〈移民・難民・人類学者〉という表現が、それから漏れる奇妙な現象を周縁化する
The phrase "immigrants, refugees, and anthropologists" marginalizes the strange phenomenon that leaks from it.
■〈移民・難民・人類学者〉という表現が、それから漏れる奇妙な現象を周縁化する
移民の人類学、難民の人類学、そして(かなり特殊なテーマだが)人類学者の人類学というテーマを掲げ、それらのローカルな議論を構成する民族 誌的資料を提供することは可能である。しかし、このような一種のフィールドの設定は、そのような枠組みからこぼれ落ちる社会的事実を周縁化したり、時には 消去したりする可能性がある。「一般的にいうと、隠蔽されているのは、民族的な遭遇がつねに、すでに編み込まれている間文化的な輸入—輸出という、より広 いグローバルな世界です」(クリフォード 2002:34)。
■メトニミー的凍結化(metonymic freezing)
アパデュライ(1988a,1988b)による「メトニミー的凍結化(metonymic freezing)」:「非西洋の人びとを「ネイティヴ」としてローカルに閉じこめるために 人類学が用いてきたさまざまな戦略」であり「表象による本質化のプロセスを通じた非西洋の人びとに対する「制限」、あるいは「封じ込め」」である。「それ は、さまざまな部族・民族の生活の一部もしくは一側面がそれらの人びとをひとつの全体として縮約し、そして人類学的分類学におけるその理論的な地位を構築 するプロセスである」(クリフォード 2002:35)。
メトニミー的凍結化の例:高地マヤ=威信経済、時間の司祭者 「どのような文化であっても、その中心やその村、また集中して住み込むフィールドの場にも目をやる一方で、その文化のもっとも遠い旅の範囲に注目しては どうか」(クリフォード 2002:36)。
"On the face of it, an exploration of the idea of the "native" in anthropolog-
ical discourse may not appear to have much to do with the genealogy of the idea
of hierarchy. But I wish to argue that hierarchy is one of an anthology of images
in and through which anthropologists have frozen the contribution of specific cul-
tures to our understanding of the human condition. Such metonymic freezing has
its roots in a deeper assumption of anthropological thought regarding the bound-
edness of cultural units and the confinement of the varieties of human conscious-
ness within these boundaries. The idea of the "native" is the principal expression
of this assumption, and thus the genealogy of hierarchy needs to be seen as one
local instance of the dynamics of the construction of natives" - (Appadurai, 1988:36)
● 虚構観光
● 身体感覚の観光学
リンク:「私は旅は嫌いだ」というレベルに留まってはいけない「旅などはないのだ、あるのは空間を移動することだけなのだ」
文献
その他の情報
Copyleft, CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1996-2099