はじめによんでください

オンライン化で図書館はなくなるか?

Does your university Library disappear by going online ?

池田光穂

「図書館情報がオンライン化されればされ るほど、図書館そのものの存在理由はなくなってしまう」——ディビッド・ストール(1991:291)

オンライン化される前の図書館は、情報が 死蔵化されているという評価があった——「主たる利用メディアが新しい別のものに移行する直前には古い メディアが増加する」というのがマーシャル・マクルーハンのメディア論のテーゼである。

インターネットを介した情報の相互交換 「行為」は、遺伝子の断片の移動や感染を引き起こす〈ウィルス(バクテリオファージ)〉——ともに隠喩的 表現——のようだ。それを古典的図書館の比喩をつかうと「蔵書どうしが対話をおこなう」ということになる。

人工知能学者やインターネットスペシャリ ストが考える理想的な電子図書館と、ディビッド・ストールが理想する町の小さな公共 図書館のようなもの には、大きな隔たりがある——それらの間には「図書館」という共通の名詞(シニフィアン)があるが、それが指し示すもの(シニフィエ)は、似ても似つかな いものだ。

稀覯本(きこうぼん)を収集している図書 館は、基本的に古典的な図書館に似ているが、閉架式だし、稀覯本を扱う作法も煩瑣で、快適な公共図書館 のような寛ぎは得られない。

今のところオンライン図書館で成功してい るのは、イリノイ・ベネディクタイン大学マイケル・ハート教授(当時)提唱ではじまったグーテンベル グ・プロジェクトと、インターネット・アーカイブで ある。それ以外のポータルでは興味深くてパワフルなものはなく、もっぱらGoogleの検索で、書名に ブール演算子(AND)をつけたpdfやTextを入力して探すほかはない。

ジェイソン・メルコスキー(Jason Merkoski)は、アマゾンのキンドル開発で自著『本は死なない: Amazonキンドル開発者が語る「読書の未来」』(原題:Burning the Page: The eBook Revolution and the Future of Reading )で次のような予言を賜っているそうである。予言の後の丸括弧の中は私(池田)のツッコミです。

●ウンベルト・エーコとジャン=クロー ド・カリエール『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』工藤妙子訳、阪急コミュニケーションズ、 2010年、の目次

この本の原題は、"N'esperez Pas Vous Debarrasser des Livres (Don't Hope To Get Rid Of Books)"である。


ピーター・アピアンの算術書(ホルバインの「大使たち」より

ゴミ屋敷とビブリオ マニアについて」より

明星大学に図書館にある、ルネ・デカルト著 『方法序説(理性を正しく導き、学問において真理を探究するための方法序説)Discours de la méthode pour bien conduire sa raison, et chercher la vérité dans les sciences』1637年出版

人生転落の醜聞について」より

のらくろ帝国主義」より

ゲノム編集と遺伝情報」より


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