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優生学:ポータル

Eugenics


池田光穂

優生学eugenics) は、遺伝現象を利用して、 優良な遺伝子をもつ子孫を次世代に反映させようとする一種の応用人類遺伝学。人類遺 伝学は「ヒトの身体の特徴や精神など種々の正常および異常形質の起源、 発現、遺伝様式、あるいは民族など集団中における頻度や変化などを研究する学問」コ トバンク)という意味であるために、応用という文字をとる と、優生学になってしまう、やっかいな事情がある——吉益(1961)などは「よい優生学/悪い優生学」という区分をしているが、それは、自分たちの過去 の優生学的実践を、歴史的正当化する不当で非科学的な二元論的判断である(池田 準備中)。しかし、極端で非科学的な応用をやめた優生学は、人類遺伝学であるとも定義され る。優生学は、今日で は、当初の優生学的知見による科学的有効性はおおむね否定されており(最新の遺伝理論によりその有効性が否定されているために)、疑似科学のひとつとされ ている。そのため、21世紀の現在では、自分は優生学者であると自称する人たちは極めてまれである(→詳しくは「優生学大全(all about Eugenics)」と「中学2年生以上の人のための優生学」を参照してくだ さい)。

ナチスの Gleichschaltung (強制的同質化) はユダヤ人排斥のための論理的予見をなしていたが、逆に論理的に突き詰めれば、なぜロマやユダヤ人への同質化(=強制的同化政策)のモーメントに繋がらな かったのだろう、と考 えることも可能だ。そうでなかった理由は、優生学や人種学によるロマやユダヤ人が同質化にそぐわない「科学的証明」が最初から必要だとしたらどうであろう か(あるいは、この学問の隠されたコンセンサスに、「白人の優越性を証明するために〈劣った他者〉が必要」という論点先取(Petitio Principi)の発想があったのではないかということだ)。つまり学問 そのものも「真理という法廷」では、しばしば戦争犯罪や人道的犯罪の 被告になり得るのである。

Gleichschaltung (German pronunciation: [ˈɡlaɪçʃaltʊŋ]), or in English co-ordination, was in Nazi terminology the process of Nazification by which Adolf Hitler and the Nazi Party successively established a system of totalitarian control and coordination over all aspects of German society and societies occupied by Nazi Germany "from the economy and trade associations to the media, culture and education".[1]/ The apex of the Nazification of Germany was in the resolutions approved during the Nuremberg Rally of 1935, when the symbols of the Nazi Party and the State were fused (see Flag of Germany) and German Jews were deprived of their citizenship (see Nuremberg Laws).- Gleichschaltung.

第二次大戦後、ナチスドイツのユダヤ人絶滅政策や、 欧米全域における優生学的断種政策などが批判されて、優生学にかわる新しい用語「人類遺伝学(Human heredity)」が生まれた——ナチス政権掌握以前の1923年のErwin Baur, Eugen Fischer, Fritz Lenz編の書物も『人類の遺伝(Menschliche Erblichkeitslehre)』だった。この分野の、アメリカの大家、ジェームズ・ニール(James Neel, 1915-2000)は『人 類遺伝学』(原著1954)のなかで、ナチス時代の優生学を「忌まわしい物騒な歴史」と紹介している。また、Acta Genetica et Statistica Medica,が1948年に創刊されて、1969年に改称されて現在のHuman Heredityと して発刊されつづけている。

James Van Gundia Neel (March 22, 1915 – February 1, 2000) was an American geneticist who played a key role in the development of human genetics as a field of research in the United States. He made important contributions to the emergence of genetic epidemiology and pursued an understanding of the influence of environment on genes. In his early work, he studied sickle-cell disease and thalassemia conducted research on the effects of radiation on survivors of the Hiroshima atomic bombing.[1] In 1956, Neel established the University of Michigan Department of Genetics, the first department of human genetics at a medical school in the United States. He was elected a Fellow of the American Academy of Arts and Sciences in 1971.[2]

Neel developed the "thrifty gene hypothesis" that paleolithic humans, facing long periods of hunger punctuated by brief periods of food surplus, would have adapted genetically by processing fats and carbohydrates more efficiently during feast periods, to be physiologically resilient during periods of famine.[3] Neel believed that this genetic adaptation might have created a predisposition to type 2 diabetes mellitus. This theory was later discredited by research conducted by Neel himself.[4]

Of particular interest to Neel was an understanding of the human genome in an evolutionary light, a concept he addressed in his fieldwork with cultural anthropologist Napoleon Chagnon among the Yanomamo and Xavante in Brazil and Venezuela. His involvement in this fieldwork came under scrutiny in the Darkness in El Dorado controversy, a scandal in anthropology that broke in 2000 involving numerous allegations of unethical research that threatened serious damage to Neel's reputation. The accusation is that Neel deliberately injected South American natives with virulent measles vaccine to spark off an epidemic which killed hundreds and probably thousands.[5] However, these claims against him were never substantiated with any evidence, and it was found later that the measles outbreak predated his arrival. The majority of the allegations in Darkness in El Dorado have since been found to have been fabricated by the author.

Neel attended the College of Wooster with a degree in biology in 1935 and went on to receive his Ph.D. at the University of Rochester.
ジェームズ・ヴァン・ガンディア・ニール(1915年3月22日 - 2000年2月1日)は、米国の遺伝学者で、米国における研究分野としての人類遺伝学の発展に重要な役割を果たした。遺伝疫学の出現に重要な貢献をし、環 境が遺伝子に及ぼす影響の解明を追求した。初期の研究では、鎌状赤血球症やサラセミアの研究を行い、広島原爆の被爆者に対する放射線の影響についての研究 も行った。1956年、ニールはミシガン大学遺伝学科を設立した。これは、米国の医学部で最初の人類遺伝学教室である。1971年、アメリカ芸術科学アカ デミーのフェローに選出された。

ニールは、「倹約遺伝子仮説」を提唱した。旧石器時代の人類は、長い飢餓の時期と短い食糧余剰の時期に直面し、飢餓の時期に生理的に回復するために、脂肪 と炭水化物をより効率的に処理して遺伝的に適応したであろうというのである。ニールは、このような遺伝的適応が2型糖尿病の素因を作ったのではないかと考 えた。しかし、この説は、後にニール自身が行った研究によって否定された。

この概念は、文化人類学者のナポレオン・シャグノンと共に、ブラジルとベネズエラのヤノマモとシャバンテを対象に行ったフィールドワークで取り上げられた ものである。このフィールドワークへの彼の関与は、2000年に勃発した人類学上のスキャンダル、「エルドラドの闇」論争でクローズアップされ、ニールの 評判に深刻なダメージを与えかねない非倫理的な研究の数々の疑惑が浮上したのである。ニールが南米の原住民に意図的に麻疹ワクチンを注射し、何百人、何千 人もの命を奪ったというのである。しかし、彼に対するこのような主張が証拠によって立証されたことはなく、麻疹の流行は彼が到着する以前からあったことが 後に判明している。エルドラドの闇(Darkness in El Dorado)』に書かれている主張の大半は、その後、著者Patrick Tierneyによる捏造であることが判明している。

ニールは、1935年にウースター大学で生物学の学位を取得し、その後ロチェスター大学で博士号を取得した。
Neel was deeply involved with a number of prominent organizations through the course of his career, including, but not limited to: American Academy of Arts and Sciences, American Philosophical Society, Atomic Bomb Casualty Commission, National Research Council, Pan-American Health Organization, Radiation Effects Research Foundation, University of Michigan, and World Health Organization.[6]

He testified several times before committees and sub-committees of the United States Congress as an expert witness regarding the long-term effects of radiation on human populations.
ニールは、そのキャリアを通じて、以下のような数多くの著名な組織と深 く関わってきた。米国芸術科学アカデミー、米国哲学協会、原爆傷害委員会、国家研究会議、汎米保健機構、放射線影響研究財団、ミシガン大学、世界保健機構 などである[6]。

米国議会の委員会や小委員会で、放射線の人体への長期的影響に関する専門家証人として数回証言した。
https://en.wikipedia.org/wiki/James_V._Neel
https://www.deepl.com/ja/translator

◎14歳から考えたい優生学  / フィリッパ・レヴィン著 ; 斉藤隆央訳, すばる舎 , 2021/ Eugenics : a very short introduction  / Philippa Levine. Oxford University Press , 2017 . - (Very short introductions, 495)

今後の改定は「中学2年生以上の人のための優生学」 でおこないます)

◎これより詳しく知りたい方は、是非とも「優生学大全(all about Eugenics)」を参照してください。

●優生学辞典(数字は和書のページ)(今後の改定は 「中学2年生以上の人のための優生学」でおこないます)

優生学の現代▶︎アメリカ合衆国の優生学▶︎︎優生学大全▶︎各国別比較:優生学の年表▶︎︎ナチ人種衛生学・ナチ優生学の時代マディソン・グラントと優生学の時代︎▶︎︎人種衛生学︎アルフレー ト・プレッツ▶︎︎アルフレッド・グロートヤーン社会ダーウィニズム︎▶国立人種生物学研究所(ウプサラ)︎︎▶︎フリッツ・レンツ▶ナチのバイオポリティクス(1943)︎︎▶︎オイゲン・フィッシャー▶︎︎生命倫理学関連年表▶︎▶︎︎▶︎▶︎︎▶︎▶︎

★は優生学に批 判的な研究者たち



サラマン,レッドクリフ・ネイサン(50) ポペノー, ポール(42,51,168,206,218-219,183,153,173,109,114) ジョンソン,ロズウェル (51,168,183,206,219) イング,ウィリアム(52) ★フートン,アーネスト(55,102)
★ジェニングズ,ハーバート (25,55,100) ★モール,オットー・ロウス(56) ★ロリア,アキレ(57) ★ラッセル,バートランド(57) ★チェスタトン, G.K.(58)
ゴールトン『遺伝的天才(1869)』 ゴー ルトン,フランシス(13,16,18,41,47,60- 61,65,68,70,92,182,195,53,60,168,182) メンデル、グレゴール ★ホグベン,ランスロット(55-56) ヨハンセン,ウィルヘルム(55)
ラ テン国際優生学協会連合(24,141) ヴァイスマン,アウグスト(16-17) ダーウインのパラドックス(65) ダーウィン,チャールズ ★ペンローズ,ライオネル(56,100,241)
ヴァ イスマンのバリアー ピアソン,カール(18,163,198) ウェルドン,ウォルター(18) ジーメンス,ヘルマン• ヴェルナー(18) へス,ルドルフ(19)
ユージン,チホン(19) ノルダウ,マックス(21)『退化論』 ロンプローゾ,チェーザレ(21) エリス,ハヴロック(22) ジェニングズ,ハーバート(25,55,100)
人種学(Rassenkunde)(29) レ一ベンスボルン/生命の泉(ドイツ)(31) ヒムラー, ハインリ ッヒ(31,192) ディーキン,アルフレッド(32) ジョー ダン,デイヴィッド・スター(32,40)
スターリン、ヨシフ(18,33,101,104) ミュルダール,アルヴァ(34) ミュ ルダール,グンナー(34,43)[on eugenics] コリンズ,ウィルキー(35) キンゼイ, アルフレッド(44-45)
リドストン, G. フランク(35) ウェルズ, H.G.(36,39) ポペノー, ポール.(42,51,168,206,218-219) ク レペリン,エミール(43) ゴルトシュミット,リヒャルト(50)
ダグデール,リチャード(66) スピアマン,チャールズ(69) ビネー,アルフレッド(68,78) シモン,テオドール(70,71) ゴダード,ヘンリー(72,75-182)
ターマン,ルイス(72-) カレル,アレクシー(74) ヤーキーズ,ロバート(79,81) ★ボアズ,フランツ(82) ボ ンド、ホレス・マン(83)
田 中寛一(1882-1962) ヴァルガス,ジェトゥリオ(105) ド・プローゾル,シカール(115) マラー,ハーマン・J.(120) ヤコプス,アレッタ(123)
ストープス,マリー(124) サンガー,マーガレット(124) ハイゼルデン,ハリー(130) ビンディングとホッヘ(130) ケネディ、フォスター(132)
フィッ シャー、オイゲン(138) テヘダ、アルベルト(139) ラフリン、ハリー(140, 141) フーヴァー、ハーバート(140) リシェ、シャルル(141)
ケール、レナート(141) マンリウ、イオアン(141) マロリー、ジョン(142) プリディ、アルバート(142) バック、キャリー(143)
ハロー、エマ(144) ホワイトヘッド、アーヴィング(144) ストロード、オブリー(144) エスタブルック、アーサー(144) ★ピエリ、ジャン(150)
ケイ、エレン(167) パン・グアンダン(潘光旦)176 Pan Guangdan. グラント、マディソン(189) ガリマラ、ドリス・ピルキントン(194) ケンプ、テイエ(212)
スタンプ〈対〉スパークマン裁判(224) ドブジャンスキー、テオドシウス(241) ★ピウス11世(150) ピンセント、エレン(165) ジョージ5世(174)
プーチ・イ・サイス、エルメネヒルド(188) ネヴィル、A.O.(193) リューディ ン、エルンスト(211) クーパー=ヒューイット(224) グラハム、ロバート(239)
タフト、ウィリアム・ハワード(146) ★ライアン、ジョン(151) ショー、バーナード(167) ラスキ、ハロルド(177) ミョエン、ヨン・アルフレッド(Jon Alfred Mjøen, 1860-1939)
ルンボリ、ヘルマン(195) アイゼンハワー、ドワイト(214) シンスハイマー、ロバート(226) ヤング、マイケル(242) リシェ、シャルル(196)
ホームズ(Jr.)、オリバー・ウェンデル(146) プレッツ 、アルフレート(155) サリービー、ケイレブ(167) リッター、ロベルト(181) ステッガーダ、モリス(190)
ギャンブル、クラレンス(214) ロスマン、シーラ;ロスマン、ディヴィッド(227) ジャンセン、アーサー(244) バトラー、ピアス(146) レ ンツ、フリッツ(156)
シュタイナハ、オイゲン(169) マヌイル、サビーネ(182) イースト、エトワード(191) アペール、ウジェーヌ(196) ボールディング、ケネス(215)
ロバーツ、ジョン・フレイザー(228) アイゼンク、ハンス(245) ★駒井卓(こまい・たく)148 フェインマン、エンリケ(158) イェーツ、W.B.(169)
アントネスク、イオン(183) ジョーンズ、ドナルド(191) ジークフリート、アルフレート(197) ショックリー、ウィリアム(215-216) シルバー、リー(236)
ドレイパー、ウィクリフ(245) パー ル、レイモンド(148) ダ・クルス、カンディド(160) アサートン、ガートルード(170) ヘルセーニ、トライアン(184)
ロケット=ピント、エドガー(191,193) モウル、マーガレット(198) ガンジー、インディラ(217) サヴァレスキュ、ジュリアン(237) ワーツ、ドロシー(250)
フィッシュバイン、モリス(149) シジウィック、エレノア(163) バーマン、ルイス(170) ドヴォルニコヴィッチ、ウラジミール(187) ドミンゲス、オクタヴィオ(193)
ロス、エドワード(199) 銭信忠(チェン・シンチョン)218 パーソン、イングマール(237) パネット、ジレナルド(148) カイト、エリザベス(164)
マイルズ、キャサリン・コックス(171) 池田林儀(いけだ・しげのり)(187) バスコンセロス、ホセ(193) ニール、ジェームズ(206) チャウシェスク、ニコラエ(219)
ハリス、ジョン(237) ランドマン、ジェイコブ(149) デンディ、メアリー(165) クーパー=ヒューイット、アン(172) ブラガ、テオフィロ(187)
クック、セシル(193) ビールス、ウォルター(208) ミュア、レイラニ(224) ポーリング、ライナス(239)






◎1920-1940年ごろの優生学的関心と「撲滅 すべき病気」「制圧すべき病気」

◎駒井卓(1886-1972)『人類の遺伝学』培風館、1996年(1973年9刷)の目 次

1. 人類遺伝学
2. 人体の構成と性の決定
3. 遺伝解説
4. 遺伝子
5. 分化
6. 突然変異遺伝子
7. 連関
8. 染色体異常
9.  人類集団遺伝学
10. 淘汰
11. 血液型
12. 異常血色素
13. 血漿蛋白
14. その他の生化学的特性
15. 遺伝的平衡と遺伝的均斉
16. 人類遺伝学研究法
17. 双生児
18. 近親婚
19. 人種
20. 人類・民族の移動と混血
21. 優生学と優生法規
22. 「優秀家系」と「天才」
23. 人類の過去・現在・未来
24. 遺伝性異常形質


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