はじめに読んでください

人文社会系のための研究倫理入門(リテラシーG)2018

Research Ethics for Post-Graduate Students in Humanities and Human Sciences

池田光穂

授業担当者/professor in charge
池田光穂(Mitsuho Ikeda) Literacy G: Research Ethics for Students of Humanities
履修対象/Eligibility
COデザイン科目(学部3年以上、大学 院生)

開講時期/Schedule
春学期:火曜:6-7限(18時00分 ~21時10分)

講義室/Room
豊中キャンパス:412号室(総合棟I[https://goo.gl/8KBAvV] 4階です)


講義題目/Course Name
リテラシーG(人文社会系のための研究 倫理入門)[→英語版
Literacy G: Research Ethics for Students of Humanities
授業の目的と概要/Course Objective
研究倫理(Research Ethics)とは、研究活動がなんらかの社会性をもち、かつその成果が社会に影響を与える時に、社会がその成員とりわけ科学者集団に対して、なんらかの 規範を与えて、それを適切に制御(コントロール)することを意味する。この授業はそれを人文社会系の大学院生にも理解可能なように教授するのが目的であ る。PBL教材を用いてケース研究とそれに関する議論を通して研究倫理の基礎を学ぶ。理工系医歯薬系の院生の受講も歓迎する。
We will present you an introduction to research ethics for students of liberal arts and humanities. We take a standardized teaching protocol for understanding research ethics borrowed from Japanese text books by use of case discussion method. We welcome for not only graduate students of liberal arts and humanities but also for students from the faculties of science, technology, and inter-/trans-disciplinary sciences.
学習目標/Learning Goals
1.責任ある研究者として学内外で研究 調査に従事できるための研究倫理上の基本語彙と概念の基礎を学ぶ。
2.現在の研究倫理が理工系/医歯薬系の研究不正から出発した歴史的理由に知り、人文社会科学系の固有のタイプの研究不正があることを知り、分野を超えた 研究公正についての理解を深める。
3.独立した研究者として、研究倫理申請が、一人でかけるだけの、研究倫理/研究公正に関する具体的知識をもつ。
1. Students can understand the philosophies and histories of modern research ethics by participating with case studies conferences.
2. Through considering on various cases of misconducts in research contexts the students can elaborate and understand about the meaning of "research integrity."
3. Students can write concrete research proposal with ethical concerns even though that students' plans would be virtual or planned in near future.
履修条件・受講条件 /Requirement; Prerequisite
履修対象に該当する者であればどなたで も受講できます。「人文社会系のための」と銘打っていますが、理工系医歯薬系の院生の受講も歓迎します。 There is no requirement in this class.
特記事項/Special Note
シラバスをみていただき、事前にテーマ を想像されたり、情報を入手しておくと、学習意欲向上のインセンティブになると思います。


■日程: ■当初計画
ワークショップ技法][現代研究倫理の3つの公理
(1)04月10日(火) 1.なぜいま研究倫理なのか?/2.責任ある研究行為(RCR)→Research_Ethics_2018.pdf
【練習問題】計画の変更
【練習問題】データの[恣意的]選別
(2)04月17日(火) 3.研究における不正行為/4.データの扱い
[【練習問題】エラーの発見
[【練習問題】研究資金申請書における捏造
(3)04月24日(火) 5.共同研究のルール/6.利益相反
[【練習問題】それは剽窃だろうか?
[【練習問題】十字路にたつキャリア
(4)05月08日(火) 7.オーサーシップ/8.盗用
[【練習問題】学生を被験者にしたテスト
[【練習問題】実験プロトコルの変更
(5)05月15日(火) 9.社会への情報発信と公益性/10.ピア・レビュー・システム
[【練習問題】論文公表のやりかた
[【練習問題】だれが論文著者として掲載されるか
(6)05月22日(火) 11.メンタリングと後進指導/12.公的研究費の取り扱い
フィールドワーク研究の倫理
調査研究の倫理について学ぶ
[【練習問題】商業的営利チャンス
[【練習問題】関与することの対立
(7)05月29日(火)
13.人体実験について/14.遺骨や副葬品収集物の返還
動物実験(解説)動物実験倫理講義録
科学者の定言命法、あるいは主観的実践原則
アイヌの遺骨返還問題への取り組みについて
[【練習問題】アイヌ遺骨等返還の研究倫理
(8)06月05日(火) 15.まとめ 研究上起こり得る人権侵害について


・If special consideration regarding the taking of this course is necessary due to reasons such as a disability, please consult in advance with the academic affairs related contact point for the department belonged to (such as the school affairs section or graduate school affairs section) or else with Trans-disciplinary Education Division of Purser Department in the Center for Education in Liberal Arts and Sciences. In addition, please inform the teacher responsible for the class at an early stage, such as at the first class.
授業計画/Special Plan (回)題目/Title:内容/Content
回数(日程等)
内容・目的・教材
1.なぜいま研究倫理なの か?
研究倫理入門(その勉強のやりかた:講義・演習・PBLなど)
2.責任ある研究行為 (RCR)
責任ある研究行為 (Responsible Conduct of Research, RCR)の具体的な中身とその社会的意義を知る。研究倫理申請書を書く(13回目のテーマ)のオリエンテーション
3.研究における不正行為
研究不正について学ぶ(→「研究不正とどのように向き合うか?」「好ましくない研究行為(QRP)」)
4.データの扱い
データの恣意的選別」がなぜ悪いのか?について考える
5.共同研究のルール
1)共同研究の意義、2)共 同研究の面白さ、3)共同研究のつらさ、4)共同研究者と独立研究者、5)研究コミュニティと研究者の関係、などについて学ぶ。
6.利益相反
利益 相反とはなにか? 利益相反に遭遇した時の、不正の回避と、研究公正の担保の方法について考える。
7.オーサーシップ
オーサーシップについての基本、不適切なオーサーシップ(ギフト、オーサー、オノラリー、サラミスライスなど)、投稿者の倫理規定などについて解説。
8.盗用
剽窃、 自己剽窃、オーサーシップ違反、など著述に関わる不正。実験における「他の研究からのデータの窃盗(data theft)」な ど。
9.社会への情報発信と公益性
なぜ研究者は情報発信しなければならないのか?
10.ピア・レビュー・システム
ピア・レビュー(peer review, 査読)の意味や意義(→「学 術論文:審査する側の論理」)
11.メンタリングと後進指導
メンタリングとは、メンター(指導教員)と呼ばれる経験を もつ指導者が、組織の若手や入門者に対して定期的に指導・交流することを通して、本人の自発的な成長を促す教育技法のことです。メンターは師匠、信頼にた る助言者のことをいいます。「スターウォーズ」におけるマスター・ヨーダは、ルーク・スカイウォーカーのジェダイの騎士の訓練おけるメンターであるのがそ の好例です。
フィールドワーク研究の倫理
調査研究の倫理について学ぶ
12.公的研究費の取り扱い/研究倫理申請書を書いてみよ う 公的研究費とはなにか、管理監査のガイドライン/研究倫理 申請書のシステム(IRBなど)
13.人体実験について(レクチャーと議論) (a)人体実験と生体解剖について(クロード・ベルナール の所論は現代では正当化できるか?)(→生体実験と倫理)(→人体実験の生命倫理学
14.遺骨や副葬品収集物の返還(レクチャーと議論)
(b)遺骨や副葬品収集物の返還について(→「遺骨は自らの帰還を訴えることができるのか?」)
15.まとめ
討論参加者による個別発表(つづき)とまとめに関する意見 交換会

授業形態/Type of Class:
レクチャー、質疑応答、討論、問題提示 とそれにもとづく議論(簡便型PBL方式)
Seminar subject
授業外における学習 /Independent Study Outside of Class
資料の事前読解にもとづく予習と、電子 メールあるいはSNSによるヴァーチャルな討論。
We provide and arrange a resource web-page [ https://goo.gl/aFgbDo ] for students attending this class outside from this virtual syllabus. The Students can use this web-site for preparations and reviews of each class.
教科書・教材/Textbooks
インターネット情報(研究倫理入門→[https://goo.gl/v5w8Hp])他、配布資料など。
You can get and read hand-outs and assigned papers from web-site https://goo.gl/aFgbDo
参考文献/Reference
以下のサイトから示します:https://goo.gl/ypdX7T
On-line educational resource is situated in [ https://goo.gl/sPPwdH ] entitled, "Introduction to Research Ethics."
成績評価/Grading Policy
学習者の各回の自己評価(ポートフォリ オ分析)の積算(50%)と教師による観察評価(平常点を含む50%)
Grading of qualification will be evaluated from self-evaluation points from each students' portfolios, 50%, and attainment points of student's reports, 50%.
コメント/Other Remarks

None.
キーワード/Keywords
研究倫理、研究公正、コンプライアン ス、利益相反、論文執筆ための倫理
research ethics, research integrity, compliance, conflict of interests (COI), research writer's ethics.
受講生へのメッセージ/Messages to Prospective Students
皆さんの先生方が、かつておこなったよ うな、克己して辞書(電子 辞書)に齧りつき禁欲的に勉強する時代は終わりました。今日の大学院の勉強は、スマートに楽しく学ぶことが、もっとも重要な課題になりました。知識と情報 収集に使う労力がインターネットによって節約された分、皆さんの知的情熱は、領域を超えた同学の士どうしによる楽しく深い議論を生み出すほうに投入しま しょう!
Do you know the motto printed in T-shirt of a used book store in Berkeley, California, "Moe's" that I found ? - "Reading is Sexy." It's Great that I think. I will add in our class, "Understanding Research Ethics is also Sexy, Philo-Sophy." This is my motto of objectivity of this class.

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