まるほどに安らげる状況をつくることがで き、自然な老いのありようとして、ターミナルへの、その人らしい穏やかな道程でありうるのです。人と人として、ともにいることができる。そんな認知症ケア へ向けて、4人の著者がそれぞれの持ち場から考察を深めます。
現場の看護師・介護士の方に、ぜひ日々のケアを見つめ直す手がかりに してほしい、認知症ケアへのアプローチです。
と同時に、老いや認知症が気になっている世代のみなさまに、「右肩上 がりの近・現代的尺度」に疑問をお持ちの方々にも、新しい人生観と自己のありようを見つけるためのヒントになるに違いありません。
■Ten Tips for Communicating with a Person with Dementia, from Family Caregiver Alliance, FCA
リンク
- Set a positive mood for interaction.
- Get the person’s attention.
- State your message clearly.
- Ask simple, answerable questions
- Listen with your ears, eyes, and heart.
- Break down activities into a series of steps.
- When the going gets tough, distract and redirect.
- Respond with affection and reassurance.
- Remember the good old days.
- Maintain your sense of humor.
文献
その他の情報
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- ■ 池田光穂 『看護人類学入門』文化書房博文社、2010年
- ■ 池田光穂・奥野克巳編『医療人類学のレッスン:病いをめぐる文化を探る』学陽書房、2007 年
- ■ 丸山・田口・田中編『水俣からの想像力』熊本出版文化会館、2005年[関連リンク1][関連リンク2]
- ■ 太田・浜本編『メイキング文化人類学』世界思想社、2005年
- ■ 関・大塚編『宗教人類学入門』弘文堂、2004年
- ■ 『文化人類学文献事典』弘文堂、2004年
- ■ 八杉佳穂編『マヤ学を学ぶ人のために』世界思想社、2004年[関連リンク]
- ■ 綾部恒雄編『文化人類学のフロンティア』ミネルヴァ書房、2003年[関 連リンク]
- ■ 池田光穂『実践の医療人類学』世界思想社、2001年3月[画像をみる]
- ■ 佐藤純一編『文化現象としての癒し』メディカ出版、2000年12月[画像をみる]
- ■ 野村一夫編『健康論の誘惑』文化書房博文社、2000年11月[画像をみる]
- ■ 医療人類学研究会編『文化現象としての医療』メディカ出版、1992年[画像をみる]
- ■ 岩波文化人類学講座第7巻『移動の民族誌』岩波書店、1996年[画像をみる]
- ■ 池田光穂(宗田一監修)『医療と神々』平凡社、1989年[画像をみる]
- ■ 池田光穂の論文業績などの全リストはこちらです。