はじめによんでください

人種主義

racism, racismo

Ruth Fulton Benedict, 1887-1948

解説:池田光穂

人種主義(レイシズム)とは、ルー ス・ベネディクト (1997: 116)によると「ある民族集団が先天的に劣っ ており、別の集団が先天的に優等であるように運命づけられている、と語るドグマ」のことである (Benedict 1945:98)。言い方をかえると「人種とは、人間の[下位]集団に固有の——すなわち否定できない——属性が確かに存在するという、心理的かつ社会的 オブセッション(強迫観念)である」。今 日では、人間集団の社会的違いを、生物学を基調とする本質主義的な種的な違いをあら ゆるタイプの差別や 権力にもとづく選別に利用する考え、をそう呼ぶことができる(→より詳しい解説は「人種主義(レイシズム)理論」で説明する)。

"Racism is the new Calvinism which asserts that one group has the stigmata of superiority and the other has those of inferiority." (Benedict 1945:4)

「人種差別とは、あるグループには優越の刻印(しる し)があり、もう一方には劣等の刻印(しるし)があると主張する新しいカルヴァン主義である。」

"Race, then, is not the modern superstition. But racism is. Racism is the dogma that one ethnic group is condemned by Nature to hereditary inferiority and another group is destined to hereditary superiority. It is the dogma that the hope of civilization depends upon eliminating some races and keeping others pure .It is the dogma that one race has carried progress with it throughout human history and can alone ensure future progress. It is a dogma rampant in the world today and which a few years ago was made into a principal basis of German polity." (Benedict 1945:98)

「人種は現代の迷信ではない。しかし人種差別はそう である。人種主義とは、ある民族集団は自然によって遺伝的劣等を宣告され、別の集団は遺伝的優越を運命づけられているというドグマである。文明の希望は、 ある民族を排除し、他の民族を純粋に保つことにかかっているというドグマである。人類の歴史を通じて、ある民族が進歩を担ってきたというドグマであり、そ れだけが将来の進歩を保証できるというドグマである。それは今日の世界で横行しているドグマであり、数年前には[ナチス・]ドイツの政治の主要な基礎となっていた。」

さて、ルース・ベネディクトの定義がユニークなのは、人種主 義を説 明するのに「人種」の概念を一切使っていないことである。なぜなら、ベネディクトは、彼女 の先生(=指導教員)であった、フランツ・ボアズの教えに従い、 人びとが考える人種とは、血液や肌の色などで決定的に「異なる」集団であると人びとがそう思っている虚構にすぎず、身長、肌の色、生物学的な外見の形質 は、「混血」によりグラデーションによって、分けられるにすぎないと考えていたからである。ボアズやベネディクトの思想を受け継いだ多くの(北米の)文化 人類学者たちは、基本的にその議論の延長上に人間の集団(ベネディクトのいう「民族集団」)を位置づけようとするが、人種主義者の語彙のなかに、人種が確 かにあること(=本質性)を前提にした「混血」などの用語がある。その用語を使って、人種主義の「虚構性」を指摘したために、人種/人種主義を語る文化人 類学たちの語り口はそれほどシャープなものに聞こえにくい。

ベネディクトの言った、多くの人間が抱きがちな誤っ た「ドグマ」を克服することはなかなか難しい。また、人種主義が(論理学でいうところの「論点先取(begging the question)」の 咎ゆえに)誤ったものであることは証明されている/ 明白であるにも関わらず、「肌の色の違いは明白である」という経験的事実から、人種偏見から自由になるために「その違いはないことにしましょう」と誤解さ れることの多い「カラーブラインド/カラー・ブラインド」原則にいたるまで、今日でも、人種主義の克服は、人間にとっての厄介な課題でありつづけている。

人種主義とは、その語の定義から、人種の存在を普遍 化して、「人種の差異」にもとづく峻別をつける思想と言えないことはないが、歴代の(?!)人種主義の用法は、その人種の集団のなかに、劣等と優秀という 2つの価値観を押しつけ差別を正当化するために利用されてきたので、人種主義=レイシズムを、人種差別主義と訳されてきたのも事実である。

もちろん、今日の人種主義の先駆形態・イデオロギー ともいえる白人優越主義(White supremacy or white supremacism)は、啓蒙主義の17世紀までにさかのぼれる科学人 種主義Scientific racism)の影響を受けてきたが、それについては、リンク先の情報をみていただきたい。科学的人種主義の同義語としては、「人種生物学」「人 種的生物学」「疑似科学的人種主義」などの用語があり、近代のそれは、ジョゼフ・アルテュール・ド・ゴビノー伯爵(Joseph Arthur, Comte de Gobineau / Arthur de Gobineau, 1816-1882)によるものであり、彼の生物学的人種主 義は、現在の人種主義のスタイルに大きな影響を与えた。

科学人種主義Scientific racism)は、ウィキペディア(英語)の表現に倣うと、人種主義(人種差別)、人種的劣等性、あるいは人種的優越性を支持するか正当化するた め経験に本当らしく見せる「擬似科学的信念(pseudoscientific belief)」のことである。言い換えると、異なった表現型 (phenotypes)や遺伝型(genotype)の個人を明確に区分された諸人種に分類する実践を端的に科学人種主義と言うことができる。歴史的には、科学人種主 義は、かつての科学者集団のなかでは信頼性があったとみなされたが、現在ではもはや科学的なものではないと認定されているものをいう。

しかし同時に、レイシ ズム(人種差別主義)とは、端的に政治権力を通して人種差別を正当化する概念で もある。ハンナ・アーレントは『全体主義の起源The Origins of Totalitarianism, 1951)』のなかで、「レイシズムは、帝国主義的政治の主要なイデオロギー的武器で あるという事実は明確」であると、正しく指摘している(Arendt 1957:160)。

制度的人種主義・制度的レイシズム・体系的人種主 義(Institutional racism,  systemic racism)[→制度的人種主義・体系的人種主義][→アメリカ合衆国における制度的人種主義

フ ランツ・ボアズは人間の基本的な精神性(マインド)には人 種間の違いがないが、能力の優劣があると1901年の時点では、そのように主張していた(→「ボアズとレイシズム」)。

人種主義は、排除と包摂という政策からなりたつ。前者の典型は、アパルトヘイト(人種隔離政 策)であり、後者が、劣等人種の同化である。後者の、同化(assimilation)と は、人間社会の なかで、より大きな集団、あるいはマイノリティーでも文化的ヘゲモニーを掌握した集団の価値や生活様式を、他の集団が取り込んでゆき、もともとあった自他 の差異が縮減してしたり、消滅したりすること。包摂や包合(absorption)と呼ばれることがある。

★人種主義(レイシズム)はなぜ間違っているのか?

1. 人種差別を謳った国際規約上の約束事である(慣習的正当性)
過去のレイシズムがもたらす人間観の暴力に対して、さまざまな外見や肌 の色のちがい、能力など人間のあいだのグループの多様性にもとづいた「差別や暴力」の禁止を謳った数多くの国際協約は、すべて「人間のあいだの差異を超え てすべて平等」に取り扱われるべきだと規定している。
2. 口実としての人種概念の禁止すべきである(原則)。
人種と人種にまつわる用語や概念は、他者の集団を識別し、また、差別や 暴力を正当化する「口実」として利用されてきた。多様性は認められても、多様性にもとづく人間観の差異を差別や暴力の「口実」に使うことは、不当である。
3. 人種主義は「人間性」を貶める考え方である(人間性への毀損)
人間がもっている基本的人権、あるいは各人に平等に配分されるべき基本 的人権を、「人種の違い」として、不平等に配分することは、その集団や個人の尊厳を貶めることである。
4. 同胞が人種主義基づく差別に苛まれる場面に直面した多くの人は、自分ごとのように心が苛まれる(自然主義的な苦痛の説明)
動 物においても(少なくとも多くの哺乳動物では)同類が苦しめられたり、痛めつけられたりする場合、不安になったり、特に、その同胞を助けようとする(=実 際には、群衆・群畜がひとつの個体に対して無慈悲に暴力を振る舞うこともある。このような例は数少ないが、同胞を助ける行為の反作用だと説明されてい る)。これは、功利主義的倫理学の立場から、自然主義的道徳的判断と[強いコンセンサスはなく]ナンセンスで無根拠なものとされている。「自分ごとのよう に心が苛まれる」自然主義的な倫理の導出は、功利主義では批判されているが、生物進化的には意味があるという説明があるので、「人種差別は人々に苦痛をも たらす」という説明が、人種主義を禁止したり、抑制すべきだという説明は、決してナンセンスなものとは言えない。
5. カントの定言命法から導きだせる、人種主義の不当性(「定言命法」)。
カントの定言命法「あなたの意志の格律が常 に同時に普遍的な立法の原理として妥当しうるよ うに行為せよ」は、 仮言命法とことなり、つねに普遍的にふるまうべきものとされる。人間の平等の概念にたてば、このように普遍的に振る舞う、第一歩は、他者が自分を扱うこと と自分が他者を扱うことが、共通であり、そこに差異を見出すことのないようにするためには、一人が奴隷で、一人が主人のような不均衡な人間関係ではなりた たない。これを身の回りに展開すると、エイジズム、ジェンダリズム、セクシズム、そして、レイシズムは、カントの定言命法に反するものになることは明白で ある。定言命法は、普遍主義から現実の行動原則を導くためには、人権概念にとって必要かつ最小限の格言であることがわかる。
6. レイシズムは人間のあいだの協調と平和を崩す思考法である(暴力性)。
レ イシズムが持ち込まれるところで、いさかい、憎しみ、偏見、暴言や暴力おこることを、人類は数々の歴史のなかで確認してきた。そのための、国際社会の禁止 による、暴力性の回避という努力現象が1.であげた「国際協約」である。レイシズムの暴力性については、つねに、想起され、そのことが二度とおこらないよ うに、社会のみならず、個人の行動原則のなかにも、レイシズムの禁止が必要になる。
7.人間の中に「人種」という集団分類を持ち込むのは「差異が連続的」 なものに恣意的に「境界」を設けることである(非科学性・非合理性)
人 間の中に「人種」という集団分類を持ち込むのは「差異が連続的」なものに恣意的に「境界」を設けることである(非科学性・非合理性)。その分類は、そのよ うな動機に「人種」間の優劣をつけることである。つまり、「人種」間の優劣をつけることが、隠された動機になり、非科学的かつ非合理的な「疑似科学」によ り、分類の秩序が正当化される。

文献:Sunday Layi OLADIPUPO and Bólúwatifẹ́Sulaimon OYÈKÚNLÉ, Ethics of Racism. n.d. Domuni University https://x.gd/6UUo3

★「クラスター」という名称と人種主義

"In a contemporary discussion among philosophers about the biological (also termed “scientific”) basis for “race,” there are claims that clustered human variation demonstrates the reality of a biological concept of race, and that, further, this supposed reality neither encourages nor partners with racism (Hardimon 2012; Kaplan and Winther 2014). These are carefully worded discussions—based on past and present mainstream evolutionary biology—with one major exception: by insisting that “race” applies to patterns of observable human biological variation, these discussions ignore the sociocultural meaning of race, its historical context, and its political consequences like social and economic inequality. They suppose that “race” is eligible for human taxonomy, but mainstream American culture shows otherwise. “Race” has evolved into a concept that supersedes biology and therefore it cannot also apply as a strictly biological concept. After a racist history of science and a racist history of knowledge production generally, we know that “race” does not exist without racism."

Heather L. Norton, et al., Human races are not like dog breeds: refuting a racist analogy. Evolution: Education and Outreach volume 12, Article number: 17 (2019)

「哲学者の間で最近行われている「人種」 の生物学的(「科学的」とも呼ばれる)根拠に関する議論では、人間の多様性のクラスター化が人種という生物学的概念の現実性を実証しており、さらに、この 想定される現実は人種差別を助長することも、共謀することもないという主張がある(Hardimon 2012 ; Kaplan and Winther 2014)。これらは、過去および現在の主流の進化生物学に基づいた、慎重に言葉が選ばれた議論であるが、大きな例外が1つある。それは、「人種」は観察 可能な人間の生物学的多様性のパターンに当てはまると主張することで、これらの議論は人種の社会文化的意味、歴史的背景、社会的および経済的不平等などの 政治的結果を無視しているということである。彼らは「人種」が人間の分類に適格であると想定しているが、主流のアメリカ文化はそうではないことを示してい る。「人種」は生物学に取って代わる概念に進化したため、厳密に生物学的な概念としても適用することはできない。科学の人種差別的な歴史と、知識生産全般 の人種差別的な歴史を経て、私たちは「人種」は人種差別なしには存在しないことを知っています。」

Heather L. Norton, et al., Human races are not like dog breeds: refuting a racist analogy. Evolution: Education and Outreach volume 12, Article number: 17 (2019)

https://evolution-outreach.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12052-019-0109-y https://evolution-outreach.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12052-019-0109-y

★レイシズム年表(今後の改訂や追加は「年表:人種主義」でおこないます)

711 イベリア半島にムスリムが居住するようになる

1441 最初のアフリカ人奴隷がポルトガルに連れてこられる

1492 コロンブスが新大陸に足を踏み入れる/ムスリムがヨーロッパから排斥 される(レコンキスタ)

1542 ラス・カサス『インディアスの破壊についての簡潔な報告』

1550 ラス・カサスとヒネス・セプルベーダの論争(バリャドリード論戦)

1619 北アメリカに最初の黒人奴隷が連れてこられる

1684 フランソワ・ベルニエ(François Bernier)『地上の新しい分割』

1735 リンネ『自然の分類』

1749 ビュフォン『自然史』

1774 ヘンリー・ケイムズ卿(Henry Home, Lord Kames)『人類史のスケッチ』

1775 ブルーメンバッハ『人類の自然分類について』

1776 アメリカ独立宣言

1787 トマス・ジェファーソン「バージニア州に関するノート」発表

1789 アメリカ合衆国憲法の採択、フランス革命はじまる

1798 トーマス・ロバート・マルサス「人間の人口についてのエッセー」

1808 アメリカ合衆国奴隷制を廃止

1813 ジェームス・コールズ・プリチャード(James Cowles Prichard)『人類の形質史に関する研究』

1815 サ ラ・バートマン死 亡、ジョルジュ・キュビエ(1769-1832)は彼女を解剖する。ナポレオンはフランスにおける奴隷売買を禁止する。

1817 アメリカ植民協会(American Colonization Society)の設置

1833 大英帝国からの奴隷解放

1839 サムエル・モートン『クラニア・アメリカーナ』出版

1840 アンダース・レツィウス(Anders Retzius)頭蓋指数 (cephalic index)を考案

1844 サムエル・モートン『クラニア・アエジプティアカ』出版

1845 ジョサイア・ノット(Josiah Nott)『コー カシアンとニグロ人種の自然史』を出版

1850 ロバート・ノックス(Robert Knox)『人間の人種』出版

1853[55?] アルチュール・ド・ゴビノー『人類の不平等に関する試論』

1856 ポー ル・ブローカ『人間の雑種』

1859 ダーウィン『種の起源』

1861 アメリカ南北戦争(the Civil War)勃発

1862 ハーバート・スペンサー『第一原理』出版

1863 ジェームズ・ハント(James Hunt)ロンドン人類学協会(London Anthropological Society)設立

1863 アルフレッド・ラッセル・ウォーレス(Alfred Russel Wallace)「『自然選択理論』から導かれる人種の起源と人間の古層」を出版(→人種の自然選択についての言及)

1865 

南北戦争終焉。合衆国における奴隷制の終焉。

ジョン・ラブボック(John Lubbock)『先史時代の人骨と現在の野蛮人の慣習とマナーに関する図説』を出版

1868 エルンスト・ヘッケル『生物創造の歴史』

1869 フランシス・ゴルトン『遺伝的天才』出版

1871 

ダーウィン『人間の由来』出版

英国、民族学会と人類学会が統合して「大英帝国アイルランド人類学協会(Anthropological Institute of Great Britain and Ireland)」が成立

1874 リチャード・L・ダグダーレ(Richard L. Dugdale)『ジュークス家:犯罪、貧困、遺伝の研究(The Jukes: A Study in Crime, Pauperism, Disease and Heredity.)』が出版

1882 カール・ピアソン(Karl Pearson)が『科学の文法』を出版。合衆国では「中国人排斥法」が成立。

1883 ルードヴィヒ・グンプロヴィッチ(Ludwig Gumplowicz)『人種の闘争(Der Rassenkampf)』を出版

1888 アメリカ民俗学会が設立される

1891 ヴィルヘルム・シャルマイヤー『文明人の差し迫った身体の退化と医療専門家の国有化について』を出版(ドイツ)

1895 アルフレート・プレッツ『人種衛生の基礎』(Grundlinien einer Rassenhygiene)(ドイツ)

1896 

W.E.B.デュボイス『フィラデルフィアのニグロ』を出版

プレッシー対ファーガソン裁判( Plessy v. Ferguson)において「分離すれども平等(separate but equal)」と判決がくだり、人種の分離が正当化される(Brown v. Board of Education, 1954まで続く)

ジョルジュ・ヴェシェ・ド・ラプージュ『社会選択』を出版(フランス)

1899 

ウィリアム・Z・リプレー(William Z. Ripley)『ヨーロッパの人種』出版

ヒューストン・スチュアート・チェンバレン『19世紀の基礎』出版

ジョルジュ・ヴェシェ・ド・ラプージュ『アーリア人:その社会的役割』を出版(フランス)

1902 OEDのレイシズム記載

1905 

ボアズはコロンビア大学に正式に就職(-1937年)(この頃)ボアズがアメリカの人類学会の主導的な立場になる

ドイツで人種衛生学会成立

1906 アメリカ育種協会が成立

1910 コールドスプリングハーバー実験進化研究ステーションに優生学記録オフィス(Eugenics Record Office)ができる。

1911 ボアズ『未開人の心』を出版

1912 ヘンリー・ゴダード(Henry H. Goddard)『カリカックの家族:精神薄弱における遺伝の研究(The Kallikak Family: A Study in the Heredity of Feeble-Mindedness)』を出版

1914 第一次世界大戦勃発

1916 

マディソン・グラント『偉大なる人種の消滅(The Passing of the Great Race (1916))』を出版

アーサー・エスタブルック(Arthur Estabrook)『1915年のジュークス家』を出版

1918 第一次世界大戦終戦

1919 Red Summer(レッド・サマー「赤い夏」):白人による黒人に対する襲撃多発事件

1922

カール・ブリンガム(Carl Bringham)『アメリカの知性研究』を出版

ハリー・ラーフリン(Harry Laughlin)『合衆国における優生学的去勢』を出版(→「遺伝病の子孫の予防に関する法」)

ハンス・ギュンター(Hans Friedrich Karl Günther)『ドイツ人の人種研究(Rassenkunde des deutschen Volkes)』を出版

ロスロップ・ストッダード(Lothropn Stoddard)『有色人の上げ潮(The Rising Tide of Color Against White World-Supremacy)』

1924 アメリカ合衆国「移民制限法」

1925 アラン・ロック(Alain Locke)『新しいニグロ(The New Negro)』を編集出版

1927 

Buck v. Bell, 274 U.S. 200 (1927)は、 アメリカ合衆国最高裁判所の判決で、オリバー・ウェンデル・ホームズ・ジュニア判事によって書かれものである。この判決は、「国家の保 護と健康のために」知的障害者を含む不適格者の強制不妊手術を許可する州法は、アメリカ合衆国憲法修正第14条の適正手続条項に違反しないと判断した。こ の事件は、しばしば史上最悪の最高裁判決として引用される。

カイザー・ヴィルヘルム人類学・人類遺伝学・優生学研究所が設立

1929 チャールズ・ダベンポートCharles Davenport)とモリス・ステガーダ(Morris Steggerda)が共著で『ジャマイカを横断する人種(Race Crossing in Jamaica)』を出版

1931 アーサー・ファウセット(Arthur Fauset)が『ノーバ・スコシアの民俗』を出版

1933 

アドルフ・ヒトラー総統に就任

「国民及びライヒの危難を除去するための法律」(いわゆる全権委任法)を成立させる

1935 

ドイツ・ニュルンベルク人種法

ジュリアン・ハクスレー(Julian Huxley)とA.C.ハッドン(Alfred Cort Haddon)が共著で『我々ヨーロッパ人』を出版

オットー・クライネベルグ(Otto Klineberg)『人種の違い』を出版する

ゾラ・ニール・ハーストンZora Neale Hurston)『驢馬と人(Mules and Men)』を出版

1937

オトマール・フライヘア・フォン・ヴェルシュアー(Otmar Freiherr von Verschuer)『ユダヤ人の人種生物学』を出版

アリソン・デイビス(Allison Davis) と ジョン・ドラード(John Dollard)『南部都市におけるカーストと階級』を出版

1939

ヒトラー慈悲殺を1939年9月1日 医師たちに与える(→T4

アメリカの?遺伝学者たちはナチのレイシズムに非難の声明をあげる

ヒトラーはポーランドに侵攻、第二次大戦がはじまる

フランクリン・フレイザー(E. Franklin Frazier)『合衆国におけるニグロ家族』を出版

1941 メルヴィル・ハスコーヴィッツMelville J. Herskovits) 『過去のニグロの神話』を出版

1942 アシュレイ・モンタギュー(Ashley Montagu)『人類の最も危険な神話:人種に関する誤信』を出版

1943 

デトロイト、ロスアンゼルス、ニューヨークで人種暴動がおこる

ルース・ベネディクトとジーン・ウェルトフィッシュ(Gene Weltfish)が共著『人種(邦訳:人種主義)』を出版

大東亜会議で日本とその同盟国は人種差別の撤廃を目的とすることを宣 言

1944 ミルダール『アメリカのジレンマ:黒人問題と近代民主主義』

1945 第二次大戦終結

1946 L.C.ダン(L.C. Dunn)とテオドシウス・ドブザンスキー(Theodosius Dobzhansky)が共著で『遺伝・人種・社会』を出版

1947 米国政府『それらの権利を保証する』と人種の差異をこえてアメリカ市民権があることを示す。

1948 国連で世界人権宣言(UDHR)採択

1950 

ウイリアム・ボイドが『遺伝学と人種』を出版

テオドール・アドルノ、エルス・フレンケル-ブラウンズウィック、ダニエル・リビングストン、ネーヴィット・スタンフォードが『権威主義的パーソナリティ』を出版

シャーウッド・ウォッシュバーンがコールド・スプリング・ハーバーで「新しい自然人類学」を提唱

ユネスコ『人種問題』(→人種に関するユネスコ宣言(1950)

1951 

ユネスコ『人種問題』の第二宣言をだす

アーレント『全体主義の起源』

アブラハム・カーディナーとライオネル・オヴェセイが共著で『抑圧の印:アメリカンニグロのパーソナリティ研究』を出版

1952 フランツ・ファノン『黒い肌、白い仮面』を出版

1954

Brown v. Board of Education, 1954において、人種の分離は平等を保証するものでないと、1896年のプレッシー対ファーガソン裁判( Plessy v. Ferguson)において「分離すれども平等(separate but equal)」の判断を覆す。

ゴルドン・オールポートが『偏見の本質』を出版

1955 モンゴメリー・バス・ボイコット

1957 アーカンソー、リトルロックのセントラル高校の分離教育が廃止(命令)

1959 アーカンソー州リトルロックにおける学校統合反対集会

1960 ノースカロライナ、グリースボーロで黒人大学生たちの分離レストランへの座り込み活動

1961 フランツ・ファノン『呪われた大地』を出版

1962 フランク・リビングストン「人種の不在について」を発表

1964 市民権法が可決

1965 ダニエル・パトリック・モイニハン『ニグロ・ファミリー:国民運動の事例』を出版

1966 「あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約」

1967 

ストーケリー・カーマイケルとチャールズ・ハミルトン『ブラックパワー』を出版

ゲリー・マルクス『抗議と偏見』を出版

1968 マーチン・ルーサー・キング・ジュニア、アメリカ心理学会で講演

1969 アーサー・ジャンセン「どのように我々はIQと学業の達成を成し遂げたか?」を発表

1970 ジャーナル・オブ・ブラック・スタディーズ誌、創刊

1972 

ロバート・ブレンナー『アメリカにおける人種的対立』

リチャード・ルウェンティン『人間の多様性への配分』を出版

1973 ジョイス・ラドナー『白い社会学の終焉』

1976 フーコー「知への意志」

1978 

ジョン・オグブ『マイノリティへの教育とカースト:通文化的視点からみたアメリカの教育』

国連教育科学文化機関(UNESCO)による人種と人種的偏見に関する宣言

1984 チャールズ・マレー『失われた大地』

1994 リチャード・ヘルンシュタインとチャールズ・マレー『ベルカーブ』

1996 アメリカ心理学会「知性:知っていることと知らないこと」

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リンク(より複雑なリンク集は→「人種 主義をめぐるポータル」へ)

人種主義に対する科学的な批判

ナチスドイツの人種主義政策

文献

その他の情報

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Copyleft, CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1996-2099

ニュールベング法(1935)

The Nuremberg Laws (German: Nürnberger Gesetze) were antisemitic and racist laws in Nazi Germany.

みんな同じという「イデオロギー」・イメージ(現代):英語は、左から、白人、黒人、ヘテロセクシュア ル、同性愛者、宗教信者、無神論者、そして海賊、である