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本質主義(essentialism)

解説:池田光穂

ほ:本質主義(essentialism):本質主 義とは、もののなりたちを、それ以外には考えられない、ひとつないしは複数の特性(=これを本質 essence という)から決定されているという見方をさす。人間の女らしさは、性染色体に由来する、という主張は、性染色体本質主義というものである。女らしさを女性 性器をもつという点に還元すると、この本質主義には疑いがないように思われる。しかし、女らしさ男らしさというのは外面的な振る舞いの形式にすぎなく、社 会によっても同一社会でも女らしさ男らしさには個人差と多様性が認められるので、女らしさの定義は、文化的社会的心理的に決められるものでもある。行動パ ターンのように、後天的な要因で決められるという見解は、もののなりたちを、非決定的で、多様な成り方の経路をたどってできあがったものだという主張に通 じる。この後者の考え方を、本質主義に対して、構成主義あるいは構築主義とよぶ。

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