Specters of Marx
憑在論(ひょうざいろん:ハウントロ ジー:hauntology, L'hantologie)あるいは憑在 学(ひょうざいがく)とは、ジャッ ク・デリダの『マルクスの亡霊』(原著, 1993/2007a:37)に登場する用語で、「存在でもないが、かといって不在でもない、死んでいるのでもないが、かといって生きているでも ない」ような亡霊の姿をとってあらわれる、延期されたオリジナル(res extensa)ではないものよっ て表現される、置き換えられた、時間的・歴史的・存在論的脱節(temporal, historical, and ontological disjunction)の状態のことをさす。我々が常態的であると信じ込んでいる、オリジナルとアイデンティティ(同一性)、オリジナルものの存在的な ゆるぎのなさ(→存在論)、を解体するデリダ流の脱構築の方法のレパートリーとしてみることができる(→「憑在論」)。
★マルクスの亡霊:Specters of Marx
★マルクスの亡霊たち : 負債状況=国家、喪の作業、新しいインターナショナル / ジャック・デリダ [著] ; 増田一夫訳・解説,藤原書店 , 2007/ Spectres de Marx : l'État de la dette, le travail du deuil et la nouvelle Internationale / Jacques Derrida , Paris : Galilée , c1993. - (Collection La philosophie en effet)
0.導入 |
・無限の責任が生じ、いかなる潔白意識の形態においても安息は禁じられ ている(6)——導入の前の献辞の部分 ・私は生きることを学びたい=教えたい、終に、と。(10)——デリダ『法 の力』Force de loi : le 《fondement mystique de l'autorité》 ・生きることを学べない(教えることも自分自身にという目的語を持てば難しい)——それは[生きるということの]倫理そのものだ(11) ・幽霊にとって「私は生きることを学びたい=教えたい、終に」には可能になるかもしれない(12) ・正義の名において、幽霊にはそれを語れるか?(13) ・そのような問い——「私は生きることを学びたい=教えたい、終に」——、は未来において到来する(15)。 ・ハムレット登場(16) |
1.マルクスの厳命 |
・ひとつならずの亡霊(22)——なぜ亡霊は複数なのか?(→ゾンビの人類学) ・ヨーロッパのドラマトゥルギー(24)——日付をもたない存在(憑き物) ・マルクスの退場(25) ・シェイクスピアがマルクスをうみ、マルクスがヴァレリーを生んだ(25) ・マルクスの退場(25) ・『精神の政治学』(26) ・モノの存在論(27) ・バイザー効果と錯時性(29) ・モノとしての王(32) ・喪、言語、労働(34) ・憑在の論理(37) ・スカラー(学者)と亡霊(39) ・マルクスなくして未来なし(42) ・古くからある問いの反復(44) ・1950年代の終末論(46) ・ブランショ「マルクスの3つの言葉」(49) ・遺産の非均質性(49) ・時間は関節を外れている(the time is ou of joint)の翻訳論(52) ・正義と錯時性(61) ・アナクシマンドロスの箴言(63):「存在する諸事物の元のもの(アルケー)は、 無限なるもの(ト・アペイロン)である。・・・・・・存在する諸事物にとってそれから生成がなされる源、その当のものへと、消滅もまた必然に従ってなされ る。なぜなら、それらの諸事物は、交互に時の定めに従って、不正に対する罰を受け、償いをするからである。」(→アナクシマンドロス断片) ・破壊不可能な正義、砂漠的なメシアニズム(71) ・マルクスが開き、隠した問い(76) ・マルクスの厳命(79) ・マルクスの脱政治化(80) ・切迫としての革命的言語(83) ・科学主義イデオロギーに対する警戒(84) ・例としてのマルクス(86) ・マルクスの多様なる言語(88) ・「哲学の終焉」(89) ・終末論と目的論(91) ・共産主義の亡霊——1984年と今日(93) ・亡霊の時間性、亡霊性の効果(97) ・conjunction の意味論(99) ・貨幣と誓約破棄(103) ・貨幣の幽霊性(109) ・マルクスと幽霊(113) ・行為遂行的発言としての悪魔払い(114) |
2.共謀する=厄祓いする——マルクス主義(を) |
・悪魔払いされるマルクス主義(120) ・メディアの亡霊化作用(122) ・「共産主義の死」の言語(123) ・政治・メディア・アカデミズム(125) ・マルクス主義の批判的相続(131) ・フクヤマの新福音主義(132) ・エルサレムの我有化(136) ・マルクス主義と〈メシア的なもの〉(138) ・新福音主義とヘーゲル(140) ・出来事の思想(144) ・来るべき民主主義(148) ・留保なき歓待(150) ・〈人間としての人間〉という超歴史的-自然的基準(152) ・フクヤマの手品(156) ・出来事性と連続的時間(158) ・コジェーヴと「歴史の終わり」(160) ・コジェーヴと未来への厳命(164) ・脱構築ともうひとつ別の歴史性(168) ・ |
3.摩耗(年齢、時代なき世界の描写) |
・The time is out of joint.世界はうまくいっていない(172) ・民主主義の危機(174) ・新世界秩序の傷口(178) ・新しいインターナショナル(184) ・マルクス主義の精神に忠実である理由(187) ・マルクス主義と啓蒙の精神(192) ・マルクス主義の精神とメシア的肯定(194) ・前例なき出来事——マルクス主義(196) ・マルクス主義的精神と脱構築(198) ・負債国家、負債報告(200) |
4.革命の名のもとに、二重のバリケード(不純な「不純なる不純な幽霊 たちの物語」) | ・3つの外傷(209) ・マルクスの亡霊たち——属格の二重性(213) ・亡霊とヨーロッパ(214) ・亡霊との頻交(217) ・現前化すべき亡霊(218) ・政党の概念と現実の限界(220) ・亡霊の受肉としての共産党(222) ・幽霊への恐怖としての全体主義(225) ・〈精神〉対〈亡霊〉(227) ・革命——亡霊の召喚と忘却(232) ・革命の錯時性(236) ・亡霊による精神の汚染(241) ・「固有の内容」と「文句」(245) ・『ブリュメール18日』(246) ・厄払いの逆転(247) ・革命の鏡状の反射(250) ・幽霊を超えるメタ・レトリック(252) ・シュティルナーの亡霊物語(254) ・精神と幽霊を分離するマルクス(257) |
5.現れざるものの出現——現象学的「手品」 | ・精神と亡霊のあいだ(264) ・霊=精神の肉体化(265) ・幽霊的なものへの現象学的還元(270) ・シュティルナーの論法——超幽霊性(273) ・シュティルナー的自我(278) ・幽霊化する世界(280) ・霊=精神の現象としての幽霊(283) ・幽霊の散種(287) ・幽霊の遠ざけ狩り(290) ・幽霊を数えるマルクス(296) ・シュティルナーの範例的過ち(305) ・イデオロギーとは何か?(307) ・使用価値と交換価値——テーブルの例(309) ・感覚的なものの彼方(310) ・テーブル登場(312) ・テーブルの木頭——形相と質料(315) ・重大な矛盾(316) ・交換価値と社会的要素(319) ・資本蓄積と社会要素の時間性(320) ・商品=亡霊どうしのやりとり(321) ・社会化の幻影劇(323) ・商品の言葉(325) ・商品の意志(326) ・社会的紐帯の幽霊化(328) ・使用価値以前の交換価値(329) ・厄払いとしての存在論(330) ・商品の「神秘的性質」(331) ・根源的反復可能性(333) ・批判=分別と脱構築(334) ・『資本論』は悪魔払いの書か?(336) ・悪魔払いなき思想の不可能性(338) ・物神、宗教、イデオロギー(339) ・物神と亡霊性に関する3つの視点(342) ・アブラハム的メシアニズム、メシアニズムなき〈メシア的なもの〉(343) ・遠隔技術と民主主義の空間(347) ・ダブルバインとの遺産相続(348) ・出発点としてのEs spukt(352) ・いまだに受容されぬマルクス(356) ・君は学者だ、話してくれホーレイショー(360) |
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Specters of Marx:
The State of the Debt, the Work of Mourning and the New International
(French: Spectres de Marx: l'état de la dette, le travail du deuil et
la nouvelle Internationale) is a 1993 book by the French philosopher
Jacques Derrida. It was first presented as a series of lectures during
"Whither Marxism?", a conference on the future of Marxism held at the
University of California, Riverside in 1993. It is the source of the
term hauntology. |
『マルクスの亡霊:負債の状態、喪に服する作業、そして新しいインター ナショナル』(仏語:Spectres de Marx: l'état de la dette, le travail du deuil et la nouvelle Internationale)は、フランスの哲学者ジャック・デリダによる1993年の著書である。1993年にカリフォルニア大学リバーサイド校で開 催されたマルクス主義の将来に関する会議「マルクス主義はどこへ向かうのか?」で、一連の講義として初めて発表された。ハウントロジー=憑在論という用語 の起源である。 |
Summary The title Spectres of Marx is an allusion to Karl Marx and Friedrich Engels' statement at the beginning of The Communist Manifesto that a "spectre [is] haunting Europe." For Derrida, the spirit of Marx is even more relevant since the fall of the Berlin Wall in 1989 and the demise of communism. With its death the spectre of communism begins to make visits on the Earth. Derrida seeks to do the work of inheriting from Marx, that is, not communism, but of the philosophy of responsibility, and of Marx's spirit of radical critique. Derrida first notes that, in the wake of the fall of communism, many in the west had become triumphalist, as is evidenced in the formation of a neoconservative grouping and the displacement of the left in third way political formations. At the intellectual level, it is apparent in Francis Fukuyama's proclamation of the end of ideology. Derrida commented on the reasons for that spectre of Marx: |
概要 『マルクスの亡霊』というタイトルは、カール・マルクスとフリードリヒ・エンゲルスが『共産党宣言』の冒頭で述べた、「ヨーロッパには亡霊が取り憑いてい る 」という言葉を暗示している。1989年にベルリンの壁が崩壊し、共産主義が終焉して以来、デリダにとってマルクスの精神はさらに重要な意味を持つ。その 死によって、共産主義の亡霊が地球を訪れ始めたのである。デリダは、マルクスから、つまり共産主義からではなく、責任哲学から、そしてマルクスのラディカ ルな批評精神を継承する作業を行おうとしている。デリダはまず、共産主義の崩壊後、新保守主義的な集団の形成や、第三極的な政治形成における左派の置き換 えに見られるように、西側の多くの人々が勝利至上主義的になっていたことを指摘する。知的レベルでは、フランシス・フクヤマがイデオロギーの終焉を宣言し たことに表れている。デリダは、マルクスのその亡霊の理由についてこう述べている: |
For it must be cried out, at a
time when some have the audacity to neo-evangelise in the name of the
ideal of a liberal democracy that has finally realised itself as the
ideal of human history: never have violence, inequality, exclusion,
famine, and thus economic oppression affected as many human beings in
the history of the earth and of humanity. Instead of singing the advent
of the ideal of liberal democracy and of the capitalist market in the
euphoria of the end of history, instead of celebrating the ‘end of
ideologies’ and the end of the great emancipatory discourses, let us
never neglect this obvious macroscopic fact, made up of innumerable
singular sites of suffering: no degree of progress allows one to ignore
that never before, in absolute figures, have so many men, women and
children been subjugated, starved or exterminated on the earth.[1] |
人類史の理想としてついに実現したリベラル・デモクラシーの理想の名の 下に、大胆にも新福音主義を唱える者がいる今、それは叫ばれなければならない。暴力、不平等、排除、飢餓、そして経済的抑圧が、地球と人類の歴史の中で、 これほど多くの人間に影響を与えたことはない。自由民主主義と資本主義市場の理想の到来を、歴史の終わりという陶酔の中で歌うのではなく、「イデオロギー の終わり」と偉大な解放の言説の終わりを祝うのではなく、無数の苦しみの特異な現場からなる、この明白な巨視的事実を決して無視してはならない。 |
Derrida went on, in his talks on
this topic, to list 10 plagues of the
capital or global system. And
then to an account of the claim the creation of a new grouping of
activism, called the "New International". Derrida's ten plagues are: 1. Employment has undergone a change of kind, i.e. underemployment, and requires "another concept". 2. Deportation of immigrants. Reinforcement of territories in a world of supposed freedom of movement. As in, Fortress Europe and in the number of new walls and barriers being erected around the world, in effect multiplying the "fallen" Berlin Wall manifold. 3. Economic war. Both between countries and between international trade blocs: United States - Japan - Europe. 4. Contradictions of the free market. The undecidable conflicts between protectionism and free trade. The unstoppable flow of illegal drugs, arms, etc. 5. Foreign debt. In effect the basis for mass starvation and demoralisation for developing countries. Often the loans benefiting only a small elite, for luxury items, e.g., cars, air conditioning etc. but being paid back by poorer workers. 6. The arms trade. The inability to control to any meaningful extent trade within the biggest ‘black market’ 7. Spread of nuclear weapons. The restriction of nuclear capacity can no longer be maintained by leading states since it is only knowledge and cannot be contained. 8. Inter-ethnic wars. The phantom of mythic national identities fueling tension in semi-developed countries. 9. Phantom-states within organised crime. In particular the non-democratic power gained by drug cartels. 10. International law and its institutions. The hypocrisy of such statutes in the face of unilateral aggression on the part of the economically dominant states. International law is mainly exercised against the weaker nations. |
デリダはこのテーマに関する講演で、資本やグローバル・システムの10
の災いを挙げた。そして、「ニュー・インターナショナル」と呼ばれる新しい活動家集団の創設を主張する。 デリダの10の災いとは次のようなものである: 1. 雇用は種類の変化、すなわち不完全雇用を経て、「別の概念」を必要とする。 2. 移民の国外追放。移動の自由があるとされる世界における領土の強化。ヨーロッパ要塞のように、また世界中に築かれる新たな壁や障壁の数のように、事実上 「崩壊した」ベルリンの壁を何倍にも増やしている。 3. 経済戦争。国家間でも、アメリカ-日本-ヨーロッパという国際貿易圏の間でも。 4. 自由市場の矛盾。保護主義と自由貿易の間の決定できない対立。違法な麻薬や武器などの流れは止められない。 5. 対外債務。事実上、発展途上国の飢餓と戦意喪失の基盤となっている。多くの場合、自動車やエアコンなどの贅沢品のための借金は一部のエリートにしか利益を もたらさないが、貧しい労働者が返済している。 6. 武器貿易。最大の「闇市場」内の貿易を意味のある範囲で管理することができない。 7. 核兵器の拡散。核兵器は単なる知識であり、封じ込めることはできないため、核兵器保有能力の制限はもはや主要国によって維持することはできない。 8. 民族間戦争。神話的な国民アイデンティティのナショナリズムが、半先進国の緊張を煽っている。 9. 組織犯罪の中にある幻の国家。特に、麻薬カルテルが獲得した非民主的権力である。 10. 国際法とその制度。経済的に支配的な国家による一方的な侵略に直面したときの、そのような法規の偽善。国際法は主に弱い国民に対して行使される。 |
On the New International,
Derrida has this to say: |
ニュー・インターナショナルについて、デリダは次のように語っている: |
The 'New International' is an
untimely link, without status ... without coordination, without party,
without country, without national community, without co-citizenship,
without common belonging to a class. The name of New International is
given here to what calls to the friendship of an alliance without
institution among those who ... continue to be inspired by at least one
of the spirits of Marx or of Marxism. It is a call for them to ally
themselves, in a new, concrete and real way, even if this alliance no
longer takes the form of a party or a workers' international, in the
critique of the state of international law, the concepts of State and
nation, and so forth: in order to renew this critique, and especially
to radicalise it.[2] |
新インターナショナル」は、時期尚早の結びつきであり、地位もな
く......協調もなく、党もなく、国もなく、国民共同体もなく、共同市民権もなく、階級への共通の帰属もない。新インターナショナルの名
は、......マルクスまたはマルクス主義の精神の少なくとも一つに鼓舞され続ける人々の間で、制度なき同盟の友好を呼びかけるものに、ここで与えられ
ている。それは、たとえこの同盟がもはや党や労働者インターナショナルの形をとらないとしても、新しい具体的で現実的な方法で、国際法のあり方、国家と国
民といった概念に対する批判において、この批判を刷新するために、とりわけそれを急進化させるために、同盟することを呼びかけるものである[2]。 |
Reception Further information: Jacques Derrida § Criticism from Marxists Fredric Jameson, Werner Hamacher, Antonio Negri, Warren Montag, Rastko Mocnik, Terry Eagleton, Pierre Macherey, Tom Lewis, Aijaz Ahmad responded to Specters of Marx in Ghostly Demarcations,[3] to which Derrida responded in Marx & Sons.[4] |
レセプション さらなる情報 ジャック・デリダ§マルクス主義者からの批判 フレドリック・ジェイムソン、ヴェルナー・ハマッハー、アントニオ・ネグリ、ウォーレン・モンターグ、ラストコ・モクニク、テリー・イーグルトン、ピエー ル・マチェリー、トム・ルイス、アイジャズ・アフマドは『幽霊のような分界』の中で『マルクスの妖怪』に対して反応し[3]、それに対してデリダは『マル クスと息子たち』の中で反論している[4]。 |
Deconstruction Hauntology Hauntology (music) Post-Marxism |
脱構築 ハウントロジー=憑在論 ハウントロジー=憑在論(音楽) ポスト・マルクス主義 |
https://en.wikipedia.org/wiki/Specters_of_Marx |
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ハムレッ
ト(梗概) (1)王が急死する。王の弟クローディアスは王妃と結婚し、後継者としてデンマーク王の座に就く。 (2)「父王の死」と「母の早い再婚」とで憂いに沈む王子ハムレットは、従臣から「亡き王の亡霊が夜な夜なエルシノアの城壁に現れる」という話を聞き、自 らも確かめる。父の亡霊に会ったハムレットは、実は父の死は「クローディアスによる毒殺」だったと告げられる。 (3)復讐を誓ったハムレットは狂気を装う。王と王妃はその変貌ぶりに憂慮するが、宰相ポローニアスは、その原因を「娘オフィーリアへの実らぬ恋」ゆえだ と察する。父の命令で探りを入れるオフィーリアを、ハムレットは無下に扱う。 (4)やがて、「王が父を暗殺した」という確かな証拠を掴んだハムレットだが、母である王妃と会話しているところを隠れて盗み聞きしていた宰相ポローニア スを、王と誤って刺殺してしまう[10]。 (5)さらに、宰相ポローニアスの娘オフィーリアは度重なる悲しみのあまり狂い、やがて溺死する。宰相ポローニアスの息子レアティーズは、父と妹の仇をと ろうと怒りを募らす。 (6)ハムレットの存在に危険を感じた王クローディアスは、復讐心を持ったレアティーズと結託し、毒剣と毒入りの酒を用意して、ハムレットを剣術試合に招 き、秘かに殺そうとする。しかし試合のさなか、王妃が毒入りとは知らずに酒を飲んで死に、ハムレットとレアティーズ両者とも試合中に毒剣で傷を負ってしま う。 (7)死にゆくレアティーズから真相を聞かされたハムレットは、王を殺して復讐を果たした後、事の顛末を語り伝えてくれるよう親友ホレイショーに言い残 し、この世を去ってゆく。 https://x.gd/U7T2Q |
★デリダ『マルクスの亡霊』(フランス語 ウィキペディア解説)
Spectres de Marx
est
un livre du philosophe français Jacques Derrida paru aux éditions
Galilée en 1993. Il fait suite à une conférence prononcée à
l'université de Californie à Riverside la même année, lors d'un
colloque consacré à la pensée de Karl Marx intitulé Whither marxism?
(Où va le marxisme ?). Jacques Derrida introduit dans ce livre la
notion de spectralité et suscite la controverse chez les intellectuels
marxistes par sa méthode de la déconstruction. La conférence était
dédiée à la mémoire du communiste Chris Hani, militant contre
l'apartheid, assassiné le 10 avril 1993. Plan Exorde Chapitre 1 : Injonctions de Marx Chapitre 2 : Conjurer - le marxisme Chapitre 3 : Usures (tableau d'un monde sans âge) Chapitre 4 : Au nom de la révolution, la double barricade (impure "impure impure histoire de fantômes") Chapitre 5 : Apparition de l'inapparent : l'"escamotage" phénoménologique Résumé La notion de spectralité présente dans le titre trouve son origine dans les premières lignes du Manifeste du parti communiste, où Karl Marx écrit : « Un spectre hante l'Europe - le spectre du communisme »1. Derrida commente ce passage en rapport avec la scène d'apparition du spectre dans Hamlet de Shakespeare. Le spectre qui est pensé comme un spectre à venir à l'époque où Marx écrit son texte est pensé par Derrida comme un spectre venu du passé. La notion de spectralité permet de penser cette identité, que Derrida appelle l'hantologie. La question est posée de l'héritage du marxisme et de « l'esprit de Marx » à l'époque de la chute du communisme (chapitre 1). Derrida critique la thèse de Francis Fukuyama inspirée d'Alexandre Kojève concernant la fin de l'histoire 2 et la preuve historique d'une suprématie de la démocratie libérale (chapitre 2). Il fait état, au contraire, de « dix plaies » du « nouvel ordre mondial » en vue d'une « nouvelle Internationale » (chapitre 3). Il entre enfin dans une analyse littérale des textes où apparaît dans la philosophie de Marx lui-même la notion de spectralité : le Manifeste, mais aussi Le dix-huit Brumaire de Louis Napoléon Bonaparte, L'Idéologie allemande et Le Capital (chapitres 4 et 5). Auteurs cités William Shakespeare, Karl Marx, Paul Valéry, Maurice Blanchot, Martin Heidegger, Francis Fukuyama, Sigmund Freud, Hegel, Victor Hugo, Alexandre Kojève, Michel Henry, Emmanuel Lévinas, Max Stirner, Allan Bloom, Étienne Balibar. Critiques Le livre a donné lieu à des questions et objections de lecteurs en majorité marxistes comme Pierre Macherey, Terry Eagleton, Fredric Jameson, Werner Hamacher, Aijaz Ahmad (en) ou Toni Negri rassemblées dans un ouvrage en anglais paru en 1999 (Ghostly Demarcations). Jacques Derrida a répondu dans l'ouvrage Marx & Sons en 2002. |
"Spectres de
Marx"(『マルクスの亡霊』)はフランスの哲学者ジャック・デリダの著書で、1993年にガリレ社から出版された。同年、カリフォルニア大学リバーサ
イド校で開催された「マ
ルクス主義はどこへ向かうのか」と題するカール・マルクスの思想に関する会議での講演に続くものである。この本の中でジャック・デリダは、スペクトルとい
う概念を紹介し、脱構築という手法でマルクス主義知識人たちの論争を引き起こした。この会議は、1993年4月10日に殺害された共産主義者の反アパルト
ヘイト活動家クリス・ハニに捧げられた。 計画 序文 第1章 マルクスの禁止令(Injonctions de Marx) 第2章 呪術-マルクス主義(Conjurer - le marxisme) 第3章:用途(年齢不詳の世界像):Usures (tableau d'un monde sans âge) 第4章 革命の名において、二重のバリケード(不純な「不純な不純な怪談話」):Au nom de la révolution, la double barricade (impure "impure impure histoire de fantômes") 第5章 見えないものの出現--現象学的「エスカモタージュ」:Apparition de l'inapparent : l'"escamotage" phénoménologique まとめ タイトルにある「幽霊」の概念は、『共産党宣言』の冒頭でカール・マルクスが「ヨーロッパには幽霊がとりついている-共産主義の幽霊である」と書いている ことに由来する1。 デリダはこの一節について、シェイクスピアの『ハムレット』で亡霊が登場する場面との関連でコメントしている。マルクスが彼のテクストを書いた時点で、来 るべき亡霊として考えられている亡霊は、デリダによっ ては過去からの亡霊として考えられているのである。妖怪性の概念は、デリダがハントロジーと呼ぶこの同一性について考えることを 可能にする。マルクス主義の遺産と共産主義崩壊時の「マルクスの精神」についての問題が提起される(第1章)。 デリダは、アレクサンドル・コジェーヴに触発されたフランシス・フクヤマの「歴史の終わり2」についてのテーゼと、自由民主主義の優位性の歴史的証明を批 判する(第2章)。 それどころか、「新しい国際」を視野に入れた「新しい世界秩序」の「10の傷」について述べている(第3章)。 最後に、マルクス自身の哲学の中で「スペクトル」の概念が登場するテクスト、すなわち『宣言』、『ルイ・ナポレオン・ボナパルトの18回目の叱責』、『ド イツ・イデオロギー』、『資本論』の文字通りの分析に入る(第4章と第5章)。 引用された作家 ウィリアム・シェイクスピア、カール・マルクス、ポール・ヴァレリー、モーリス・ブランショ、マルティン・ハイデガー、フランシス・フクヤマ、ジークムン ト・フロイト、ヘーゲル、ヴィクトル・ユーゴー、アレクサンドル・コジェーヴ、ミシェル・アンリ、エマニュエル・レヴィナス、マックス・シュティルナー、 アラン・ブルーム、エティエンヌ・バリバール。 書評 本書は、ピエール・マチェリー、テリー・イーグルトン、フレドリック・ジェイムソン、ヴェルナー・ハマッハー、アイジャズ・アフマド、トニ・ネグリといっ た主にマルクス主義の読者から疑問や反論を生み、それらは1999年に英語で出版された本(Ghostly Demarcations)にまとめられた。ジャック・デリダは2002年に『マルクスと息子たち』でこれに反論している。 |
https://fr.wikipedia.org/wiki/Spectres_de_Marx |
マルクスの亡霊たち : 負債状況=国家、喪の作業、新しいインターナショナル / ジャック・デリダ [著] ; 増田一夫訳・解説,藤原書店 , 2007/ Spectres de Marx : l'État de la dette, le travail du deuil et la nouvelle Internationale / Jacques Derrida , Paris : Galilée , c1993. - (Collection La philosophie en effet) |
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デリダはマルクスの唯物論(=実在的存在論)に対して批判する。唯物論は、過去あ るいは現在の実在(リアリティ)は、観念(=デリダはそれを非 実在の幽霊 [spectres]としてとらえる)抜きになしに理解可能であるという立場をとる。だがそれは、傲慢な考え方ではないか?そのように考える(=脱構築す ると)とマルクスの著作には、霊(spirits)から逃亡しようとして、思索を深めた形跡がある。だが、霊から逃れてはならない(→我々は霊にハック= 取り憑かれる存在だからだ)——抽象的な理念と理念を完全に「肉化」する試みの現実態の中間にあるので、それは存在論ではなく、憑在論と呼ばれるものに相 当する。
マルクスの人間解放論は、正義のもとでな
されると、その意味で[その社会理論は]、一種の構造的メシアニズム(宗教なきメシアニズム)になる。
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亡霊の姿は、しばしば現れる度に異なった 様相をもち(同一性を持たない)「延 期されたオリジナルではないもの」としての登場する。反復して登場する、死者の亡霊はつねに「始まり」の姿を露(あらわ)にする。過去の亡 霊の登場は、時間的秩序をゆるがし、解決済みのものではないことを、生者に不安な混乱を通して呼びかけるものである。
そのような、亡霊と生者との間には、理想 的なコミュニケーションな どは不可能であるし、それらの「対話」が、容易なるものがあるだろう。僕たちは、 亡霊を前にして、冷静に相手に対して「対話」などをすることが困難なことは想像に難くない。
デリダは端的に、亡霊の現存在=そこにい る、とはどういうことだと問いをたてる。
現に、亡霊に不安を感じている人はいる。 また、生身を持たず、現前する実在性も、アクチュアリティも現実性ももたぬ亡霊ゆえに、それは過去の遺 物にすぎないとおもっている人も多い(→「アイヌ遺骨の返還問 題について」)。
「鎮まれ、鎮まれ、せっかちな亡霊よ」 (ハムレット)——Horatio says ’tis but our fantasy And will not let belief take hold of him- MARCELLUS
結局のところ「亡霊とは未来なのである、つねに来たるべきものであり、再 -来するかもしれぬもの」(「そのようなものとしてからみずからを現前 させることはない」)(デリダ 2007b:4)
■「私が、幽霊と相続と世代=生殖につい
て、幽霊のいくつもの世代=誕生、すなわちわれわれの前
にも、われわれの内にも、われわれの外部にも現前しておらず、現在生きていないある他者たち
について、これから長々と話そうとしているのは、正義の名においてである。まだ存在
しない正義、まだここにはない正義、もはやここにはない正義、すなわちもはや現前せず、法
にも還元できないところにある正義の名においてである。そ
の他者たちがすでに死んでしまったにせよまだ生まれていないにせよ、もはやここに現前して生
きていないあの他者たち、あるいはまだここに現前して生きていないあの他者たち、その他者た
ちの尊重を原理として持たぬいかなる倫理あるいは政治学——その政治学が革命的であろうとな
かろうと——これらのいずれもが可能とも思考可能とも正しいとも思われない限りにおいて幽
霊について話さねばならず、ひいては幽霊に対して話さねばならず、さらには幽霊とともに話さ
ねばならない」(デリダ 2007a:13) ●「一切の生き生き とした現在の彼方における責任=応答可能性、生き生きとした現在の節合をはずすものにおける/ 責任=応答可能性、まだ生まれていない者もしくはすでに死んでしまった者たちの幽霊の前での 責任=応答可能性なしには。その彼らが、戦争ゃ、政治的その他の暴力や、民族主義的、植民地 主義的、性差別的その他の絶滅や、資本主義的帝国主義あるいはあらゆる形態の全体主義による 圧制、それらの犠牲者であろうとなかろうと。生き生きとした現在の、自己に対するこの非-同 時性がなければ、その現在の正確さをひそかに狂わせるものがなければ、ここにはいない者たち ーーすなわち〈もはや〉あるいは〈まだ〉現前してはおらず生きていない者たち——への正義の ための責任と敬意がなければ、「どこに?」、「明日はどこに?(whiter?)」という問いを立て るどんな意味があるというのだろうか」(デリダ 2007a:13-14)。 |
★憑在論批判
「デリダは、他者を完全に脱存在化するこ
とにより、他者性をきたるべきものに還元し、その結果、約束という幽霊だけが残る」ジジェク『操り人形と小人』(210)」
【設問】
1.
2.
■デリダの『マルクスの亡霊たち』(増田 一夫訳)について
導入
1.マルクスの厳命
2.共謀する=厄祓いする——マルクス主義(を)
3.摩耗(年齢、時代なき世界の描写)
4.革命の名のもとに、二重のバリケード(不純な「不純なる不純な幽霊たちの物語」)ß
5.現れざるものの出現——現象学的「手品」
■共産主義の亡霊
亡霊の比喩は、マルクス・エンゲルスが「共産主義者宣言(共産党宣言)1848年」で、共産主義のこと(das Gespenst des Kumunismus)を比喩して表現した。だが、マルクスの著作のうちフランス三部作「フランスにおける階級闘争」「ルイ・ボナパルトのブリュメール 18日」「フランスの内乱」に登場する。
共産主義者宣言/共産党宣言の憑在論︎▶︎マルクス主義と
いう名のオブセッション▶︎︎▶︎▶︎︎▶︎▶︎︎▶︎▶︎︎▶︎▶︎
リンク(概念用語)
文献
Mitzub'ixi Quq Chi'j
Copyleft, CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1997-2099
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