「ものづくり」から 「ことづくり」への指南書
《インターネットの普及により、もう大学で勉強する意味なんてなくなったんじゃないの?》 という意見があります。大学で長い間、教育に関わってきた、教員である僕も、長年教える経験の中から、インターネットにお世話になり、自分の教室で十全に 教えることのできない情報を提供したり、メールなどで授業以外の場で、学生たちと相談にのってあげることが、当たり前になっているので、インターネットの 普及で、完全に大学が不要になるとは考えていません。しかしながら、インターネット環境がなかったり、制限されている状況の中で、もはや大学教育は円滑に 回すことができない、と実感するようになりました。このページは、このことをしばしの間、真剣に皆さんと一緒に考えてみたいと思っています。 協働術A(2017)/協働術A:ネオ・アクションリサーチの探究(2018)の授業計画から「この 授業は、ネオ・アク ションリサーチについて、考えます。このリ サーチがもた らす最終的な 成果とはなにかについて考えます。この授業は新しいネオ・アクションリサーチをさまざまな角度から考察することを目標にします。このことを実現するため に、解説つきで 基本文献であるドン・タプスコットとアントニー・ウィリアムズ『マクロ ウィキノミクス : フラット化・オープン化・ネットワーク化する社会をいかに生きるか』を参照にして考えます」
皆さんは、『脱学校の社会』 (Deschooling society, 1971)を書いたイヴァン・イリッチをご存知でしょうか?学校は生徒たちを伸び伸びと育てる組織ではなく、産業社会に適合的な人間を造り出す機関になっ ているという批判です。学校教育批判はそれまでにも沢山ありましたが、当時の第三世界の視座を踏まえた最も秀逸なものでした。その後、問題に基づく学習 (PBL)やアクティブラーニングの普及、学習環境を変えたインターネットの登場などのドラスティックな変化もあります。『脱学校』のとりわけ第1章「な ぜ学校を廃止しなければならないのか?」の読み直しと小グール プ議論を通して、今日の大学教育の意義について反省的に考え、皆さんの様々な意見交換の場にしたいと思います。
僕は大学完全不要論者 ではないものの「大学は概ね不要論者」であることは変わりありません。その理由は、大学で勉 強できることの8〜10割は独学でできることにあります。
︎独学のススメ▶大学の授業を従事時間で評価する時代の終わり︎▶︎︎大学よ!さようなら!▶大学教育の存在意義について考える︎▶︎︎企業と大学との協働 に関する基本原則▶高等教育のデトロイト化︎▶「ものづくり」から 「ことづくり」への指南書︎︎▶︎次世代イノベーショ ン人材育成▶︎︎反転学習またはセイヤー・メソッド▶裏のシラバス「うらバス」︎▶野口悠紀雄『日本式モノづくりの敗戦』︎︎▶︎▶︎︎▶︎▶︎︎▶︎▶︎︎▶︎▶︎︎▶︎▶︎
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大学で嬉しく教えられる「モノづくり」教育がいかに間違っていることを自覚する7つの常識!
(ジェレミー・リフキン『エイジ・オブ・アクセス』集英社より改作)
1「スマホの好調な売れ行きを他の業種がぼやいてはいけない」
2「百科事典の平凡社がインターネットで無料のサービスをはじめたのは当然」
3「持ち家は時代遅れ、これからは賃貸だ」
4「サリー2枚とバケツだけで暮らしたマザー・テレサが新しい生活スタイルの目標になる」
5「車を売らずに自動車メーカーが儲けているのだ」
6「モノづくりニッポンはずっと危機の最中」
7「アウトソーシングが企業経営の基本になる」
著者紹介
"Jeremy Rifkin (born January 26, 1945) is an American economic and social theorist, writer, public speaker, political advisor, and activist. Rifkin is the author of 21 books about the impact of scientific and technological changes on the economy, the workforce, society, and the environment. His most recent books include, The Green New Deal (2019), The Zero Marginal Cost Society (2014), The Third Industrial Revolution (2011), The Empathic Civilization (2010), and The European Dream (2004)."- Jeremy Rifkin.
ジェレミー・リフキン『エイジ・オブ・アクセス』集英社の紹介
「市場はネットワークに道を譲り、「所有」は着々と「アクセス」に取って代わる」本文より)。「次々と文化を消費する移ろいやすい世界に、軽や かに適応していく者たちは誰か。モノを所有するのではなく、様々なサービスを享受するための「アクセス権」にこだわる先進各国の若者、企業、行政、家庭な どの姿を通じて、21世紀に大きく広がるであろうハイパー資本主義の全てを解き明かす」BOOKデータベース)
この続編が、『限界費用ゼロ社会』
第1部 次なる資本家が生まれつつある
1. アクセスの時代への突入
2. ネットワークが市場に取って代わるとき
3. 無重量の経済
4. アイデアの独占
5. サービスならざるものなし
6. 人間関係の商品化
7. 生き様としてのアクセス
第2部 文化的共有財産の囲い込み
8. 資本主義の新文化
9. 文化景観の発掘
10. ポストモダンの段階
11. つながった者とつながっていない者と
12. 文化と資本主義のエコロジーに向けて
『限界費用ゼロ社会』
「いま、経済パラダイムの大転換が進行しつつある。その原動力になっているのがIoT(モノのインターネット)だ。IoTはコミュニケー ション、エネルギー、輸送の“インテリジェント・インフラ”を形成し、効率性や生産性を極限まで高める。それによりモノやサービスを1つ追加で生み出すコ スト(限界費用)は限りなくゼロに近づき、将来モノやサービスは無料になり、企業の利益は消失して、資本主義は衰退を免れないという。代わりに台頭してく るのが、共有型経済だ。人々が協働でモノやサービスを生産し、共有し、管理する新しい社会が21世紀に実現する。世界的な文明評論家が、3Dプリンターや 大規模オンライン講座MOOCなどの事例をもとにこの大変革のメカニズムを説き、確かな未来展望を描く。21世紀の経済と社会の潮流がわかる、大注目の 書!」BOOKデータベース、「《文化領域》 と《商業領域》の適正なバランスを回復すること。これが主たる《アクセス》時代にはとりわけ重要な課題になる」訳書22ページ)
※「限界効用(げんかいこうよう: Marginal utility) とは、財(モノ、およびサービス)を1単位追加して消費することによる効用(財から 得られるメリット)の増加分のこと。 近代経済学に登場した概念の一つであり、ミクロ経済学の消費理論で用いられる重要な概念」限界効用)
"In economics, utility is the satisfaction or benefit derived by
consuming a product; thus the marginal utility of a good or service is
the change in the utility from an increase in the consumption of that
good or service./ In the context of cardinal utility, economists
sometimes speak of a law of diminishing marginal utility, meaning that
the first unit of consumption of a good or service yields more utility
than the second and subsequent units, with a continuing reduction for
greater amounts. Therefore, the fall in marginal utility as consumption
increases is known as diminishing marginal utility. This concept is
used by economists to determine how much of a good is a consumer
willing to purchase."
市場資本主義から協働型コモンズへの一大パラダイムシフト
第1部 資本主義の語られざる歴史(ヨーロッパにおける囲い込みと市場経済の誕生;資本主義と垂直統合の蜜月;資本主義のレンズを通して眺 めた人間の本性)
第2部 限界費用がほぼゼロの社会(極限生産性とモノのインターネットと無料のエネルギー;3Dプリンティング—大量生産から大衆による生 産へ;MOOCと限界費用ゼロ教育;最後の労働者;生産消費者の台頭とスマート経済の構築)
第3部 協働型コモンズの台頭(コモンズの喜劇;協働主義者は闘いに備える;インテリジェント・インフラの規定と支配をめぐる争い)
第4部 社会関係資本と共有型経済(所有からアクセスへの転換;社会関係資本のクラウドファンディング、民主化する通貨、人間味ある起業家 精神、労働の再考)
第5部 潤沢さの経済(持続可能な「豊穣の角」;生物圏のライフスタイル)
クレジット:このページは2020年度テーマ探索のためのフィジビリティスタディーとしてのテーマ「「空気 と空間づくり」から考えるイノベーション・キャンパスの実現」研究の一貫です(研究題目全体「ダイキン事業直結テーマの技術調査と 新市場創造テーマの探索および事業・技術評価」)
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文献
Mitzub'ixi Quq Chi'j
Copyleft, CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1997-2099
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