暴力について考える(対話術F)
Art of Dialogue F: Talking on
Violence
池田光穂
緒言(3つのテーゼ)
(I)暴 力概念を定義すると共に、そこから導かれる現代社会における暴力現象 の広がりを把握するとともに、社会思想史における暴力概念の変遷につ いての基礎知識をおさえよう。そして、
(II)事例検討を通して、人類学理論において焦点化さ れるさまざまな暴力表象の多様性について学ぶ。
(III)この授業を通して、暴力ついて考えることが、学習者ならびに教師に対して事後的にどのような効果をもた らすのかについて予測し、それを見守ることとする。
シラバス項目(以下)
授業担当者:池田光穂(Mitsuho
Ikeda) |
池田光穂 |
Prof. Mitsuho IKEDA |
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履修対象/Eligibility |
1,2,3,4,5,6年生 |
1,2,3,4,5,6 |
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開講時期/Schedule |
夏学期:火曜6-7限 |
Summer Term, Tue 6,Tue 7 |
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講義室/Room |
スチューデントコモンズセミナー室C:
豊中キャンパス(画像をクリックで拡大)【総合棟I(いち)の2階です】 |
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講義題目/Course Name |
対話術F(暴力について考える)
2019: Course Code: 3B1110→現在は仮想シラバスです |
Art of Dialogue F: Taking on
Violence: 3B1110 |
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授業の目的と概要/Course
Objective |
暴
力概念を定義すると共に、そこから導かれる現代社会における暴力現象
の広がりを把握するとともに、社会思想史における暴力概念の変遷についての基礎知識をおさえたい。そして、事例検討を通して、人類学理論において焦点化さ
れるさまざまな暴力表象 の多様性について学び、この授業を通して、暴力ついて考えることが、学習者ならびに教師に対して事後的にどのような効果をもた
らすのかについて予測する。 |
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学習目標/Learning Goals |
1.暴力について、世間の人に受け入れ
られている概念的定義がどのようなものであるのかを理解すると同時に、それを事例を用いて平易な言葉で説明することができる。 2.上掲1.について説明したことが、いかにもうひとつの反対概念である「平和」から導きだされていることを自覚する。そのような自覚をもとに上掲1.の 「暴力概念」が、我々の頭の中にある「平和概念の否定」から成り立っていることを、次に説明することができる。 3.上掲2.の手順の踏んで、「平和概念の否定」以外の暴力の形態や概念、価値づけに関する思考実験——例〈純粋暴力と不純な暴力〉〈よい暴力と悪い暴 力〉は峻別可能か?など——を行い、その結果を、君の周囲にいる人にプレゼンをして、他者が抱く暴力概念への再考を促すことができる。 |
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履修条件・受講条件
/Requirement; Prerequisite |
どなたでも受講できます。 |
Because
we use both English and Japanese texts by Slavoj Žižek, the
participants of this class are recommended to familiar with bilingual
situation by these languages. But the English language competency of
participants is not required as "super fluent," but basic. |
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特記事項/Special Note |
とくにありません。 |
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授業計画/Special
Plan (回)題目/Title:内容/Content |
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授業形態/Type of Class: |
レクチャーと議論と質疑応答からなる。 |
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授業外における学習
/Independent Study Outside of Class |
「暴力について考える(サブノート;https://goo.gl/TiXSFz)」「ジジェ
ク『暴力:6つの考察』ノート(https://goo.gl/fJ4z9a)」
を準備しています。 ジジェクに関して予習するのならこちらです(「ジジェク大全 (Uncychropedia of Slavoj Zizek)」) |
We
provide and arrange a resource web-page [ https://goo.gl/GePPHQ ] for
students attending this class outside from this virtual syllabus. The
Students can use this web-site for preparations and reviews of each
class. |
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教科書・教材/Textbooks |
スラヴォイ・ジジェク『暴力 : 6つの斜めからの省察』中山徹訳、青土社、2010年(ISBN
9784791765737)ないしは、Žižek, Slavoj (2008) Violence : six sideways
reflections. London: Profile Books. サブ教材として、(1)「ヴァルター・ベンヤ ミン「暴力批判論(1920/1921)」ノート」(2)池田光穂「子殺しと棄 老:「動物殺し」としての殺人の解釈と理解について」Pp.57-97、シンジルト・奥野克巳編『動物殺しの民族誌』所収(CSCD_Mikeda_Infanticide_gerontocide_2016.pdf) (3)「政治的暴力と人類学を考える」※パスワードは授業時にお伝えします。 |
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参考文献/Reference |
授業ならびに「ウラバス」(https://goo.gl/97XFZ9)において適宜紹介します。 ・ジョジュル・ソレルの暴力論(「暴力に関する省察」)ノート |
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成績評価/Grading Policy |
各人で、自分用のポートフォリオを作っ
て管理し、中間レポート、最終試験を通して、総合的に判断します。 |
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コメント/Other Remarks |
わからないことがあればメールで聞いて
みよう!池田光穂(rosaldo[at]cscd.osaka-u.ac.jp) |
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キーワード/Keywords |
暴力、平和、暴力抑止論、ジジェク、カ
ント、ヘーゲル、革命、法、正義 |
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受講生へのメッセージ/Messages
to Prospective Students |
こ
の授業をとおして「解明困難な学問的課題に取り組むこと」を楽しんでください。楽しいこと、わかったことは、SNSをはじめとして様々なメディアを通して
発表する。そして「情報倫理」や「研究倫理」を抑えつつ、公共のメディアでの情報発信に関するさまざまな約束事について「人類学理論は社会や文化に『埋め
込まれている』ことを」発見する、喜びに触れてください。 - 「暴力批判の課題とは、 暴力と、法および正義との関係を叙述 することである、と言い表すことができる」——ヴァルター・ベンヤミン「暴力批判論」(1920/21)[浅 井健二郎訳, p.227] - 現在次の本を読んでいます:「ジジェ ク『暴力:6つの考察』ノート(https://goo.gl/fJ4z9a)」 -この授業は大阪大学COデザインセンター「SDGs 達成に向けた高度汎用力教育開発」の支援をうけています。この授業に関連する項目は以下のとおりです。 「SDGs10:人や国や不平等を無くそう」「SDGs16:平和と公正をすべての人に」 |
[Notice]
Before your registration of this course, please remind to check this
course syllabus written in Japanese (Japanese edition in this year). If
you have any kind of inquiry on these contents, please ask to the
lecturer by e-mail, Prof. Mitsuho Ikeda, rosaldo[at]cscd.osaka-u.ac.jp
If special consideration regarding the taking of this course is
necessary due to reasons such as a disability, please consult in
advance with the academic affairs related contact point for the
department belonged to (such as the school affairs section or graduate
school affairs section) or else with Trans-disciplinary Education
Division of Purser Department in the Center for Education in Liberal
Arts and Sciences. In addition, please inform the teacher responsible
for the class at an early stage, such as at the first class. |
++
1 |
6月11日(火)1800-2100 |
現代暴力論概論/利用するテキストと「マッド・フィロソファー」スラヴォイ・ジジェクの紹介 |
2 |
6月18日(火)1800-2100 | 「ジジェ ク『暴力:6つの考察』ノート(https://goo.gl/fJ4z9a)」 暴君の血まみれのローブとSOS暴力(序と第1章) |
3 |
6月25日(火)1800-2100 | 汝の隣人を汝自身のように恐れよ!(第2章) |
4 |
7月02日(火)1800-2100 | 「血に混濁した潮が解き放たれ」(第3章) |
5 |
7月09日(火)1800-2100 | 寛容的理性のアンチノミー(第4章) |
6 |
7月16日(火)1800-2100 | イデオロギー的カテゴリーとしての寛容(第5章) |
7 |
7月23日(火)1800-2100 | 神的暴力(第6章とエピローグ) |
8 |
7月30日(火)1800-2100 | まとめ:付録「政治的暴力と人類学を考える」発表17年後の検証 |
【回数】 |
【テーマ】 |
【日本語】 |
English text with password |
1 |
イントロダ
クション スラヴォイ・ジジェ ク『暴力:6つの考察』についての考察:0.序(暴君 の血まみれのローブ)/1.SOS暴力 |
01-violence_SZ2008-3.pdf | 01-SZizek_Violence2008.pdf |
2 |
0.序(暴 君の血まみれのローブ)/1.SOS暴力 | 01-violence_SZ2008-3.pdf | 01-SZizek_Violence2008.pdf |
3 |
2.汝の隣 人を汝自身のように恐れよ! | 02-violence_SZ2008-4.pdf | 02-SZizek_Violence2008-2.pdf |
4 |
2.汝の隣
人を汝自身のように恐れよ! |
02-violence_SZ2008-4.pdf | 02-SZizek_Violence2008-2.pdf |
5 |
3.「血に混濁した潮が解き放たれ」 | 03-violence_SZ2008-5.pdf |
03-SZizek_Violence2008-3.pdf |
6 |
3.「血に混濁した潮が解き放たれ」 | 03-violence_SZ2008-5.pdf | 03-SZizek_Violence2008-3.pdf |
7 |
4.寛容的理性のアンチノミー | 04-violence_SZ2008-6.pdf |
04-SZizek_Violence2008-4.pdf |
8 |
4.寛容的理性のアンチノミー | 04-violence_SZ2008-6.pdf | 04-SZizek_Violence2008-4.pdf |
9 |
イデオロギー的カテゴリーとしての寛容 | 05-violence_SZ2008-7.pdf |
05-SZizek_Violence2008.pdf |
10 |
イデオロギー的カテゴリーとしての寛容 | 05-violence_SZ2008-7.pdf | 05-SZizek_Violence2008.pdf |
11 |
神的暴力/7.エピローグ+文献 | 06-violence_SZ2008-8.pdf | 06-SZizek_Violence2008-2.pdf |
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神的暴力/7.エピローグ+文献 | 06-violence_SZ2008-8.pdf | 06-SZizek_Violence2008-2.pdf |
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まとめ | ||
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発表会 |
リンク:「暴力論」(過去の授業で取り上げた内容)
リンク(「暴力と正義」に関連するサイト内リンク)
■京都新聞の広瀬一隆記者の取材を受けました(掲載は2018年11月29日)※映像は一部です。
『京都新聞』2018年11月29日 ※映像は一部/香港2019年6月16日の夜
関連情報:アチェにおける親殺しと霊の復讐/グアヤキ年代記:アチェ先住民の世界/ピエール・クラストル/嬰児殺しと棄老の文化的解釈/未開社会における安楽殺の倫理/嬰児殺しと棄老に関する考察ノート/ヘーゲルと親殺し/「あなたには愛というものがわからない:バタイユ問題」/
文献
その他の情報
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Ferocious Samurai in Fiction, Ukiyoe painting by Yoshitoshi TSUKIOKA.
Copyleft, CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 2019