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清野謙次の大東亜文化進出のレトリック

Great Asia and Empire of Japan for Dr. Kenji KIYONO

池田光穂

「不自由を忍 びつつ己に打克つと云ふ事は、日本人の美點であります。此美點あればこそ、皇軍が大南洋の地に於て赫々たる戦果を収め得たのでありますが、此美徳をあらゆ る場合に、事情に即せず発揮しようとするのは、美徳の乱用に外ならないのです。たとへ一時は堪へ忍べるとして、永遠に亙って自然の猛威に抵抗しつつ不自由 なる生活をするのは何の誇りにもなりませんし、叉我等の思慮ある祖先を辱かしめるものだと思はれます。/寧ろ我等は此異つてゐる自然の環境の下に、如何に せば日本趣味ある文化を異域(異郷?)に新しく建設し得るかと考案する事こそ、光輝ある日本新文化が生れる動機でありまして、日本人が更に特色ある新文化 建設へと発足すべき希望であります。」(清野 1944:101)清野謙次「生態」東亜経済懇談会編『大東亜民族誌』鱒書房、1944年




「不自由を忍びつつ己に打克つと云ふ事は、日本人の美點であります。此美點あればこそ、皇軍が 大南洋の地に於て赫々たる戦果を収め得たのでありますが、此美徳をあらゆる場合に、事情に即せ ず発揮しようとするのは、美徳の乱用に外ならないのです。たとへ一時は堪へ忍べるとして、永遠 に亙って自然の猛威に抵抗しつつ不自由なる生活をするのは何の誇りにもなりませんし、叉我等の 思慮ある祖先を辱かしめるものだと思はれます。/ 寧ろ我等は此異つてゐる自然の環境の下に、如何にせば日本趣味ある文化を異域(異郷?)に新しく建設し 得るかと考案する事こそ、光輝ある日本新文化が生れる動機でありまして、日本人が更に特色ある 新文化建設へと発足すべき希望であります。」(清野 1944:101) 清野謙次「生態」東亜経済懇談会編『大東亜民族誌』鱒書房、1944年

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