【目次】0/16 ヘーゲル「精神現象学」1807:はじめに
Index 0/16 Einleitung,
Phänomenologie des Geistes, 1807
☆ ★このページはヘーゲル「精神現象学」の序文の後につづく「はじめに」の部分です。 INTRODUCTION, The Phenomenology of Mind (Einleitung, Phänomenologie des Geistes) ヘーゲル「精神現象学」の一般的解説は「ヘーゲル『精神現象学』1807ノート」を、参照してくだ さい。課題書とテキストについては「G.W.F.ヘーゲル『精神現象 学』1807年への入門」を参照してください。
★ それに「ヘーゲルの「経驗」概念」(1942-1943年講義)でのハイデガーのコメンタリーを加えるものです。全文は「ヘーゲル「精神現象学」1807:はじめに」 にあり、以下のリンク先では、それぞれのパラグラフ(翻訳では「節」と称する)を分割して掲載しています。
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ハイデガーの狙い(Hegel's
concept of experience,)——生成AI Monica に聞く
1. 弁証法的プロセスとしての経験
ヘー ゲルにおいて経験(Erfahrung)は「意識の自己運動」を指す:意識→自己矛盾→止揚(アウフヘーベン)→高次認識、つまり例:感覚的確定性(「こ れは机だ」)が時間的変化によって否定され、知覚へ発展する過程。
2. 絶対知への道程
経 験の蓄積が「絶対知」(das absolute Wissen)に至る螺旋的発展:個別的経験 が止揚を経由して普遍的精神となること。
ハ イデガー『ヘーゲルの経験概念』(1950)では次の再定義が行われる
1. 存在論的転回:経験を「存在者の存在開示プロセス」と解釈: ヘーゲルの「意識の経験」→ 存在そのものの自己顕現 例:主客対立を超え「存在の真理」が経験において現出する。
3. 批判的継承
肯定点:経験を静態的認識論から解放
批判点:ヘーゲルが「存在の忘却」に陥っていると指摘:「ヘーゲルは経験を精神の自己展開として捉えたが、存在そのものの声を聞けなかった」(ハイデガー)
哲学的意義としては、(1)西洋形而上学の変革点:経験概念を通じ、ヘーゲル哲学を「存在の歴史」の頂点かつ限界と位置付け、ハイデガー自身の「存在への問い」へ接続する回路を構築した。ハイデガーの解釈は、ヘーゲル哲学を単なる観念論でなく「存在開示のドラマ」として読み直した点に独創性がある。特に『精神現象学』序文の「経験は意識の新しい対象が生まれるプロセスである」という定義を、存在論的視座から再照射している。
リ ンク
文 献
そ の他の情報
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